
初のワンマンライブ「零」が描いた“原点回帰”と“出発”
2025年8月21日。平手友梨奈は、自身初のワンマンライブ「平手友梨奈 1st LIVE “零”」を開催した。
欅坂46のセンターとして鮮烈な存在感を放ち続けた彼女が、ソロアーティストとして改めて立った“たった一夜の舞台”。そのステージは、過去と未来の境界線に立つような時間だった。
公式YouTubeで公開された『I'm human Official Interview』の中で、平手はライブを終えた心境をこう語っている。
「通り記憶がないのはもちろん。振り返りたくない気持ちと、振り返らなきゃいけない気持ちと、みたいな感じです」
「振り返りたくない」と言いながらも、その言葉の裏には“もっとできたかもしれない”という強い自己批評が見え隠れする。
「反省しかない。もっとやれたんじゃないかなって思ってます」
それは、成功よりも“成長”を見据える平手らしい感覚だ。ライブが終わった安堵ではなく、次へ進むための痛みを抱きしめる――それが、彼女の「再生の瞬間」だった。
過去と現在をつなぐセットリスト──欅坂46、乃木坂46カバーが意味するもの
「零」では、自身のソロ曲だけでなく、グループ時代の楽曲や他アーティストのカバーも披露された。冒頭を飾ったのは「誰がその鐘を鳴らすのか」「サイレントマジョリティー」、そして乃木坂46の「きっかけ」。
この流れはファンの間でも大きな話題を呼んだ。
インタビューで平手は、その選曲についてこう語る。
「きっかけは、コラボさせていただいたこともあって“じゃあ入れよう”ってなった気がします」
「一本のヒストリーというか、流れになってるはず」
つまりこの3曲は、“過去をなぞる”ためではなく、“今の自分を通して過去を再構築する”ために選ばれた。
彼女にとって欅坂46時代は、切り離すものではなく、今を形作る一部。懐古ではなく再解釈。
ライブの構成そのものが「記憶と現在を融合する」物語になっていた。
「この日、この会場、このメンバーでしかできないライブにした」
そう語る平手の言葉から、8月21日という日そのものに特別な意味を込めていたことがうかがえる。
『I'm human』に込めた真意──痛み、祈り、そして希望

ライブのラストで初披露された楽曲『I'm human』。
自ら作詞を手がけたこの曲は、平手にとって“人間である自分”と正面から向き合うための作品だった。
「過去のことだけじゃなくて、今も。そのままの気持ちを書きました」
MV撮影はライブと同時期の8月中に行われたというが、両者はまったく異なる世界観を持つ。
「MVは“集団ヒューマン”、ライブでは“1人ヒューマン”。世界観が違うから、振り付けも変えなきゃなって思ってました」
ステージ上での『I'm human』は、孤独と救いの境界線を歩くようなパフォーマンスだった。
「救いの曲?痛みの曲?悲しみの曲?」と問われた彼女の答えは印象的だ。
「全部です。今までで一番やられる曲です」
楽曲の最後に登場するフレーズ――「君は生きて」。
その一言は、聴く者だけでなく、歌う本人自身にも向けられた祈りのように響く。
「一人でも多くの方に“この気持ち分かるな”と思ってもらえたら嬉しい。逃げずに向き合ってほしい」
『I'm human』は、痛みと希望が共存する稀有な曲だ。MVを「見るのがつらい」と語るほど、彼女の中の“本音”が詰まっている。
平手友梨奈にとって“ライブ”とは──「唯一声をあげられる場所」
平手にとってライブとは何か。
「唯一、声をあげられる場所かもしれないです」
欅坂46時代から何度も語ってきたこの言葉を、彼女は今も変わらず大切にしている。
ただし、ソロになった今、その“声”の色は増えたという。
「色のバリエーションが増えた。声や疾感、表現の仕方も変わった」
それは、怒りや悲しみだけではなく、喜び・安堵・感謝といった“新しい色”を見つけつつあるということ。
「楽しみながら」と言うと誤解されるかもしれないと慎重に言葉を選びながらも、
「伝えるべき人が目の前にいる。その嬉しさを感じながらステージに立っている」
と語る姿から、表現者としての充実と成熟が見て取れる。
再生の瞬間──「零」から始まる、次の物語

タイトルの“零(ゼロ)”は、「何もない」ではなく「ここから始まる」を意味していた。
過去を否定せず受け入れ、今を生きながら次へ進む。そのプロセスこそが平手友梨奈の“再生”だった。
インタビューの最後、彼女は静かにこう締めくくる。
「これからもどうなるか分からないけど、感謝しています」
未来を断定せず、今の感情を誠実に言葉にする。
それは彼女が“平手友梨奈”として再び立ち上がるための宣言のようにも感じられた。
ライブ「零」は、単なる1stワンマンではなく、「アーティスト・平手友梨奈」の再始動点として記憶されるだろう。
『I'm human』が提示する“人であること”のリアル
『I'm human』というタイトルには、シンプルながら強烈なメッセージが込められている。
それは「私は人間だ」と自らを定義することで、完璧を求められてきた自分を解放する宣言でもある。
欅坂46時代、彼女は“絶対的センター”としての重圧を背負い、時に沈黙で語ってきた。
しかし今、平手は「言葉」を使って自分の痛みや希望を発信している。
「一人でも寄り添えたら」「この気持ち、分かるなと思ってもらえたら」
その変化は、彼女が“表現者”から“伝え手”へと進化した証拠だ。
さらに注目したいのは、ライブ終盤で見せた表情だ。
力強さと儚さが同居し、歌い終えた瞬間の静寂が“生きている”という実感を観客に残した。
それは、「闘いながらも生きる」というテーマを体現した時間だった。
『I'm human』は、痛みの記録であると同時に、生の肯定でもある。
人は不完全で、迷い、傷つきながらも、なお立ち上がる。
平手友梨奈の表現は、その“人間の揺らぎ”そのものを美しく映し出している。
─“ゼロ”から“ヒューマン”へ
平手友梨奈が「零」で示したのは、“過去を脱ぎ捨てる”のではなく、“抱きしめて前に進む”という選択だった。
『I'm human』という曲は、その決意の象徴。
痛みを受け入れ、弱さを語ることで、人はようやく強くなれる。
「唯一声をあげられる場所」で、彼女は再び“生きている自分”を証明した。
「零」から「human」へ――それは、平手友梨奈というアーティストの、確かな再生の記録である。
平手友梨奈「零」ライブが語る“再生の瞬間”─新曲『I'm human』に込めた本音と覚悟
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