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【10分で読める映画】映画「きっと、星のせいじゃない。」レビュー|「人生は不公平だ」でも、それでも愛してしまった

2015年2月20日

「この映画を観たら、あなたは“命を燃やすような恋”を知ることになる」

「もし、あなたの命に終わりがあるとしたら――それでも、誰かを愛する勇気がありますか?」

限りある時間の中で芽生えた、ひとつの恋。その美しさと残酷さに、あなたの心は揺さぶられることになる。

きっと、星のせいじゃない。』(2014年 / アメリカ)は、ジョン・グリーンのベストセラー小説を映画化したラブストーリー。

監督はジョシュ・ブーン、主演はシャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴート。

余命を意識しながらも、懸命に今を生きる2人の青年が織りなす、純粋で切ないラブストーリーだ。

🔹起「酸素ボンベを引きずっても、彼女は恋をする」

16歳のヘイゼル・グレース・ランカスターは、甲状腺がんの転移によって肺の機能を失い、酸素ボンベが手放せない生活を送っている。

病院と家の往復、親の勧めで通うがん患者のサポートグループ、それが彼女の日常だ。人生に対してどこか冷めていて、虚無的ですらある。

そんなある日、彼女はサポートグループでオーガスタス・“ガス”・ウォーターズという少年と出会う。

骨肉腫によって片足を失った彼は、快活でユーモアに富んだ青年。

「死を恐れるな。無意味に生きることを恐れろ」と語る彼の姿に、ヘイゼルの世界は少しずつ色づきはじめる。

そして始まる、二人の「限られた時間の中での恋」。

だが、この恋の行く先に待っているのは、決して幸福なエンディングではない。

🔹承「この出会いは、奇跡と呼ぶにはあまりに切ない」

ヘイゼルはガスに、自分の愛読書『至高の痛み』を勧める。

この本に強く心を動かされていた彼女は、「この物語のその後」を知りたいという長年の願いを抱いていた。

ガスは彼女の願いを叶えようと奔走し、作者であるピーター・ヴァン・ホーテンに連絡を取る。

なんと、奇跡的に作者から招待を受けた二人は、オランダ・アムステルダムへの旅を決意。

この旅は、ヘイゼルにとって「人生で最初で最後かもしれない冒険」だった。

だが、待ち受けていたのは、憧れの作家の冷酷な態度。

彼はアルコールに溺れ、人間性すら失っていた。

夢が打ち砕かれ、失意に沈むヘイゼル――その傍らに寄り添ったのは、やはりガスだった。

アムステルダムの夜、ガスはヘイゼルに告白する。

「僕のがんが再発したんだ。もう長くは生きられない」

人生が再び静かに崩れていく音が、観客の心にも確かに届く。







🔹転「君の痛みは、僕の痛みだ――その覚悟と愛」

帰国後、ガスの病状は急速に悪化する。

かつては彼女を笑わせ、支えてくれた彼が、今は弱り果て、歩くことすらままならない。

だが、ガスは最後の力を振り絞って、ヘイゼルと友人アイザックと共に、自らの「追悼式」を開く。

「君がくれたのは、永遠の中の小さな無限だった」

ガスの言葉は、ヘイゼルの心に深く刻まれる。

自らの死を受け入れながらも、彼は最後の瞬間まで「愛すること」をやめなかった。

そして――

彼は静かに、この世を去る。

🔹結「“永遠”はなくても、“意味”は残せる」

ガスの死後、ヘイゼルは再びヴァン・ホーテンと会い、ガスが彼に宛てて書いた手紙を受け取る。

そこにはこう綴られていた:

「ヘイゼルが苦しむことのない世界があればいいと願う。

僕は、彼女を選んだ。心から選んだ。そして、それを後悔していない」

彼は、最後まで彼女を想っていた。

短い人生の中で、最大限に生き抜いたこと。そして、誰かを全力で愛したこと。

その全てが、ヘイゼルにとっては「永遠以上の価値」だった。

「この映画を観たら、あなたの“生き方”が変わるかもしれない」

『きっと、星のせいじゃない。』は、単なる闘病恋愛映画ではない。

それは、「命の意味」「愛の力」「失うことの痛み」――そして、「生きることの奇跡」を描いた詩的な物語だ。

映像は柔らかな自然光と、詩的なモノローグが印象的。

アムステルダムの運河、青い空、揺れる木々…その一つ一つが、二人の記憶に残る風景となって刻まれている。

音楽もまた、感情を高める要素として機能しており、Ed SheeranやBirdyの楽曲が、繊細な心の機微に寄り添ってくれる。

この映画を観たあと、きっと誰もが「今を大切にしよう」と思うだろう。

なぜなら――たとえ星のせいじゃなくても、人は誰かを深く愛せるから。

\あなたにとっての“小さな無限”は、何ですか?/

『きっと、星のせいじゃない。』は、そんな問いをあなたに投げかけてくる。

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りんりん

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