「正義を信じることと、それに耐えることは、まったく別の力だと思うんです。」
そう語っているかのような瞳の芝居に、自然と息を呑んでいた。
俳優・髙橋海人が放つその演技には、ただの“役作り”では片付けられない、憑依にも似た没入感がある。
現在放送中のドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』で髙橋が演じているのは、新人麻薬取締官・才木優人。
未来を予知する特殊な能力を持ちながら、「未来が変えられない」という事実に苦しみ続ける青年だ。
正義感と無力感、希望と絶望。対立する感情のはざまで揺れる才木に、彼は魂ごと入り込んでいるように見える。
■ “目の演技”に宿る、葛藤のリアリティ
この作品でまず注目したいのは、髙橋の“目の表現力”だ。
感情を爆発させるシーンよりも、押し殺した感情を滲ませる場面のほうが、胸を打つ。
中村倫也演じる冷徹なベテラン取締官・陣内に、才木が「なぜ撃ったんですか」と真っ直ぐに問いかける場面では、目が泳ぎながらも信念だけは揺らがないという、複雑な感情が同居していた。
台詞では語られない「この人は今、自分の中で何と戦っているのか」が、観ている側に伝わってくる。
髙橋海人という俳優は、感情の“濃さ”ではなく“解像度”で勝負するタイプなのだろう。
■ “ダンスの身体性”が活きる演技の幅
特筆すべきは、その“身体”の使い方だ。
動きに無駄がなく、反応がしなやか。アイドルとして培ったダンスのスキルが、演技にも確実に活かされている。
たとえば、乱闘シーンでの身のこなしや、職務中に走るフォーム、戸惑いから来る視線のズレまで、細部に説得力がある。
それは「型にハマった芝居」ではなく、「その人間としてそこにいる自然さ」そのものだ。
■ 『だが、情熱はある』『95』から続く“憑依型”の深化
近年、髙橋海人の演技に対して“憑依型”という言葉がよく使われる。
その理由は、キャラクターを“演じる”のではなく、“生きる”ように振る舞うからだ。
『だが、情熱はある』で若林正恭役を務めた際も、声のトーン、話し方、表情筋の動きに至るまで驚くほどの再現性を見せた。
役柄の人物のエッセイやラジオまで読み込む徹底したインプット力と、そこから“演技”を削ぎ落とすようなリアルさ。
続く『95』では、内気で劣等感を抱えた高校生・Qを演じ、感情の動きを極限まで丁寧に描いた。
どちらの作品でも、言葉にならない“うつろい”を、確かに画面に残していた。
■ 今作で見せる、“揺れる正義”の進化形
『DOPE』の才木役は、それら過去の役柄の積み重ねの上にある、新たな挑戦だ。
明確な正義感を持ちながら、それをどう貫けばいいのか、答えが出せない。
能力があるのに、目の前の未来を救えない——その苦しみに、髙橋は今、全身で対峙している。
「見えてしまう未来」と「変えられない現実」。
正義感を持つほどに、自分の無力さが痛い。
その矛盾を抱えたまま、彼の才木は物語の中で成長していく。
そして、それを演じる髙橋海人自身も、また一歩進化しているのだ。
■ “バディ”が育てる演技の化学反応
中村倫也とのバディ感もまた、演技を引き上げる大きな要素だ。
中村はインタビューで、髙橋のことを「手ごねハンバーグのように、丁寧に時間をかけて育てている」と表現した。
これは単なる比喩ではなく、現場での空気づくり・リアクション・テンポ感の調和など、役者同士の“育て合い”があってこそ生まれる化学反応があることを示している。
“新人”としての不安定さと、“正義”という揺るぎなさ。
その矛盾を抱えて立つ髙橋海人が、この作品の空気を、そしてテーマそのものを象徴していると言っていい。
■ 俳優・髙橋海人に見る、これからの“主役像”
アイドルと俳優の二足のわらじを履く存在は少なくないが、ここまで「役に生きる」ことを優先させる人は稀だ。
髙橋海人は、もはや“演技ができるアイドル”ではない。
“芝居を通して、自分の魂を削れる俳優”だ。
だからこそ、この先も彼が演じる人物には、人間らしい揺らぎがあるだろうし、
見る人それぞれの“痛み”に、そっと寄り添ってくれるはずだ。
憑依する演技力に心を奪われる—髙橋海人、揺れる魂と対峙する時間
「正義を信じることと、それに耐えることは、まったく別の力だと思うんです。」 そう語っているかのような瞳の芝居に、自然と息を呑んでいた。 俳優・髙橋海人が放つその演技には、ただの“役作り”では片付けられない、憑依にも似た没入感がある。 現在放送中のドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』で髙橋が演じているのは、新人麻薬取締官・才木優人。 未来を予知する特殊な能力を持ちながら、「未来が変えられない」という事実に苦しみ続ける青年だ。 正義感と無力感、希望と絶望。対立する感情のはざまで揺れる才木に、彼は魂ごと入り込ん ...
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