
2026年1月7日深夜、テレビ東京系ドラマNEXT枠でスタートする「聖ラブサバイバーズ」。
主演を務める石井杏奈の“推しバンドマン夫”として出演するのが、元KAT-TUNで現在はソロアーティスト兼俳優として活動する上田竜也だ。
原作は、恋愛・結婚・セックスへの悩みをポップに描いたラブコメディ。「推しのベーシストと結婚したのに、結婚式当日に“フィジカルなし”を宣言される」という衝撃的な展開から物語が始まる。上田が演じるのは、主人公ハルの恋慕と憧れをすべて背負うバンドマン・王子和弘。華やかなビジュアルと人懐っこさを備えながら、どこか不器用で距離の掴めない“セックスゼロ夫”という難役だ。
元KAT-TUN・上田竜也の現在地──肩書きの転換と表現者としての変化
1983年生まれの上田竜也は、KAT-TUNとしての活動を中心に20年以上のキャリアを歩んできた。2025年3月のグループ解散後は、新たなフェーズとしてソロアーティスト活動と俳優業により重心を置くようになり、表現の幅をさらに広げている。

2024年には初のソロEP「ギリスト!」をリリースし、全国ツアーを実施。自己表現を音楽という形で改めて定義し直した節目でもあった。歌唱、ステージング、世界観の構築において、自分の意志を明確に作品へと落とし込む姿勢が強くなり、“アーティスト・上田竜也”の像は年々更新されている。
俳優としても舞台「After Life」などで繊細な感情表現に挑戦し、身体性と演技が結びついた立体的な役作りに定評がある。強さと儚さ、クールさと温かさ。相反する要素を一つの人物の中に同時に存在させられるのは、彼の大きな強みだ。
王子和弘という役の核心──“理想の推し”と“現実の夫”の矛盾
「聖ラブサバイバーズ」で上田が演じる王子和弘は、主人公ハルが長年追い続けてきたバンドマン。彼女にとっては夢そのものだが、結婚生活が始まった途端“セックスゼロ宣言”を受け、ハルは理想と現実のギャップに揺れることになる。
王子は決して冷酷な人物ではない。むしろ、ハルには素直で無邪気な一面を見せる。ただし、彼が抱える価値観や距離感には、言語化しきれない複雑さがある。
- なぜ“フィジカルなし”を望むのか
- 何に不安を抱えているのか
- ハルに対してどんな「愛」を持っているのか
これらは単なるラブコメの設定ではなく、現代の恋愛観・性の価値観を立体的に描くための重要な軸になっている。
王子の内面に存在する矛盾や脆さを丁寧に描ける俳優でなければ、この役は薄っぺらくなる。華やかさと不器用さの両方を併せ持つ上田竜也がキャスティングされたことには、作品全体の説得力を左右する意味がある。
上田竜也が見せる“ギャップの演技”こそ、作品の肝になる
上田竜也がこれまで演じてきた役には、どれも“何かを抱えた人物”が多い。華やかな外側とは裏腹に、内面に葛藤や孤独を持つキャラクターは、彼が最も得意とする領域だ。
今回の王子和弘は、まさにその集大成のような存在。
クールで自信に満ちて見えるのに、誰よりも臆病。
人を惹きつける華やかさがあるのに、愛の表現は極端に不器用。
この二面性は、台本の行間をどう読み解き、どれだけ繊細に表情と距離感をつくれるかによって成立する。
また、上田自身が「ギャップ」を魅力として語ったように、ふとした笑顔や柔らかい仕草は、王子を“推し続けたい存在”として視聴者にとどめる重要な鍵になる。
ハルと王子の関係が映し出す、“ハッピーエンドのその先”
主人公のハルは、推しと結婚するという最高の夢を叶える一方で、「好き」だけでは越えられない現実と向き合うことになる。
愛情、性、尊重、価値観、葛藤。
このドラマが丁寧に描こうとしているのは、恋愛のきらめきではなく「その先の生活」。特に、性に関する悩みは人に言いづらく、誰もが抱えながらもあまり語られないテーマだ。
“愛しているのに、触れ合えない”
その違和感と苦しさは、誰かを傷つけるためではなく、ただ互いに何かが合っていないだけで生まれる。
視聴者がこの夫婦の会話や沈黙に心を寄せるのは、そこに自分自身や身近な人の姿を見出せるからかもしれない。
なぜ今、上田竜也は「挑戦的な作品」を選ぶのか
KAT-TUN解散後、上田竜也が選ぶ作品や活動には一貫した姿勢が見えてくる。それは、安全圏に留まらない ということだ。
ソロ作品では、感情やエネルギーをむき出しにした楽曲が多い。舞台では、静けさの中にある心の揺らぎを丁寧に表現する役に挑んできた。そして今回の王子和弘は、“愛と性”という極端にセンシティブなテーマの中心に立つ存在だ。
挑戦に惹かれる理由を一言で説明するのは難しい。ただ、彼の作品選びには明確な意志がある。
- 過去のイメージに寄りかからない
- 年齢や経歴で自分を狭めない
- 今の自分だからできる表現に挑む
それらが「聖ラブサバイバーズ」での役柄と強くリンクしている。視聴者が王子の弱さや優しさをどう受け取るか。その反応こそ、上田にとって次の表現に繋がるヒントになるのだろう。
─“新しい上田竜也”に出会うドラマ
「聖ラブサバイバーズ」は、恋愛のときめきよりも、現実の愛のかたちを描く物語だ。“セックスゼロ夫”という極端な設定を軸にしながら、登場人物たちの心の動きを丁寧に追い、視聴者自身の価値観にもそっと問いかける。
そして、その中心に立つ上田竜也は、これまで積み重ねてきた表現をすべて使いながら、まったく新しい役柄へ挑むことになる。
華やかさだけではない。
強さだけでもない。
愛されるだけの存在でもない。
複雑で、矛盾を抱え、でも誰かを大切にしたいと願う人間をどう演じるのか──。
このドラマは、俳優・上田竜也の新境地を確かに感じられる作品になるはずだ。
2026年1月7日深夜24:30。
王子の“本音”が少しずつこぼれ落ちていく瞬間を、ぜひ見届けてほしい。
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