2025年夏。注目の深夜ドラマ枠に、ひときわ異彩を放つオリジナル作品が登場します。
主演を務めるのは、なにわ男子の藤原丈一郎。アイドルとして活躍しながら、役者としても着実に歩みを進めてきた彼が、ついに地上波連ドラ初の単独主演を果たしました。
タイトルは『ロンダリング』。
一見してミステリアスなこの言葉が示すのは、ただのホラーやサスペンスではありません。
“死者の声が聞こえる”という奇妙な能力を持つ青年が、事故物件を舞台に人の痛みや社会の裏側に触れていく――重層的な人間ドラマなのです。
売れない俳優×霊の声=?
“使えない特殊能力”から始まる人生逆転ミステリー
主人公・緋山鋭介(ひやま えいすけ)は、夢を追って大阪から上京したものの、端役に甘んじる売れない俳優。
収入は少なく、住まいも事故物件ばかり。実は彼、「死者の声が聞こえる」という厄介な“ギフト”を持っているのです。
ただしこれは、ありがちな「霊が見える・話せる」類ではありません。
聞こえてくるのは、ただ一方通行の“声”だけ。会話もできなければ、助ける術も分からない。
その中途半端な能力ゆえに、緋山は長年、誰にも必要とされずに生きてきました。
しかしある日、ある事故物件に入居したことで、状況は一変します。
「私は殺された」…霊の叫びが導く“真実”と“救済”
今回緋山が紹介された物件は、5年前に女性が飛び降り自殺を遂げたという特A級事故物件。
そこに滞在し、「問題なく住めること」を証明することで、物件の価値を“ロンダリング”する――
不動産会社『アマミ不動産』が提案する、グレーなビジネスでした。
けれどその夜、緋山が聞いたのはただの自殺者の嘆きではありません。
「私は、殺された――。」
死者の声を“聞く”ことしかできない男が、その叫びに導かれるように、社会の歪みや真実に足を踏み入れていく。
この物語は、ホラーの皮をかぶった、救済と再生のヒューマンドラマなのです。
共演者が支える“座長”藤原丈一郎の覚悟
―菅井友香&大谷亮平が描く「光」と「影」
本作を語る上で欠かせないのが、緋山を取り巻く魅力的な登場人物たち。
そして、彼らを演じる実力派キャストの存在です。
◆菅井友香が演じる“色で霊を見る女”・蒼沢夏凜
緋山の相棒として物語の中核を担うのが、アマミ不動産の社員・蒼沢夏凜(そうざわ かりん)。
彼女は、場所やモノに残る“霊的な危険”を色で見分ける特殊能力の持ち主。
クールでドライ、ツンとした態度の裏に、人との距離をあえて取る理由があります。
元櫻坂46の菅井友香が演じるこの役柄は、「今までで一番ツンツンした役」と語るほど。
実際には霊感ゼロながら、“おばけ探知機”を持ち歩くほど霊的な世界に興味を持っていたという彼女が、繊細な役作りを楽しんでいる様子が伝わってきます。
◆大谷亮平が演じる“裏も表もある男”・天海吾郎
一方、アマミ不動産の社長・天海吾郎(あまみ ごろう)は、事故物件の“洗浄”をビジネスとして扱う冷徹な男。
社会的に不利な立場の人々に格安物件を紹介するという建前と、利益優先の冷酷な現実。
その“二面性”が物語に緊張感をもたらします。
演じる大谷亮平は「最初は非現実的すぎて苦手意識があった」と語るも、脚本の奥深さに引き込まれ、「人間としてのもがき」までを表現することに挑んでいます。
特に、緋山との感情のぶつかり合いでは、「触れたら危険なほどのエネルギーを感じた」と、藤原の芝居力を絶賛しています。
“ロンダリング”とは何か?
死者を“洗い流す”社会と向き合うドラマの核心
タイトルでもある「ロンダリング」は、本来マネーロンダリング(資金洗浄)などの意味で使われる言葉。
このドラマではそれを、「事故物件の価値を“正常化”し、再流通させる」という設定に置き換えています。
しかし、それは単なる不動産トリックではなく――
“見たくないものを覆い隠して、存在をなかったことにする社会”への批評性を含んでいます。
緋山は、“聞くことしかできない”という無力さに悩みながらも、その声を無視せず、死者の無念と真摯に向き合います。
そこには、「見えないもの」にも耳を傾け、「忘れられた存在」に居場所を与えるという、深いテーマが宿っているのです。
Q&A|視聴前に知っておきたい『ロンダリング』の気になるポイント
Q1:ホラー要素は強いの?怖すぎない?
→ 霊的な演出はありますが、“人間ドラマ”が主軸。恐怖よりも「心の揺さぶり」に重きを置いています。
Q2:ファンタジー?現実味ある?
→ 非現実的な設定(霊の声が聞こえる等)を使いながらも、描かれるのは格差、孤独、再生といった現代社会のリアルです。
Q3:主演・藤原丈一郎の演技は?
→ アイドルとしての顔とは全く異なる、繊細で芯のある演技が評価されており、役と自身の人生がリンクする場面も多々。
“ロンダリング”が映す現代日本の裏側
―事故物件、不可視の孤独、そして「声なき声」
ドラマ『ロンダリング』が描くのは、死者との対話だけではありません。
実際の社会でも、「事故物件」「孤独死」「生活困窮者」などは、不動産市場やメディアでも“タブー”として扱われがちです。
これらの問題に共通するのは、“見なかったことにされる”という現象。
つまり、社会が持つ「負の履歴の削除=ロンダリング」と向き合うことを、この作品はエンタメを通じて提起しているのです。
また、“死者の声”という表現は、現実の社会に存在する声なき声=SOSや訴えのメタファーとも読めます。
物語を通じて、観る者に「他者の痛みを想像する力」を問いかけてくるのです。
🎬まとめ|“恐怖”ではなく“共感”のドラマを
『ロンダリング』が伝える“生きる意味”
ホラー、サスペンス、ヒューマン…
あらゆるジャンルをまたぎながら、最終的に浮かび上がるのは――「誰かの存在を肯定すること」の尊さ。
主演・藤原丈一郎が全身全霊で挑んだ緋山鋭介というキャラクターは、観る者に「自分の中にも誰かを救う力があるのでは?」と問いかけてきます。
あなたも、“声なき声”に耳を傾ける体験をしてみませんか?
📺ドラマ『ロンダリング』放送・配信情報
- 放送開始:2025年7月〜(毎週木曜深夜)
- 放送局:カンテレ・フジテレビ系
- 配信:FODにて見逃し配信あり
- 出演:藤原丈一郎、菅井友香、大谷亮平ほか
- 脚本:古家和尚
- 公式サイト:https://www.ktv.jp/laundering/