センシティブな情報も自己管理へ。SNSの「主権」を取り戻す時代が来た。
■ はじめに
2024年11月現在、私たちはSNSの大海原に生きています。
しかし、その“海”は特定の巨大企業が掘り、規定し、管理しているもの。
「あなたの投稿はガイドラインに違反しています」
「このアカウントは一時的に制限されています」
――その“ルール”に、何度うなだれたことでしょう。
そうした中、注目を集めているのが「分散型ソーシャルメディア(Decentralized Social Media)」。
プライバシーと発言の自由を尊重し、中央の管理者がいない、ユーザー主権のSNSが台頭しつつあります。
■ 分散型ソーシャルメディアとは?
分散型ソーシャルメディアとは、ブロックチェーン技術や分散型ネットワークを利用して運営されるSNSのこと。
主な特徴は次の通りです。
中央管理者がいない:データや運営はコミュニティで管理
検閲耐性が高い:政治的な理由でのBANが困難
ユーザーがデータを保持:投稿もアカウントも“あなたのもの”
オープンプロトコル採用:誰もが自由に接続できる仕組み
代表的なプラットフォームには、「Mastodon(マストドン)」「Bluesky(ブルースカイ)」「Lens Protocol」などがあります。
■ 2024年現在のトレンド
特に2024年後半に入り、X(旧Twitter)の有料化やアルゴリズム制限強化への不満が爆発。
代替手段としてMastodonやBlueskyに人々が流れ込み、利用者数が急増しています。
また、**Metaが展開する「Threads」**の閉鎖的方針に嫌気が差した層も分散型へ移動。
ユーザー同士のつながりを「連合」や「プロトコル」でつなぐ新しいSNSスタイルが静かに浸透しています。
■ プライバシーと発言の自由は両立できる?
分散型SNSの最大の魅力は、自己主権です。
あなたが書いた記事も、撮った写真も、投稿した言葉も、他人に“貸している”のではなく、自分のデータとして所有できます。
たとえプラットフォームが閉鎖しても、データは分散型のサーバーに存在し続け、移行も可能。
「自由に発言したい」
「広告アルゴリズムに追われたくない」
「個人情報を売られたくない」
そんな当たり前の欲求をかなえる道具が、分散型SNSなのです。
■ 実際の利用はどうなの?
正直なところ、UI/UXはまだ未熟です。
また、日本語圏での普及は緩やかで、「身内ノリが強い」「閉鎖的」といった声もあります。
しかし、その反面、
興味が近い人と濃くつながれる
商業的な煽りが少ない
開発がコミュニティドリブン
といったクリーンな魅力も存在します。
2024年現在では、**“メインではないが、使っている”**というユーザーが着実に増えている印象です。
■ 将来性と課題
分散型SNSが抱える課題は、「マネタイズの仕組み」と「スパム対策」
中央集権的な運営がないゆえに、広告での収益化が困難で、運営費の確保がネックとなります。
また、誰でも参加できる分、スパムや違法コンテンツの排除が難しいという声も。
これを解決するために、トークン報酬やNFT認証、コミュニティベースのレーティングといった仕組みが試されています。
一方で、Web3に関心を持つ若者や企業が増えていることもあり、今後の成長余地は非常に大きいと見られています。
■ まとめ
2024年のSNS業界は、「分散化の波」が本格的に始まった年といえるでしょう。
利便性や洗練されたUIではまだ劣るかもしれません。
しかし、そこには**人々が本質的に求める“自由”**が確かに存在しています。
これからの時代、「どこでつながるか」ではなく、**「どうつながるか」**が問われるようになるのかもしれません。