音楽

9mm Parabellum Bulletはなぜ前に進むのか。滝善充ドラム兼任という決断が示す“今”

9mm Parabellum Bulletはなぜ前に進むのか。滝善充ドラム兼任という決断が示す“今”

ロックバンド9mm Parabellum Bulletが、新たな局面を迎えている。
2025年12月31日23:59をもってドラマー・かみじょうちひろの脱退が発表され、バンドは次の一手を迫られた。長く続くキャリアの中で、体制変更は珍しい出来事ではない。しかし今回、9mmが選んだ道は「形を変えてでも続ける」ことだった。

その選択を象徴するのが、ギタリスト滝善充によるドラム兼任という決断である。

新体制初ライブで示された、明確な方向性

2026年1月8日、都内で開催された新体制初公演「シークレットフリーライブ2026」。
ステージに立ったのは、菅原卓郎(Vo,G)、滝善充(G,Dr,Cho)、中村和彦(B)の3人だった。

この日は、新曲「レーゾン・デートル」を含む全9曲を披露。「Black Market Blues」「Punishment」といったライブ定番曲も並び、編成が変わっても楽曲の芯が揺らいでいないことを、音そのものが示していた。
新体制のお披露目でありながら、試行段階を感じさせる場面は少なく、現在進行形のバンドとしての姿が前面に出たステージだった。

滝善充が語った“兼任”の理由

滝善充はオフィシャルサイトのコメントで、ドラムを兼任する決断について触れている。
9mmとしての今後やファンの受け止め方を考えたうえでスティックを手に取ったこと、そして「今はこうしなければ気が済まない」「やらなければ一生後悔するだろう」という自身の気持ちがあったことを明かした。

少なくともこのコメント上では、話題性よりもバンドを続けるための選択が前面に語られている。
ギタリストがリズムの要を担うという負荷の大きい決断を、個人的な覚悟とバンド全体への責任の両面から引き受けた形だ。

変化した編成と、変わらない9mmの核

ドラムを叩く滝のプレイは、専任ドラマーとは異なる視点を内包する。
ギターを担ってきたメンバーがリズムを司ることで、楽曲構造の見え方やアンサンブルの呼吸が変化する場面もある。一方で、9mm Parabellum Bulletが持つ緊張感やスピード感、ライブバンドとしての強度は、依然として明確だ。

菅原卓郎のボーカルは、3人編成の中でより輪郭を持って前に出る。
中村和彦のベースは、サウンドの重心を支える役割を一層強め、全体のバランスを保っている。

メンバーそれぞれが見据える“これから”

菅原卓郎は、応援のメッセージを送り続けたファンや仲間、そして9mmの音楽そのものに勇気づけられたとコメントし、「これからもっと9mmを楽しむために変化を続ける」と語っている。

中村和彦は、新体制を「バンドとしての人生を賭けた3人の挑戦」と表現した。
これは、今回の体制変更が一時的な対応ではなく、覚悟を伴った選択であることを示している。

ライブシーンで響く“今”──SYNAPSE出演へ

9mm Parabellum Bulletは2026年2月19日、東京・Zepp DiverCityで行われるライブナタリーの新イベント「SYNAPSE」に出演する。
対バンはPlastic Tree
。ツーマンライブという形式は、互いの現在地を率直に提示する場でもある。

新体制のサウンドが、この大きなステージでどのように響くのか。今後の活動を考えるうえで、注目度の高い公演になることは間違いない。

9mm Parabellum Bulletが更新を続ける理由

9mm Parabellum Bulletは、結成以降、一つの完成形に留まるバンドではなかった。
音楽性、表現方法、ライブの在り方は、時代やメンバーの変化とともに少しずつ更新されてきた。

今回のドラム兼任という選択も、その延長線上にある。
メンバーが減ったから活動を縮小するのではなく、今いる3人で何ができるのかを突き詰める。その姿勢が、現在の9mmを形作っている。

今後、正式なドラマーを迎えるのか、あるいはこの体制をさらに深めていくのかは、現時点では明らかにされていない。
ただ一つ確かなのは、9mm Parabellum Bulletが「変化の途中」にいるという事実だ。

止まらず、更新し続けること。
滝善充のドラムが鳴る現在の9mmは、その姿勢を静かに、しかし確実に示している。

この記事を書いた編集者
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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

映画・ドラマ・アニメ・漫画・音楽といったエンタメジャンルを中心に、レビュー・考察・ランキング・まとめ記事などを幅広く執筆するライター/編集者。ジャンル横断的な知識と経験を活かし、トレンド性・読みやすさ・SEO適性を兼ね備えた構成力に定評があります。 特に、作品の魅力や制作者の意図を的確に言語化し、情報としても感情としても読者に届くコンテンツ作りに力を入れており、読後に“発見”や“納得”を残せる文章を目指しています。ポプバ運営の中核を担っており、コンテンツ企画・記事構成・SNS発信・収益導線まで一貫したメディア視点での執筆を担当。 読者が「この作品を観てみたい」「読んでよかった」と思えるような文章を、ジャンルを問わず丁寧に届けることを大切にしています。

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