堂本剛の“現在”に注がれるまなざし
2024年春、長年所属した芸能事務所を離れ、独立という道を選んだ堂本剛。
音楽プロジェクト「.ENDRECHERI.(エンドリケリー)」を軸に、音・衣装・言葉の全てを自らプロデュースし、彼は今、「自分の表現」を生きている。
その新たな歩みの中で、彼が14年目を迎えた恒例の舞台がある――「平安神宮 奉納演奏2025」。歴史ある神域で行われるこの演奏は、単なる音楽ライブではない。生命観、歴史観、そして未来への祈りを重ね合わせた、“生きている”という実感を観客と分かち合う儀式のような時間だ。
独立と向き合う“生”のリアル
2024年3月、堂本剛はジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)を退所し、フリーアーティストとしての活動を本格化させた。表向きは「自由な創作活動のため」と語られるこの決断の裏には、長年向き合ってきた突発性難聴という病の存在がある。
ステージに立つ者にとって「耳が聞こえにくくなる」という事実は、単なる身体的障害では済まされない。それでも彼は歩みを止めなかった。「自分らしく生きること」「表現をあきらめないこと」を信じて、音と対話し、観客と響き合い続けてきた。
「無理に望みすぎない。けれど、思いは込めて。平常心で今日という日を迎えられました」
― 平安神宮 奉納演奏2025のMCより
この言葉ににじむのは、単なる感謝ではない。命を抱え、生きる重みを抱えながら、それでも誰かのために声をあげ続ける覚悟だ。
「つなぐ」を体現した平安神宮 奉納演奏2025
2025年9月19日、京都・平安神宮。残暑の和らいだ境内に、虫の音とともに響いたのは、堂本剛の歌声だった。
今年のテーマは「つなぐ」。
歴史ある神殿に向かって深く一礼をし、「彼方(タイムマシーン)」からスタートしたこの夜。奈良の風景を想起させる郷愁の歌に続き、ジャジーにアレンジされた「瞬き」、幻想的な照明とともに放たれた「に ひ」や「tecnologia-意思」など、選ばれた楽曲の多くが、“記憶”や“未来”を結ぶ意図を感じさせた。
「平安神宮さんも未来へ続くために今を生きている。僕たちも同じです」
― 堂本剛
楽曲だけでなく、舞台演出そのものも“つなぐ”を象徴する構成だった。
水柱とレーザーが交錯する“自然×テクノロジー”
紫を基調とした衣装と、日本的なモチーフの融合
宇宙的サウンドと和楽的旋律の同居
これらは堂本剛が「今」だけでなく、「過去」や「死」さえも抱き込みながら“未来を創る表現者”であることを示していた。
演出と音楽に宿る、祈りとメッセージ
特に印象的だったのは、後半に披露された「PINK」と「愛を叶えたい -RAION-」。
前者は2004年に発表されたバラードで、今なお剛が自身の心に問いかけるように歌い継ぐ楽曲。後者ではアカペラから始まる歌声に、光や水が寄り添い、“命”のあり方そのものをステージ全体で描き出していた。
クライマックスではセッション形式で、メンバーそれぞれが“奉納”として音を紡ぐ場面も。堂本は最後にギターを高く掲げるように音を放ち、天へ祈るようなサウンドで締めくくった。
「人は天から降りてきて、また昇っていく。その間に、つながることも、傷つけることも、できるはずなんです」
― 堂本剛(MCより)
この言葉の裏にあるのは、ただの抽象的な理想論ではない。自身の痛みと、ファンの思いと、この世界への願い。すべてを抱きしめながら、「それでも明日へ進もう」とする祈りだ。
堂本剛というアーティストの現在地
2025年現在、堂本剛は以下のような活動を展開している。
◆ 音楽活動
ソロプロジェクト「.ENDRECHERI.」名義での配信リリース継続
全国ライブツアー計画中(2026年に向け調整中)
◆ メディア出演
TV番組『週刊ナイナイミュージック』『おしゃれクリップ』などにゲスト出演
◆ ファンとの関係性
グッズ販売、配信ライブ、OPENREC.tvでのアーカイブ提供など、“会えない距離をつなぐ”工夫を多面的に展開
◆ KinKi Kidsとしての活動
光一とのユニットは継続しつつ、個々の活動を尊重しあう新たなステージへ移行中
未来へ“つなぐ”歌者の祈り
「また皆さんとお会いできる日を楽しみにしています」
平安神宮 奉納演奏2025の終盤で、堂本剛が語ったこの言葉は、ただの社交辞令ではなかった。
そこには、命を重ね、音を手繰り寄せ、場所と時と人を「つなごう」とする意志がにじんでいた。
独立したからこそ、彼は「自由」に、でも「孤独」に、この“歌”を生きている。
そして、その歌が今、多くの人の心に、“明日も生きよう”という希望の種をまいているのだ。
▶ アーカイブ配信情報(OPENREC.tv)
視聴期間:9月21日 最終公演をアーカイブ配信中
購入期限:2025年10月21日 17:00まで
堂本剛 ― 独立後の「生」を奏でる歌者が見据える未来と奉納演奏2025の真実
堂本剛の“現在”に注がれるまなざし 2024年春、長年所属した芸能事務所を離れ、独立という道を選んだ堂本剛。 音楽プロジェクト「.ENDRECHERI.(エンドリケリー)」を軸に、音・衣装・言葉の全てを自らプロデュースし、彼は今、「自分の表現」を生きている。 その新たな歩みの中で、彼が14年目を迎えた恒例の舞台がある――「平安神宮 奉納演奏2025」。歴史ある神域で行われるこの演奏は、単なる音楽ライブではない。生命観、歴史観、そして未来への祈りを重ね合わせた、“生きている”という実感を観客と分かち合う儀式
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