
2026年1月22日、Netflixで世界独占配信されるオリジナルアニメ映画『超かぐや姫!』。
監督は、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』など数々の話題作でOP映像を手がけてきた山下清悟。彼が初の長編監督として挑む本作は、日本最古の物語『竹取物語』をモチーフにしながら、ボカロPたちが彩る“音楽×映像×ネット文化”の融合を描く意欲作だ。
仮想空間「ツクヨミ」を舞台に、少女たちが歌で世界と心を繋ぐ——。この設定だけでも、どこか今の私たちの現実に重なるような響きを感じる。そう、『超かぐや姫!』は“かぐや姫の再解釈”であると同時に、“ネット時代を生きる私たち自身”の物語でもあるのだ。
“かぐや姫”がネットの月へ――山下清悟監督が挑む“物語の再起動”
山下監督はこれまで、アニメのOPやMVなど短尺の中で強烈なインパクトを生む映像を得意としてきたクリエイターだ。
『呪術廻戦』や『チェンソーマン』のOPで見せたリズム感のあるカット構成、鮮烈な色使い、そして一瞬で“世界観を理解させる”演出センス。『超かぐや姫!』ではその全てが長編フォーマットに凝縮されている。
監督は「1990年代から続くネット文化が好き」と語り、本作にはそんな“ネット黎明期からの憧れ”が随所に込められているという。舞台となる仮想空間「ツクヨミ」は、まるでインターネットそのもののメタファー。そこでは歌や映像が命を持ち、現実と夢が交差する。まさに“現代の月世界”なのだ。
音楽が命を吹き込む――豪華ボカロP陣と“歌で繋がる”少女たち
『超かぐや姫!』最大の魅力は、何といっても音楽の豪華さだ。
ryo(supercell)、kz(livetune)、HoneyWorks、40mP、Aqu3ra、yuigot……。ボーカロイド文化を牽引してきたクリエイターたちが、仮想空間のライブシーンを彩る。
特に注目は、早見沙織演じる月見ヤチヨが歌う「ワールドイズマイン CPK! Remix」。2008年に初音ミクの象徴的楽曲として生まれたこの曲が、18年の時を経て新しい命を宿す。リミックスを手がけたのはもちろんryo(supercell)。“現代のかぐや姫”が自らの声で「世界で一番おひめさま」と歌う瞬間、聴く者の胸に去来するのは懐かしさと再生の感覚だ。
kz(livetune)は本作を「グルーヴのあるDJのような作品」と評し、HoneyWorksは「ネット音楽と古典文学が融合した映像表現は圧巻」とコメントしている。まさに『超かぐや姫!』は、音楽の進化と共に歩んできたボカロカルチャーそのものの“祝祭”なのだ。
キャラクターで紡ぐ絆の物語――3人の少女が見せる“心のライブ”

物語の中心にいるのは、3人の少女。
かぐや(CV:夏吉ゆうこ)、酒寄彩葉(CV:永瀬アンナ)、そして月見ヤチヨ(CV:早見沙織)。
それぞれが異なる背景と想いを抱えながら、「ツクヨミ」というステージで出会い、互いの存在によって成長していく。
夏吉は「音楽に支えられた青春時代の自分に重なった」と語り、永瀬は「かぐやと彩葉の掛け合いが楽しくも切ない」と振り返る。そして早見は「ヤチヨは明るく可愛らしいけれど、その内側には多くの想いを抱えている」と話した。
彼女たちの声が重なり合う瞬間、観客はただの“アニメの登場人物”ではなく、“ステージに立つ人間”として彼女たちを感じることができるはずだ。
映像表現の革新――“アニメの未来”を感じさせる3D演出と光の魔法

本作の制作を担うのは、『ペンギン・ハイウェイ』や『泣きたい私は猫をかぶる』で知られるスタジオコロリド、そして山下監督率いる新スタジオ「スタジオクロマト」。
3Dカメラによるダイナミックなライブシーンは、まるで最新の音楽フェスをVRで体験しているかのような没入感を生む。
ティザービジュアルに描かれた“いたずらっぽく微笑むかぐや”は、静謐さと挑発の狭間に立つ現代の象徴のようだ。
また、特報映像で流れる和楽器のBGMから「ワールドイズマイン」への流れは、まさに“和とデジタル”の融合。伝統とテクノロジー、物語とサウンドが一瞬で交差するこの瞬間に、山下監督の“映像の呼吸”がある。
“かぐや姫”が語る現代――自己表現とネット文化の象徴として
ryo(supercell)はこう語っている。
「もし今かぐや姫が生きていたら、ゲーム配信者とかVTuberとかやってくれたりするんだろうか」
——その問いは、まさに本作の核心だ。
かぐや姫とは、時代を越えて“他者に見られる存在”。それはかつて月に帰った姫であり、今ではSNSや配信の世界で輝く“現代の月人”たちでもある。
『超かぐや姫!』は、そんな「見られること」「発信すること」の時代に生きる私たちへの鏡だ。
そして監督が語るように、「明るく楽しい作品」だからこそ、そこに込められたメッセージが軽やかに心へ届く。
未来の創作は“共鳴”から生まれる――『超かぐや姫!』が提示する次世代アニメの可能性
『超かぐや姫!』は、単なる古典の再構築ではない。音楽、映像、ネット文化という3つの要素が“共鳴”し合う新しい創作の形を提示している。
かつてボーカロイドが個人の創作を拡張したように、この作品はアニメーションという枠を越え、観る人それぞれの記憶や感情を呼び起こす「共感型エンタメ」だ。
Netflixによる世界同時配信は、こうした“共鳴の輪”を地球規模に広げる。
かぐや姫が再び月へ帰るその瞬間、私たちはスクリーン越しに“光”を送り続ける。
それはもはや観客ではなく、同じステージに立つ“共演者”としての参加だ。
『超かぐや姫!』は、アニメが“語られるもの”から“感じ合うもの”へ変わる瞬間を記録した、時代の節目の作品になるだろう。
■配信情報
『超かぐや姫!』
Netflixにて2026年1月22日(木)より世界独占配信
キャスト: 夏吉ゆうこ(かぐや役)、永瀬アンナ(酒寄彩葉役)、早見沙織(月見ヤチヨ役)
劇中歌提供: ryo(supercell)、kz(livetune)、HoneyWorks、40mP、Aqu3ra、yuigot
監督: 山下清悟
アニメーション制作: スタジオコロリド、スタジオクロマト
©コロリド・ツインエンジンパートナーズ
















