
素のままで挑む、玉木宏の“今”
俳優・玉木宏が、2026年1月期のフジテレビ系木曜劇場『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』で主演を務める。
同局での連続ドラマ主演は、2016年の『キャリア~掟破りの警察署長~』以来、実に9年ぶりだ。
玉木が発した「丸腰な感覚で撮影に臨んでいる」という言葉が印象的である。
それは“無防備”という意味ではない。これまでの経験や実績という装飾を一度脱ぎ捨て、俳優として“素の状態”で勝負する覚悟を示しているのだ。
「久々の現代劇で、飾り物を削ぎ落とされたような丸腰な感覚です」
「安定」よりも「探求」を選ぶ俳優

端正なルックスと落ち着いた声、そして確かな演技力で、多くの作品に安定感をもたらしてきた玉木宏。
しかし、そのキャリアを振り返ると、彼は“守り”に入ることのない俳優だ。
デビューは1998年。映画『ウォーターボーイズ』(2001年)で注目を集め、NHK連続テレビ小説『こころ』(2003年)、映画『雨鱒の川』(2004年)で主演を務めた。
そして2006年、ドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で主人公・千秋真一を演じ、一躍国民的な人気を得た。
その後も『功名が辻』(NHK)、『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』(2016年)、『桜の塔』(2021年・テレビ朝日系)など、時代劇から現代劇、ヒーローから悪役まで、ジャンルを越えて多彩な役に挑んできた。
常に“次の挑戦”を求める俳優——それが玉木宏の本質だ。
新作『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』とは
舞台は、保険金に関わる事件を調査する保険調査会社「深山リサーチ」。
玉木が演じる主人公・天音蓮(あまね・れん)は、かつて警視庁捜査一課に所属していた敏腕刑事だった。
しかし、ある保険金殺人事件の捜査に失敗したことで警察を去り、現在は保険調査員として活動している。
依頼された案件の裏側に潜む詐欺や不正を暴くために、張り込み・盗聴・変装・フェイク映像の作成など、手段を選ばず真相に迫る。
一見穏やかで飄々とした人物だが、鋭い洞察力と観察眼を持ち、時には仲間すら欺く狡猾さも見せる。
彼の行動はしばしば“コンプラ度外視”と評されるが、その根底には「人を守りたい」「真実を知りたい」という強い信念がある。
脚本は『遺留捜査』(テレビ朝日系)や映画『スマホを落としただけなのに』などを手がけた大石哲也氏。
演出は『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)の星野和成氏が務める。
(出典:フジテレビ公式リリース 2025年11月12日)
■ 現代劇への“回帰”が意味するもの
玉木の近年の出演作には、『功名が辻』や『阿弖流為』などの時代劇が多かった。
それだけに、今回の現代劇主演には明確な意味がある。
「最近の出演は時代作品が続いていましたので、久々の現代劇で丸腰な感覚です」
時代劇が“歴史を背負う芝居”であるのに対し、現代劇は“生きる人間を等身大で描く”舞台。
装飾のない今の社会を、まっすぐに見つめる俳優としての姿勢が、この作品に投影されている。
「丸腰」とは、演技をシンプルに削ぎ落とし、人物の本音や弱さまでも可視化する覚悟のことなのだ。
「保険」というリアルなテーマをどう演じるか
企画・プロデュースを務める青木泰憲氏は、
「保険は人々の暮らしを守る制度ですが、その裏側には社会の闇が潜んでいます」
「主人公・天音蓮は、法の盾を掲げずに“真実”という武器だけで闇に挑む」
とコメントしている。
(出典:フジテレビ公式リリース)
保険金、詐欺、冤罪、そして人間のプライド――。
一見地味なテーマの中に、人間の欲望や悲哀、社会の歪みが凝縮されている。
玉木宏がこの“リアルな闇”をどう描くか。
その演技には、これまでの彼とは異なる「危うさ」と「優しさ」の共存が期待される。
成熟した俳優が見せる「素」の強さ

これまで、玉木宏は数々の役で理知的な人物を演じてきた。
だが『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』で見せるのは、理性よりも衝動が勝る男。
正義のために手段を選ばず、時に孤独を抱えながらも真実に迫る姿だ。
「丸腰」という表現が意味するのは、準備をしないことではない。
むしろ、積み上げてきた経験をあえて一度手放し、“信じる演技”だけで立つ強さを示している。
9年ぶりの地上波主演でありながら、守りではなく挑戦を選ぶ。
その姿勢そのものが、俳優・玉木宏の進化を象徴している。
放送情報
- 番組名:『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』
- 放送開始:2026年1月スタート
- 放送枠:フジテレビ系・木曜劇場(毎週木曜22:00〜22:54)
- 主演:玉木宏
- 脚本:大石哲也
- 演出:星野和成
- 企画・プロデュース:青木泰憲
- プロデュース:日高峻、清家優輝、岸川正史
- 音楽:得田真裕
- 制作協力:ファインエンタテインメント
- 制作著作:フジテレビ
- 公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/professional/
“丸腰感”で挑む 玉木宏の新境地:9年ぶりカムバックの真意と俳優進化論
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