
俳優・丸山隆平の“現在地”を見つめる
SUPER EIGHT(旧:関ジャニ∞)のメンバーとして、音楽・バラエティ・舞台と多彩な活動を続けてきた丸山隆平。
その一方で、俳優としての歩みも着実に進んでおり、2020年代に入ってからはミステリーや社会性のある作品で存在感を発揮する場面が増えてきました。
そんな彼が新たに参加するのが、映画『名無し』(2026年5月公開予定)。
佐藤二朗が原作・脚本・主演を務め、城定秀夫監督が映像化に挑むサイコバイオレンス作品です。
丸山が演じるのは、“名前を持たなかった少年”に初めて「照夫」という名を授ける巡査。
物語の出発点を形づくる重要な人物であり、物語の核心へ向かう入口に位置する役どころです。
ここでは、丸山隆平がこの作品で何を見せ、どんな変化のフェーズにいるのかを丁寧にひもといていきます。
積み重ねてきたキャリア

丸山隆平は1983年11月26日生まれ、京都府出身。俳優としてのキャリアは映画『ワイルド7』(2011年)を皮切りに、『エイトレンジャー』(2012年)、『泥棒役者』(2017年)などジャンルを問わず出演を重ねてきました。
2025年公開の主演映画『金子差入店』では、人間の内面を丁寧に描くヒューマンサスペンスに挑戦。年齢や経験を踏まえた役づくりを語るなど、俳優としての自覚がより成熟していく様子が伝わる作品となりました。
これらの積み重ねの延長線上に、新作『名無し』が位置しています。
映画『名無し』とは
本作は、佐藤二朗が映画用に書いたオリジナル脚本をもとに、永田諒の作画によって漫画化され、コミプレ-Comiplex-で連載された同名作を映画化したもの。
若者が集う昼下がりのカフェで突如起こる残忍な殺人事件。
凶器を持たず、触れただけで人が倒れていく謎の男。
そして、彼の過去をたどる中で浮かび上がる“名前を持たなかった少年”。
その少年が成長し“山田太郎”として事件に関わるまでの軌跡を、希望と絶望が入り交じるサイコバイオレンスとして描いていきます。
監督は、これまでも独自の人間描写に定評がある城定秀夫。
物語のシビアな空気と人間の奥底にある感情をどう映し出すのか、公開前から注目されています。
丸山隆平が演じる“巡査・照夫”
丸山隆平が本作で演じるのは、少年時代の“名無し”に初めて名前を与える巡査・照夫。
彼の存在は、後に「山田太郎」と呼ばれる男の人生に最初の“輪郭”を与える役割を担っています。
物語の入口を構成する役柄であり、主人公の背景に温度を宿す重要な人物と言えます。
丸山自身も出演発表時に、
「この世界の中に飛び込める事を光栄に思います。観てくださる皆さんに楽しんでもらえるよう、作品の一部として全力を尽くします」
とコメントしています。
俳優として、作品に寄り添いながら役割を果たすというスタンスが伝わる言葉です。
作品全体における照夫の位置づけ
主人公・山田太郎が“異能を持った存在”として覚醒していく一方で、巡査・照夫は人として最低限の“社会とのつながり”を与える立場。
その対比は映画全体のテーマとも呼応しており、丸山がどんな距離感で演じるのかが見どころとなります。
照夫は物語の大半を引っ張る役ではないものの、“名を与える”という行為が物語全体の象徴として機能するため、俳優としての繊細さが問われる役どころです。
共演者との関係性
本作には、丸山のほかに以下のキャストが出演します。
-
佐藤二朗:連続殺人事件の中心に位置する山田太郎役
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MEGUMI:山田と同じ児童養護施設で育った花子役
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佐々木蔵之介:山田を追う刑事・国枝役
それぞれの役が山田の人生の異なる側面に接するため、三者三様の人物像が立ち上がり、丸山の演じる照夫もそのひとつの“関係性の柱”として存在します。
作品を通じて見える、丸山隆平の“新しい表情”

2020年代以降の丸山隆平の出演作を振り返ると、人の弱さや影と向き合う作品が増えていることがわかります。
『金子差入店』でもそうでしたが、年齢を重ねたうえでの“静かな情感”や“役との距離感”を丁寧に作る演技が印象的です。
今回は明るい人物像をそのまま持ち込むのではなく、巡査としての責任感や、少年を前にしたときの微細な感情など、より奥行きのある表現が求められる役柄。
“丸山隆平ならではの温度”がどう物語に影響するのかも注目点です。
俳優としての変化を刻む一本
映画『名無し』は、丸山隆平にとって俳優としての新しいフェーズを感じさせる作品です。
巡査・照夫という役は派手ではないものの、物語に必要な“人としての温度”を宿す存在であり、主人公の人生の始まりを形づくる重要な役割を担っています。
作品そのもののスケールだけでなく、丸山がこの役でどのような“変化”を見せるのか。
2026年5月の公開が今から楽しみです。
『名無し』という作品の根底には、“名前”という概念が大きく関わっています。
名前を持つことは、社会の中で「存在として認識される」最初の扉でもあり、誰かに名付けられるという行為自体が、その人の人生の方向を少し変えることがあります。
主人公に名前を与える巡査・照夫は、いわば“社会の最初の窓口”。
その役割は小さく見えて、人間としては非常に重要です。
丸山隆平は、これまでもさまざまな役を演じてきましたが、人の弱さや揺らぎを丁寧に拾う演技が特徴的です。
今回の照夫役は、決して主張の強い人物ではありませんが、その分、場の空気や関係性をすっと整える役割が求められます。
丸山の持つ柔らかい存在感は、この役に自然に馴染むと考えられます。
そしてもう一つ、近年の丸山の俳優活動には“静の演技を丁寧に深めている”という流れが見えます。
大きな感情をぶつけるというより、視線や呼吸、立ち姿などの細やかな部分で物語を支えるような役が増えている印象です。
照夫という人物はまさにその方向性に重なる役柄であり、俳優としての積み重ねが自然に作品へ活かされるポジション。
主役ではなくても、作品全体の質感を支える役として存在感が問われます。
映画『名無し』は、名前なき少年が“山田太郎”という名を得て、やがて事件に至るという物語の構造を持つ作品です。
物語が複雑で、主人公の内面も暗く深い部分まで描かれるなか、照夫というキャラクターはその全ての“最初の歯車”として機能します。
丸山隆平がこの位置にいることで、観客は「山田太郎が何を得て、何を失ったのか」をより丁寧に受け取れるようになるはずです。
俳優としての成熟が、物語に柔らかな接点をつくり出す──そんな作品になるのではないかと感じられます。
丸山隆平が映画に刻む覚悟と変化──主演・佐藤二朗作品で巡査役に挑む
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