1980年代に生まれ、世界中で愛され続ける大友克洋の名作『AKIRA』。
最近、この伝説的な作品が新装版として発売され、大きな話題を呼んでいます。「新装版って、KCデラックス版とどう違うの？」という疑問を持つ人も多いはず。今回は、その違いに焦点を当てて、大友克洋がなぜ「凄すぎる」漫画家と言われるのかも一緒に見ていきましょう！
1. そもそも『AKIRA』って何がそんなに凄いの？
『AKIRA』は、未来の東京を舞台にしたSF作品で、主人公・金田とその友人たちが、超能力や巨大な陰謀に巻き込まれていく物語です。
1982年に連載がスタートし、1988年には映画化され、世界中のファンを熱狂させました。特に、細部まで描き込まれた未来都市のビジュアルや、迫力満点のアクションシーンは、当時の漫画界に革命を起こしました。
でも、その凄さが今では当たり前に見えてしまっているんです。 まるで『スター・ウォーズ』やセックス・ピストルズのように、登場時に爆発的な衝撃を与えすぎて、その後の作品がみんなその影響を受けた結果、今の若い世代にとっては「普通」に見えるようになってしまったんですね。だからこそ、今『AKIRA』を読むと、その革新性や大友克洋の才能が再び注目されるんです。
2. 新装版『AKIRA』とKCデラックス版の違い
新装版『AKIRA』の一番のポイントは、連載当時の状態に近い形で復元されていることです。
KCデラックス版では、単行本化する際に手直しされた部分が多くありましたが、新装版ではオリジナルの姿に近い状態で収録されています。具体的にどこが違うのか、見ていきましょう！
① カラーページがすごい！
新装版では、連載時に掲載されたカラーページがそのまま再現されています。これが本当に見どころ！KCデラックス版では白黒に変更されていたページが多く、これが元々どんなに美しいカラーで描かれていたのか、新装版を読んで初めて知る人もいるはずです。
特に、アキラが黒い球体を発生させるシーンや、未来都市の壮大な風景が、カラーで描かれることで圧倒的な迫力を感じられます。カラーの力はやっぱり偉大で、ページをめくるたびに驚きと感動が広がります！
② 扉ページの再現で当時の興奮がよみがえる
新装版では、連載時の扉ページ（エピソードの最初に載るタイトル付きのページ）がそのまま収録されています。これがどうして重要かというと、どこで物語が区切られていたかがわかるからです。
KCデラックス版では、連続した流れで物語が展開していましたが、新装版では連載当時の感覚がそのまま戻ってきます。例えば、金田が次回に向けて「絶体絶命だぜ！」と煽るセリフなど、連載時ならではの緊張感やワクワク感が伝わります。
③ 新たな発見がいっぱい！
KCデラックス版では物語の進行を滑らかにするために、間に新しいコマが描き加えられていたり、セリフが調整されていたりしました。しかし、新装版は連載当時のままに近い形で収録されているので、「こういう風に描かれていたんだ！」という新たな発見がたくさんあります。
例えば、大戦後の関東周辺の地図がオリジナル版ではドットが粗く描かれていたり、アキラの黒球の表現が今見ると「モヤモヤしてる」など、連載時にしか見られなかった細かい違いを楽しめます。特に、昔から『AKIRA』を愛読していたファンにとっては、「あの時こうだったのか！」と懐かしさと驚きが同時に味わえるでしょう。
3. 大友克洋の作品は「考古学」みたいなもの？
新装版の『AKIRA』を読んで感じるのは、まるで考古学のような体験だということです。どういうことかと言うと、連載時のままの状態を忠実に再現することで、過去の歴史や文化を掘り起こすような感覚を味わえるからです。
『AKIRA』は、単なる漫画ではなく、1980年代から90年代にかけての日本や世界の文化、時代背景を映し出した作品でもあります。それを今、過去のままの形で読むことができるというのは、とても貴重な体験です。「あの時代の読者はこういう風に感じていたんだ！」と、その時代の雰囲気を追体験できるんですね。
4. 新装版『AKIRA』を読んでみよう！
もし、「AKIRAって気になるけど、まだ読んだことがない…」という人がいたら、ぜひ新装版から始めてみてください！カラーで楽しめる部分や、連載当時の雰囲気をそのまま感じられる新装版は、初めて読む人にも、昔からのファンにもおすすめです。
特に、大友克洋の細かい描写や、物語の緊張感あふれる展開は、今読んでも全く古びていません。むしろ、新しい視点で彼の作品の凄さを発見できるはずです。KCデラックス版と比べながら読むのも楽しいので、違いを探しながらじっくりと味わってください！
『AKIRA』新装版は、大友克洋の世界を再発見する絶好のチャンスです！ 今まで知らなかった細かな違いに気づいたり、カラーで描かれた美しいページに心を打たれたりと、何度読んでも新たな魅力に気づけるはず。この機会にぜひ、大友克洋の「凄み」を体験してみてください！
