
テレビ朝日系火曜ドラマ『ちょっとだけエスパー』(主演:大泉洋)の第3話が、11月4日に放送された。
物語はついに折り返し地点へ。これまで謎に包まれていた「ノナマーレ」社員たちの過去が次々と明らかになり、視聴者の間では「全員、罪を背負ってる?」「市松(北村匠海)の正体が怖すぎる」とSNSでも大きな話題を呼んだ。
第3話あらすじ|“ヒーロー”たちの過去は罪の記憶だった
主人公・文太(大泉洋)は、エスパー組織「ノナマーレ」の仲間たちと共に“人命救助ミッション”をこなすうち、彼らの過去に興味を持ち始める。
いつも飄々としている半蔵(宇野祥平)、穏やかで優しい桜介(ディーン・フジオカ)、そして達観したような円寂(高畑淳子)。しかし、3人それぞれが「能力を得る前の罪」を抱えていた。
●半蔵:動物の声を聞く“元警察官”
半蔵はかつて警察犬係として働いていたが、悪徳ブリーダーを殴って実刑を受け、懲戒免職に。
「昔から動物の気持ちがわかればいいのに」という思いが、今の“アニマル系エスパー”の力として現れたという。
彼の能力の裏には、怒りと優しさ、そして取り返しのつかない後悔が見え隠れする。
●桜介:息子を見守る“贖罪の花屋”
桜介には17歳の息子・紫苑(新原泰佑)がいる。
かつて陣内という男に犯罪に誘われ、息子を守るために暴行し、結果的に殺してしまった過去がある。
妻(徳永えり)は再婚し、紫苑は特別養子縁組で新しい家庭へ。
“父ではいられなくなった男”は、息子の通学路沿いで花屋を営み、静かに見守り続けていた。
彼の穏やかな笑顔の奥には、「もう誰も傷つけたくない」という痛みが宿る。
●円寂:りんご飴に込められた謎の過去
円寂だけは依然として謎が多い。
ホームレスと並んでりんご飴を食べるシーンで、「前の男にかじれって言われたの」と意味深なセリフを残した。
その一言が、彼女の“失われた愛”あるいは“トラウマ”を暗示しているようにも思える。
「ノナマーレ」とは何者か?
表向きは社会貢献を掲げる特殊能力者集団だが、第3話ではその裏側が少しずつ見えてきた。
彼らの力は**“Eカプセル”**という薬で維持されており、これが切れたら解雇=能力喪失を意味する。
さらに社長・兆(岡田将生)は、「ヒーローは誰も愛してはならない」と冷たく言い放つ。
理想を掲げながらも、どこか宗教的で閉鎖的な組織構造──その歪みが、次第に“闇”として浮かび上がる。
“未確認因子”市松(北村匠海)とは何者か
狐のお面をかぶり、祭りの人混みを歩く青年・市松。
第3話の終盤で突如現れたその姿は、まるで観察者のようでもあり、破壊者のようでもあった。
社長・兆が「未確認因子が現れた」とつぶやくシーンからも、市松が通常のエスパーではないことが示唆されている。
ここで考えられるのは3つの仮説だ。
① ノナマーレ内部の“監視者”説
社長・兆がミッション発令を遅らせていた理由──それは、市松が“誰かを試すため”に送り込まれた可能性。
彼が祭り会場にいたのは偶然ではなく、社員たちの反応を見極める実験だったのかもしれない。
② 反ヒーロー/異端の能力者説
Eカプセルに依存しない“自発的な能力保持者”=未確認因子。
市松はノナマーレとは異なる方法で力を手に入れた存在とも考えられる。
彼の目的は「組織の外にいる者の自由」か、「管理されたエスパー社会の破壊」か。
どちらにせよ、文太たちの前に立ちはだかる“もう一人のエスパー”である可能性が高い。
③ 四季(宮﨑あおい)との関係説
Eカプセルを誤って飲んだ四季。その事件の直前に、市松が彼女を見つめるシーンが挿入されていた。
偶然ではなく、彼がその出来事を“誘導した”のだとしたら──。
「未確認因子」は、ノナマーレが想定していない“新しい能力者”を生み出すための存在とも読める。
“Eカプセル”の正体と倫理

このドラマの根幹にあるのは、「力を得ること」と「その代償」のテーマ。
Eカプセルがなければ力を維持できない──それはまるで、依存や制御の象徴だ。
そして「人を愛してはいけない」というルールは、能力者が人間性を失わないための警告でもあり、同時に組織の都合のいい枷にも見える。
エスパーである前に人間であること、その境界線を問うドラマになりつつある。
第4話への伏線:愛か、破滅か
次回予告では、四季の身体に異変が起き、文太が葛藤する姿が映し出された。
「力を得た人間が、誰かを本気で愛してはいけない」──
それは兆のルールであり、同時にこの物語の“呪い”でもある。
市松の動きが加速する中で、文太は「仲間を救うか、使命を果たすか」の選択を迫られるだろう。
ノナマーレという組織は正義なのか、それとも“罪を抱えた者たちの箱舟”なのか。
第4話以降、いよいよ真実が暴かれていく予感だ。
編集後記:罪が生んだ力、力が生む赦し
第3話はアクションよりも、心の奥に潜む“罪と贖罪”が主題だった。
エスパーという設定の裏には、「人はどんな後悔を抱えても、やり直せるのか」という普遍的な問いがある。
半蔵が動物に、桜介が息子に、円寂が過去の恋に──それぞれ“もう一度向き合いたい”という願いを抱いている。
その願いが、少しだけ“力”として形になっているのだ。
だからこそ『ちょっとだけエスパー』は、ヒーロードラマでありながら、人間ドラマとしても異彩を放つ。


























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