©︎HUNTERxHUNTER 冨樫義博／集英社
『HUNTER×HUNTER』の中で、異色の魅力と圧倒的なカリスマを誇る「幻影旅団」。長らく最強の盗賊団として君臨してきた彼らですが、最新の「王位継承編」ではいよいよ崩壊の兆しが強まってきています。最新話406話では、幻影旅団の結束や存続に疑問符を投げかける場面が相次いで描かれ、彼らが再び最強の敵と対峙する展開が見えてきました。
幻影旅団を取り巻く緊迫の戦況と三つ巴の勢力図
幻影旅団は今、新大陸を目指すブラックホエール号（B・W号）の中で、元仲間であり宿敵となったヒソカを追跡しています。しかし、彼らの行く手を阻むのはヒソカだけではありません。船内では、カキン帝国のマフィア勢力がしのぎを削り、旅団もまたその抗争に巻き込まれています。
特にノブナガ、フェイタン、フィンクスの三人は、シャ＝ア組やシュウ＝ウ組と手を組みながらも、互いに敵対しつつある不安定な状況です。カキン帝国マフィアのシャ＝ア組の若頭オウが、表向きは幻影旅団に協力しているものの、内心ではエイ＝イ組に加担する意図を示しており、裏切りが見え隠れする場面が登場しています。さらに、シュウ＝ウ組のリンチが殺害されたことで、旅団への不信感が広まり、ヒンリギは犯人が旅団のメンバーであると疑念を抱いています。このように、船内での勢力争いは旅団を取り巻く包囲網を強め、次第に四面楚歌の状況が鮮明になってきているのです。
三重の宿敵との対決─ヒソカ、カキンマフィア、そしてクラピカ
ヒソカとの決着は、旅団のメンバーたちにとって最重要の課題です。ボノレノフはすでに同じフロアにヒソカの存在を確認しており、次なる戦闘が迫っている予感が漂います。しかし、クロロはヒソカとの戦いに備え、「盗賊の極意」を強化するためにカキンの「三種の神器」を奪おうとしています。これによりクロロが強化される一方、戦闘準備が整う前にヒソカと遭遇する危険も高まっています。
さらに、旅団の因縁の相手であるクラピカもまた、船内に身を潜めています。クラピカは旅団への深い憎悪を抱いており、彼の目的は何年にもわたり変わることがありません。特に、クラピカはカキンの王位継承戦の中心に関わっているため、旅団との邂逅が避けられない展開にあるようです。これにより、ヒソカ、カキンマフィア、クラピカという三重の敵を同時に相手にするという絶望的な状況が生まれています。
幻影旅団の“芝居”の終焉を暗示する伏線とは？
旅団が重要な役割を担っている「王位継承編」では、彼らの過去や結成理由、さらには彼らが持つ目的など、これまで語られなかったバックストーリーが明かされてきました。第38巻では彼らの過去が掘り下げられ、リーダーであるクロロの指揮下での絆が強調されていましたが、ここにきてその絆にほころびが見え始めています。特に、ボノレノフが「この芝居はヒソカを倒した時点で終わりにすべきだ」と述べるシーンは、旅団内でもこの“芝居”に区切りをつける時が近いことを示唆しています。
また、リスノースという「子供の未来」財団理事長が10年前に殺害されていたというニュースが第405話で報じられました。彼はかつて旅団のメンバーであったサラサを虐殺した張本人であり、リスノースがすでに死亡していることで、旅団の復讐の一つがすでに達成されているという事実が明らかになったのです。彼らがこれまで追い求めてきた復讐の目標が薄れ、旅団が存在し続ける理由が少しずつ揺らぎ始めています。
クロロの死への予感と幻影旅団の今後の行方
クロロもまた、最新話で「自分がやられても旅団の存続に支障はない」と発言しており、何らかの計画があることを匂わせています。これは単なる覚悟の表れなのか、あるいは後継者や新たなリーダーを育成するための伏線なのか、読者に様々な憶測を抱かせる発言です。クロロがどのような未来を描いているのかは明確ではありませんが、彼自身が「自分が倒れても旅団が続く」という確信を持つことが、逆に彼の死を予感させる要因にもなっています。
果たして、幻影旅団はこの三重の敵対関係と内なる揺らぎに耐え、再び結束を取り戻せるのでしょうか。それとも、王位継承編を通じて彼らの物語は終焉を迎えることになるのでしょうか。『HUNTER×HUNTER』が描く新たな展開は、今後もファンからの注目が集まることは間違いありません。
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