待望の「新ディシディア」発表に走った衝撃
2024年末、スクウェア・エニックスが発表した新作
『ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー(以下、DDFF)』。
『ファイナルファンタジー』シリーズの人気キャラクターたちが現代風の衣装で登場し、スマートフォン向けのコマンドバトルを採用した新たなクロスオーバー作品です。
発表直後、SNSでは大きな盛り上がりを見せたものの──
その熱は歓喜と戸惑いが入り混じる“賛否両論”へと変化していきました。
ファンが叫ぶ「デュオデシムを返して!」の声。
一方で「現代衣装が意外と良い!」と評価する声も。
今回は、日本語・英語のX(旧Twitter)投稿やレビューサイトのコメントをもとに、ファンが感じた“期待と失望の分かれ目”を徹底分析します。
◆ 日本語圏の反応:懐かしさと違和感が入り混じる「様子見ムード」
🔹 懐かしさ爆発、「PSPの頃が一番楽しかった!」
X上ではまず、「ディシディア」シリーズを懐かしむ投稿が目立ちました。
「頼む、PSPの頃のシステムに戻してくれよお。初代とデュオデシムが楽しかったんやってー」
「ディシディアはデュオデシムで綺麗に話が完結してるから、これ以上戦わせないで…」
といった“過去作への愛”があふれる投稿が多数。
さらに、懐かしさからPSP版を探すユーザーも増えており、
「[メルカリ] PSP 2本セット ディシディア ファイナルファンタジー+デュオデシム 012 ¥5,990」
といった出品ツイートまで話題になりました。
「やっぱりあの頃のディシディアが最高だった」という声が主流です。
🔹 「現代衣装はアリ!」ポジティブな評価も一部で浮上
そんな中で好意的な反応も。
「うわ、思ってた以上に良いなこれ!?舞台が現代になったから衣装チェンジが自然に見える!」
「ライトさんとリノア姫とプロンプトくんの私服出してくれただけで大興奮なので!!!」
キャラクターの私服風デザインに対しては、
“新鮮でおしゃれ”とポジティブに受け止める層も一定数存在します。
特に女性キャラの新コスチュームや「現代AU(オルタナティブユニバース)」設定に、
「グッズ化してほしい」「世界観の広がりが面白い」と好反応を示す投稿もありました。
🔹 タイトル混乱とデザイン批判:「DDFFって被ってるんですけど!?」
ただし批判の中心はタイトルとデザイン。
「ディシディア デュエルム ファイナルファンタジーって略称DDFFになるけど、それデュオデシムと被るでしょうが!!!」
「なんで公式アカウントが#DDFFを使ってるの?昔のデュオデシムの略称では?」
この“略称被り”問題は、旧作ファンの混乱を招いています。
さらにキャラデザインにも辛辣な声が多く、
「戦闘システムは分からないけど、絵が生理的に無理。こんなんティナでもリノアでもライトニングでもない。」
といったコメントも。
“昔の面影がない”という拒否反応が、一部で強く出ています。
🔹 ガチャへの不安:「オペラオムニアで痛い目を見た」
かつて配信されていたスマホ作品『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』の記憶から、
課金に対する警戒感を示すユーザーも。
「面白かったけど、イベントごとに数万円使わないと最強装備が揃わないから辞めた」
といった声が多く、
「またガチャ地獄になるのでは?」という不安が根強いようです。
🔹 総評:懐古派優勢、「期待3:不安7」
全体を見渡すと、日本語圏では
「デュオデシム時代の再来を望む声」が圧倒的多数。
新作DDFFに対しては、「気にはなるけど、様子見」「現代設定は好みが分かれる」といった慎重な姿勢が主流でした。
◆ 海外ファンの反応:怒りの矛先は“スマホ化”へ
海外のSNSでは、日本以上にストレートな不満が爆発しました。
🔹 「なぜまたスマホで出す?」の大合唱
「ディシディアのファンは“デュオデシム風の新作”を求めてたのに、スクエニはそれ以外のことばかりやってる!」
「スクエニ、頼むからデュオデシムを全ハードに移植してくれ!なんでこんなに難しいんだ?」
という投稿が何百件も拡散。
“モバイルゲーム化への強い反発”が、海外では圧倒的です。
中には、
「またガチャ?“gacha slop(ガチャのゴミ山)”はもううんざり。」
と辛辣に批判する声も。
多くのユーザーが「オペラオムニアの二の舞になる」と感じているようです。
🔹 「でも衣装はいい!」少数派のポジティブ意見も
「現代世界にFFキャラがいる設定は面白い!デザインはすごくクール。」
「FFとペルソナが融合したみたいで好き。」
衣装デザインやグラフィック面に関しては、
「アート面の完成度は高い」という評価も散見されました。
🔹 「これは警告だ」スクエニへの失望コメントも
「500件近いリプライがあったけど、ほとんどが否定的。
この結果は“ファンがこの方向性を拒絶している”という警告だ。頼むから聞いてくれ。」
こうした投稿が象徴するように、海外では
“企業がファンの声を無視している”という批判が高まっています。
◆ 再び注目される『ディシディア デュオデシム』という原点
今回の新作発表によって、むしろ注目を集めているのが
2011年発売の『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』。
レビューサイトでは、いまだに名作として語られています。
「格闘ゲームとRPGの完璧な融合。ストーリーも改善され、ビジュアルと音楽は最高。」
「戦闘が爽快で、キャラの数も多く、シリーズファンにはたまらない。」
と絶賛する一方で、
「素晴らしいが、革新性は少ない。」
「最高であり最悪のゲームでもある。」
といった“熱狂と苛立ちの共存”も特徴的。
多くのファンが口を揃えるのは、
「これをHDで遊びたい」という願いです。
◆ 期待と失望の分かれ目:ファンが望む“原点回帰”
『ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー』は、デザイン面では一定の評価を得たものの、方向性そのものには拒否反応が強い結果となりました。
日本 → 懐古的で慎重な反応
海外 → スマホ化への強烈な批判
その根底には、「ファンが求める進化」と「スクエニが描く市場戦略」のギャップがあります。
もし今後、コンソール向けに“デュオデシム系リマスター”が登場すれば、シリーズの信頼を取り戻せる可能性も。
原点を忘れず、現代的な遊びを融合させる。
それこそが、ファンの求める「本当の新生ディシディア」なのでしょう。
◆ ディシディアがFFブランドに果たしてきた役割
『ディシディア』シリーズは、FFの中でも特異な存在です。
単なる外伝ではなく、「FFという世界観を横断的に実験する場」でした。
2008年の初代作は、シリーズ20周年を記念して「歴代主人公と宿敵の競演」を実現。
2011年の『デュオデシム』では、物語性・操作性・演出すべてが進化し、
“ファイナルファンタジーの世界観を再構築する挑戦”として高く評価されました。
しかし、アーケード版を経た『NT』(2018)での難化・複雑化が影響し、ファンの熱量は一時的に低下。
今回の『デュエルム』は再挑戦とも言えますが、モバイル化という選択が裏目に出ています。
ただし、βテストやアップデートでの調整次第では、再び評価を取り戻す余地も十分にあるでしょう。
ファンが求めているのは「懐かしさのコピー」ではなく、“デュオデシムの魂を継ぐ新しい体験”です。
スクウェア・エニックスがこの声をどう受け止めるか。
それが、ディシディアシリーズの未来を左右する鍵となりそうです。