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2025年11月ゲーム市場まとめ|ドラクエI&II52万本突破・Switch2が勢い加速した理由とは

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年末商戦へ向けてゲーム市場が一気に盛り上がりを見せた2025年11月。

ひときわ存在感を放ったのが、シリーズ最新リメイクとなる『ドラゴンクエストI&II』と、勢いを増し続けるNintendo Switch 2です。

本記事では、ファミ通が発表した2025年11月の国内ゲーム販売データをもとに、月間ランキングの動向から市場全体の変化、そしてSwitch2が“伸び続ける理由”まで、多角的に読み解きます。







■ 11月の主役は『ドラゴンクエストI&II』──3機種合計で52.3万本

2025年10月30日に発売されたリメイク作品『ドラゴンクエストI&II』は、発売翌月の11月期でも圧倒的な強さを見せました。

特にNintendo Switch版は293,851本で月間1位

さらに、Switch 2版・PS5版を加えた3機種合計で52.3万本を突破し、ランキング上位に連続ランクインしました。

同シリーズのリメイク作品としては、2024年11月に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が累計127.8万本(2025年11月時点)に到達しており、今回の『I&II』も中長期的な販売が期待されています。

タイトルの世代交代とシリーズの再評価が進む中、2025年末の市場を牽引する目玉タイトルとなったことは間違いありません。

■ 2位『マリオカート ワールド』&3位『カービィのエアライダー』──Switch2タイトルが好調

Switch2市場の牽引役となったのがこの2作品です。

  • 2位:『マリオカート ワールド』(285,142本)

  • 3位:『カービィのエアライダー』(241,881本)※11月20日発売の新作

特に『カービィのエアライダー』は発売10日間で約24万本と高い初速を記録。

Switch2向けに最適化された軽快なアクション性と、オンライン要素の強化がユーザーの購入を後押しした形です。

SwitchとSwitch2の“世代共存期”において、こうしたSwitch2専用タイトルの存在が本体販売を押し上げる要因にもなっています。

■ Pokémon LEGENDS Z-A や 桃鉄2 も安定した販売を記録

2025年11月ゲーム市場まとめ|ドラクエI&II52万本突破・Switch2が勢い加速した理由とは

新作だけでなく、前月に発売された大型タイトルも順調に推移しました。

  • 『Pokémon LEGENDS Z-A』は2機種合計累計212.5万本へ

  • 『桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~ 東日本編+西日本編』は2機種計23.4万本

ロングセラー化している『Z-A』と、各地をテーマにした新展開が話題の『桃鉄2』。11月は“大型新作に挟まれながらも確実に伸ばした月”となりました。







■ ハード市場:Switch2が約50万台、累計296.8万台に到達

2025年11月のゲームハード市場では、Nintendo Switch 2が再び存在感を示しました。

  • Nintendo Switch 2:500,414台(累計296.8万台)

発売月である6月の118.8万台に次ぐ高水準で、年末商戦を前に伸び幅が加速。

追い風となったのは、やはり11月発売の『カービィのエアライダー』など、Switch2専用タイトルのラインナップ拡充です。

従来Switchシリーズも約13.8万台を販売しており、依然として安定した需要が見られます。

■ Switch2が“勢いを増している理由”を独自に読み解く

2025年11月のデータを見ると、Switch2の売れ行きを単なる“新型効果”だけで説明するのは不十分です。

ここでは、市場データから読み取れる構造的な要因を3つに整理します。

① 専用タイトルの充実が本体販売を押し上げている

Switch2向けタイトルは、当初のローンチラインナップから大きく拡張し、2025年後半は新作が次々登場。

特に11月期は、

  • 『マリオカート ワールド』

  • 『カービィのエアライダー』

    といった“購入動機になりやすいソフト”が月間トップ3を占め、本体需要に直結しました。

「ソフトが売れる → 本体が伸びる」という任天堂の王道パターンが、Switch2でも再現されている形です。

② Switchシリーズの“二世代共存”がプラスに作用

SwitchとSwitch2が共存することで、ユーザーはプレイスタイルに応じて選択肢を持てます。

  • 既存Switchの資産がそのまま活用できる

  • 移行期でありながらSwitch2専用ソフトが増えてきた

  • 家庭内で“2台目購入”が進みやすい

この複合的な状態が、ハード市場全体を底上げしていると考えられます。

③ 年末商戦に向けた新作発表が市場心理を刺激

12月には以下の大型タイトルが控えています。

  • 『オクトパストラベラー0』(スクウェア・エニックス)

  • 『メトロイドプライム4 ビヨンド』(任天堂)

これらのタイトルはSwitch2にも対応しており、「今のうちに本体を買っておこう」という動機づけを強めました。

特に『メトロイドプライム4 ビヨンド』はシリーズ最新作として注目度が高く、市場全体の期待感を押し上げています。







■ メーカー別売上では任天堂がトップ。Switch2シフトが鮮明に

11月期のメーカー別販売本数は以下の通りです。

  • 1位:任天堂 76.4万本

  • 2位:スクウェア・エニックス 54.8万本

  • 3位:ポケモン 38.6万本

Switch2市場が立ち上がりつつある中、任天堂タイトルの存在感はさらに強まり、ハードとソフトの好循環が形になり始めています。

2025年11月は“Switch2の本格的普及が始まった月”

2025年11月のゲーム市場は、

  • 『ドラゴンクエストI&II』が52.3万本突破

  • Switch2が約50万台を販売

  • 任天堂タイトルの販売が全体を牽引

という3つのトピックに集約されます。

Switch2は発売から半年が経ち、“普及期の入り口”に差し掛かったと見られます。

12月の大型タイトルが控えていることを考えると、年末商戦でさらに加速する可能性は十分にあるでしょう。

【追記】2025年末へ向かうゲーム市場の焦点

【2025年最新】Nintendo Switch 2の全情報|マリオカート新作から噂のエルデンリングまで!

2025年のゲーム市場を振り返ると、家庭用ゲームは“世代の境目”にありながら、非常に活発な動きを見せています。その中心にあるのがNintendo Switch 2の存在であり、ソフトラインナップの厚みが増すにつれて市場全体のリズムが変わり始めています。

ここで注目すべきは、Switch2が「従来Switchの後継機」ではなく、「環境を段階的に移行させるための架け橋」として機能している点です。発売から半年が経過し、売上データにもその特徴が表れています。

まず特筆すべきは、SwitchとSwitch2の“並走期間”が非常に長く設定されていることです。通常、ハード世代が変わるタイミングでは、ソフトメーカーの開発リソースが次世代へシフトする一方で、旧世代への供給が減り、販売が緩やかに落ち着きます。しかし任天堂は、Switchシリーズの重要資産である膨大なユーザー基盤を活かしつつ、Switch2専用タイトルの比率を徐々に増やしていく方式を採用しています。

2025年11月ゲーム市場まとめ|ドラクエI&II52万本突破・Switch2が勢い加速した理由とは

このアプローチが功を奏しているのが11月の販売データです。Switch向けタイトル『Pokémon LEGENDS Z-A』や『桃太郎電鉄2』が堅調に売れ続けており、一方でSwitch2専用タイトルはランキング上位に食い込む。つまり、旧世代と新世代の両方が市場の中心に存在し続ける“二重構造”がしばらく継続する可能性が高いということです。この状況が市場規模の縮小を防ぎ、むしろ底上げする形につながっている点は見逃せません。

また、Switch2専用タイトルの特徴として、オンライン要素や協力プレイが強化されているケースが多いこともポイントです。『マリオカート ワールド』や『カービィのエアライダー』はその典型で、単なるパワーアップ版にとどまらず、ゲーム体験そのものが現行ユーザーの生活スタイルに合わせてアップデートされています。この方向性は、年末発売の『メトロイドプライム4 ビヨンド』や、スクウェア・エニックスの『オクトパストラベラー0』にも踏襲されると見られ、Switch2が“単に高性能なコンソール”ではなく、“生活に溶け込んだゲームデバイス”として位置づけられていることを印象づけます。

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市場視点で言えば、2025年末は「Switch2の本格普及に向けた試金石」となるでしょう。11月の本体販売台数は約50万台と大きく伸び、累計販売台数は約296.8万台に到達しました。300万台という節目を目前に控え、12月の大型タイトル投入でどれほど伸びるかが、来年以降の市場動向を左右します。

同時に、サードパーティの戦略も注目です。スクウェア・エニックスは『ドラゴンクエストIII』に続き、『I&II』でも好調なスタートを切りました。リメイク路線への評価が高まりつつある中、既存IPをSwitch2向けにどのように最適化するかは、2026年へ向けたソフトラインナップの方向性を占う重要な指標となります。

2025年11月の販売データは、単なるランキング以上の意味を持っています。それは、ゲーム市場が新たなフェーズへ移行する過程を映し出した“スナップショット”であり、Switch2を中心とした市場構造の変化が本格化していることを示す象徴的な数字でもありました。年末商戦と2026年の展望を見据えるうえで、今回の11月データは市場の動きを理解する確かな手掛かりとなるはずです。