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なぜ羽生結弦は“notte stellata”を続けるのか──2026年公演とライブ配信に込めた想い

なぜ羽生結弦は“notte stellata”を続けるのか──2026年公演とライブ配信に込めた想い

2026年3月7日から9日まで、宮城県利府町のセキスイハイムスーパーアリーナで開催される「東和薬品 presents 羽生結弦 notte stellata 2026」。
その全公演がHuluでライブ配信されることが発表された。3月9日公演では本編終了後にインタビュー映像が配信され、3月11日19:00からは同公演が1回限りでリピート配信される。さらに同日21:00から3月22日23:59まで、全公演が見放題で配信される予定だ。視聴にはHuluの月額会員登録が必要となる。

だが、このニュースの核心は「配信決定」という事実だけではない。本質的な問いはこうだ。なぜ羽生結弦は“notte stellata”を続けるのか。

プロ転向後の羽生結弦、その現在地

羽生結弦は1994年12月7日生まれ、宮城県仙台市出身。2014年ソチオリンピック、2018年平昌オリンピックで金メダルを獲得し、男子シングルでは66年ぶりとなる五輪連覇を達成した。世界選手権、グランプリファイナル、四大陸選手権、ジュニア世界選手権など主要国際大会を制し、男子シングルでは史上初の「スーパースラム」を達成している。

2022年7月19日にはプロ転向を表明。以降は競技会ではなく、自らが企画・演出にも関わるアイスショーを軸に活動を展開している。単独公演「プロローグ」や東京ドーム公演「GIFT」などを通じて、競技とは異なる表現の可能性を広げてきた。

その流れの中に位置づけられるのが「notte stellata」だ。

「notte stellata」とは何か

なぜ羽生結弦は“notte stellata”を続けるのか──2026年公演とライブ配信に込めた想い

「notte stellata」はイタリア語で「星降る夜」を意味する。開催地は羽生の地元・宮城。公演時期は毎年3月に設定されている。

東日本大震災を経験した当事者である羽生にとって、3月は特別な時間であることはこれまでも語られてきた。そうした背景を踏まえると、この公演は単なるアイスショーの一つというより、記憶や想いと向き合う場として設計されていると受け取ることができる。

2026年で4度目の開催となる本公演は、継続している点にも意味がある。単発の記念企画ではなく、毎年積み重ねられてきたシリーズであること自体が、このショーの特徴と言えるだろう。

2026年公演の出演者と構成

今回の出演者には、羽生のほか、ハビエル・フェルナンデス、ジェイソン・ブラウン、シェーリーン・ボーン・トゥロック、宮原知子、鈴木明子、田中刑事、無良崇人、本郷理華、ビオレッタ・アファナシバが名を連ねている。さらに、スペシャルゲストとして東北ユースオーケストラが出演予定だ。

競技時代から交流のあるスケーターも多く参加しており、単なるゲスト出演という枠を超えた関係性が感じられる顔ぶれである。座長を務める羽生が全体の方向性を担いながら、それぞれのスケーターが表現を重ねていく構成になると見られる。

また、全公演でライブビューイングも実施される予定であり、現地観覧だけでなく、映画館や配信を通じて多様な形で参加できる環境が整えられている。

続けるという選択

アイスショーは話題性を重視すれば単発開催でも成立する。しかし「notte stellata」は継続されている。

その理由について本人が具体的に言及している部分以外を断定することはできないが、毎年3月に宮城で開催するという形式自体が、一定のメッセージ性を帯びていると考えることはできる。震災から年月が経過しても、その時期に氷上で表現を行うことに意味を見出している可能性は高い。

継続することは、負荷も責任も伴う選択だ。座長として全体を統括し、公演を成立させる立場に立ち続ける姿勢からは、制作面にも深く関わっている様子がうかがえる。

羽生結弦という人物像を通して見る「notte stellata」

なぜ羽生結弦は“notte stellata”を続けるのか──2026年公演とライブ配信に込めた想い

羽生はこれまで、演技構成や表現面への強いこだわりを示してきた選手として知られている。プロ転向後も、自らの言葉で公演のコンセプトを説明し、演出意図を丁寧に伝えてきた。

そうした歩みを踏まえると、「notte stellata」は競技の延長線上にあるショーというよりも、自身の経験や想いをどのように形にするかを模索する場と捉えることもできる。点数や順位では測れない世界で、どのような表現が可能かを探る挑戦でもある。

観客にとっては、技術だけでなく、構成や物語性を含めた総体としての“作品”を体験する機会になるだろう。

デジタル配信が広げる「星降る夜」

今回のHuluでのライブ配信および見放題配信は、地理的な制約を超えて公演を共有できる仕組みを整えている。宮城で行われる公演を、国内外の視聴者が同時に体験できる点は大きい。

ローカルな場所性を大切にしながらも、デジタル配信によって広がる接点を持つ。この両立は、現代のアイスショーの在り方の一例とも言える。現地の空気を尊重しつつ、より多くの人に届ける。その構造自体が、公演のメッセージ性を支えている。

まとめ

「東和薬品 presents 羽生結弦 notte stellata 2026」の配信決定は、単なる視聴方法の拡張ではない。4度目を迎えるこの公演が、どのような想いとともに積み重ねられてきたのかを考える契機でもある。

3月の宮城で開催される「星降る夜」。それは、競技者として頂点を極めた羽生結弦が、プロスケーターとしてどのような表現を選び続けるのかを示す舞台でもある。

現地で観る人も、配信で視聴する人も、同じ時間を共有する一人になる。2026年の「notte stellata」は、羽生結弦の現在地を映す公演として、静かに、しかし確かな存在感を放つことになりそうだ。

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