
俳優・生田斗真が、キャリアの節目に新たな表現へと歩みを進めている。
芸能活動30周年という大きな区切りを迎えるなかで選んだのは、これまでの歩みを否定するような大胆な転身ではなく、俳優として積み重ねてきた時間の延長線上にある、きわめて静かな挑戦だった。
長年にわたり、映像作品から舞台まで第一線で活躍し続けてきた生田は、派手な自己演出や話題性に依存せず、常に「作品の中でどう存在するか」を軸にキャリアを築いてきた俳優だ。その姿勢は、30年という時間を経た今も大きく変わっていない。
W主演ドラマで映し出される“今の立ち位置”
生田が、上白石萌歌とW主演を務める日本テレビ系ドラマが『パンダより恋が苦手な私たち』である。
原作は瀬那和章による同名小説。動物の求愛行動を切り口に、現代を生きる人々の恋愛観や人間関係の悩みをひも解いていく、アカデミックな要素を含んだラブコメディだ。
生田が演じる椎堂司は、動物の行動研究には並外れた情熱を注ぐ一方で、人との関係構築には距離を置いてきた動物学者。恋愛を回避し続けてきた人物像は、極端なキャラクター造形で笑いを取るというよりも、現代的な不安や不器用さを内包した存在として描かれている。
この役どころで印象的なのは、感情を誇張しない演技の選択だ。言葉の強さではなく、間や視線、佇まいで心情を伝える。その抑制された表現からは、キャリアを重ねた俳優ならではの成熟が感じ取れる。
主題歌担当という「新境地」の選び方
本作をきっかけに、生田は音楽活動を本格的にスタートさせた。主題歌「スーパーロマンス」は、岡村靖幸が作詞・作曲・プロデュースを手がけている。
注目すべきなのは、この動きが「俳優から歌手への転身」として打ち出されていない点だ。楽曲はドラマの世界観と密接に結びつき、作品の一部として機能している。生田自身も、前面に出て歌唱力を主張する構造ではなく、物語を支える表現の一要素として歌に向き合っているように見える。
「スーパーロマンス」は、ドラマ初回放送日と同日の1月10日22時に配信リリースされる。また同日22時から放送される音楽番組『with MUSIC』に出演し、歌手として初めてステージで披露することも決定している。
派手さを選ばないという選択

30周年という節目は、多くの俳優にとって“総決算”や“方向転換”を印象づける機会になりやすい。しかし生田斗真は、あえて大きな宣言を行わず、作品を通して現在の立ち位置を示す道を選んだ。
俳優としての軸はあくまで芝居に置いたまま、その周辺にある表現の幅を、慎重に、しかし確実に広げていく。今回の音楽活動も、その延長線上にある試みと捉えることができる。
追加情報:生田斗真が示す「広げすぎないキャリア」の意味

生田斗真のキャリアを振り返ると、常に拡張よりも精度を重視してきた印象を受ける。話題性の高い路線変更や定期的なイメージ刷新を繰り返すのではなく、作品ごとに役と向き合い、現場での信頼を積み上げてきた。
今回の主題歌担当も、その延長に位置づけられるだろう。単独の音楽活動として切り離すのではなく、ドラマという文脈の中で表現を差し出す。岡村靖幸という強い個性を持つクリエイターのもとで、自身は一歩引いた位置に立つ。この距離感は、長く現場を経験してきた俳優だからこそ選び取れるものだ。
30年目にしてなお、生田斗真はキャリアを大きく揺さぶることなく、静かに表現の輪郭を更新し続けている。その姿勢は、「変わらないこと」を続ける難しさと価値を、あらためて示しているように見える。
生田斗真が今、あえて踏み出した新境地とは?30周年の節目に見せた静かな転換
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