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【全力応援第3弾!】映画『かくかくしかじか』永野芽郁が放つ“動的演技”と原作ファンを唸らせる3つの理由

漫画実写化ブームの中で光る“異色の傑作”

「また漫画の実写化?」と思った人、ちょっと待って。

映画『かくかくしかじか』はその一言では片づけられない、“原作愛”と“俳優の熱”が奇跡的にかみ合った作品です。

主演の永野芽郁が演じるのは、東村アキコの分身ともいえる主人公・林明子。青春の痛みや葛藤を、彼女は「動き」と「間」で魅せてくれます。

そして、観た後に気づくのです──これは、実写化の「成功例」として語り継がれる映画かもしれないと。

今回は全力応援第3弾として、この映画が原作ファンをも唸らせる3つの理由を徹底解説していきます!

永野芽郁、“動き”で感情を語る俳優

永野芽郁の魅力は、セリフよりも動きに宿っています。

物語冒頭、着物の裾をまくりあげて授賞式会場まで駆けていくシーン。そこから始まる回想は、ただの導入にとどまらず、観る者の感情をグッと掴む映画的技法の結晶です。

日高先生との出会い──バイクにまたがった彼を追いかける田園風景の中のシーンでは、画面の構図までが彼女の躍動に呼応しています。ピントのぼけた前景と、はっきりと描かれる後景の永野芽郁。

これほどまでに「走ること」ひとつでキャラクターの輪郭を描ける若手俳優が、他にどれだけいるでしょうか?

『PARKS パークス』や『半分、青い』で培った“動的均衡”の演技が、ここで花開いています。

原作ファンも納得の“画面設計力”

【全力応援第3弾!】映画『かくかくしかじか』永野芽郁が放つ“動的演技”と原作ファンを唸らせる3つの理由

原作を読んだ人なら誰もが気になる「実写でどう描くの?」というシーン群。

映画『かくかくしかじか』は、その一つひとつを丁寧に、時に新解釈も加えて再構成しています。

特に印象的なのは、美大受験を目指す明子が日高の絵画教室に通い始めるくだり。竹刀片手に怒鳴りまくる原作のハチャメチャな日高像を、大泉洋が絶妙なバランスで“人間”として成立させているのです。

罵声と暴力すれすれの指導、逃げ出す明子、そしてまた戻ってくる――その一連の描写が、漫画ではギャグ的に描かれていたにも関わらず、映画では静かな切実さを帯びて響きます。

映画的リアリズムと原作の空気感、その両方を守り切ったこのバランス感覚。

原作ファンにとっては、嬉しい“裏切られ方”ではないでしょうか。

音楽と風景が、青春の痛みを照らす

この映画、音楽の使い方がズルいほど巧い

1990年代を舞台にしつつ、懐かしのJ-POPや洋楽を挿入せず、現代の感性で選ばれた楽曲がシーンを彩ります。特に印象的なのが、Yo-Seaの「Flower」。南国の熱気に満ちた中、清涼感あるこの曲が流れた瞬間、空気が一変します。

フリッパーズ・ギターを愛する“オリーブ少女”としての北見が登場するあたりも、音楽でキャラクター性が立ち上がってくるのが見事。

映像と音楽、そして演技──この三位一体が、実写映画としての没入感を格段に高めています。

“実写化女優”としての永野芽郁、ここに完成。

【全力応援第3弾!】映画『かくかくしかじか』永野芽郁が放つ“動的演技”と原作ファンを唸らせる3つの理由

永野芽郁は『俺物語!!』で実写ヒロインデビューし、『からかい上手の高木さん』『ひるなかの流星』で確かな足跡を残してきました。

そして『かくかくしかじか』──これは、そんな彼女が“実写化映画女優”としての集大成とも言える1本です。

少女漫画をただキラキラした映画に仕立てるのではなく、人生の痛みや、誰かに怒られて傷ついた日々の熱さを、リアルに映し出すこの作品。

原作の良さを壊すことなく、新しい映画的魅力を宿した『かくかくしかじか』は、まさに成功した実写化映画と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

永野芽郁×実写化─“少女漫画”を生きるというキャリア選択

永野芽郁のフィルモグラフィーを振り返ると、「少女漫画を演じる女優」としての軌跡がはっきりと浮かび上がってきます。

  • 『俺物語!!』:ヒロインとしての初々しさ
  • 『ひるなかの流星』:儚さと現実のあいだに揺れる心情
  • 『半分、青い』:漫画家を目指すヒロインとしてのリアリティ
  • 『からかい上手の高木さん』:海辺の町で描く淡い青春

これらに共通するのは、彼女が“記号化された少女”ではなく、“実在する少女”としてキャラクターを演じてきたことです。

『かくかくしかじか』では、原作が自伝的作品であることもあり、キャラクターの中に作者のリアルな感情が詰め込まれています。それを“演技で翻訳”したのが永野芽郁。

「漫画を実写化する」という行為は、ともすれば“2.5次元的”表現になりがちですが、彼女の場合はむしろ“3.5次元”──現実を超えて、記憶の中のリアルを再現するような不思議な説得力があります。

そんな永野芽郁が主演だからこそ、この映画は“記録”ではなく“記憶”として私たちに残るのです。

【全力応援第3弾!】映画『かくかくしかじか』永野芽郁が放つ“動的演技”と原作ファンを唸らせる3つの理由

2025/5/24

【全力応援第3弾!】映画『かくかくしかじか』永野芽郁が放つ“動的演技”と原作ファンを唸らせる3つの理由

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2025/5/20

映画「かくかくしかじか」興行収入・動員数を徹底調査まとめ! 

期間 観客動員数 興行収入 順位 3日間 12万5,158人 1億6,975万80円 4位                 みんなの口コミやレビューを見に行く⬇︎ https://popversemix.com/kakushika/ https://popversemix.com/kakushika-ouen/ https://popversemix.com/kakushika-ouen2/

【全力応援2弾!】映画『かくかくしかじか』は東村アキコの“人生そのもの”|実写化の魅力を徹底解説

2025/5/23

【全力応援2弾!】映画『かくかくしかじか』は東村アキコの“人生そのもの”|実写化の魅力を徹底解説

はじめに──この映画は、東村アキコそのものだった 映画『かくかくしかじか』を観たとき、私はこう思った。 「これは東村アキコという人間の“心臓”だ」と。 それは比喩でも過剰な賛辞でもなく、本気の感想だ。 この映画は、彼女の人生が赤裸々に、時に笑いと涙を織り交ぜながら映し出された“生きた物語”だった。 本記事では、第一弾で紹介した7つの魅力とは視点を変え、 なぜ『かくかくしかじか』は“彼女の人生そのもの”なのか? 実写化でしか表現できなかった核心とは? この作品が、今の日本社会に何を投げかけているのか? ── ...

【全力応援!】映画『かくかくしかじか』がもっと観られるべき7つの理由|泣ける青春・恩師・原作愛

2025/5/23

【全力応援!】映画『かくかくしかじか』がもっと観られるべき7つの理由|泣ける青春・恩師・原作愛

これは、全力で応援したくなる映画です。 2025年5月16日。春の空気がまだ残るこの季節に、ひとつの映画がひっそりと、しかし確かに公開されました。 それが、映画『かくかくしかじか』。原作は東村アキコによる自伝的漫画であり、マンガ大賞や文化庁メディア芸術祭の大賞を受賞した名作中の名作です。 この映画には、大きな爆発的ヒットも、ド派手な話題性もありません。 でも、私は声を大にして言いたい。「これは絶対に観るべき映画です」と。 なぜなら、この作品は、あなたの人生にきっと触れる。 忘れていた“誰か”の顔を思い出さ ...

2025/5/17

【レビュー】映画『かくかくしかじか』の感想・評価・口コミ・評判

【2025年5月16日公開,126分】     INTRODUCTION(イントロダクション) 東村アキコが9年越しに描いた、自身の原点をめぐる実話の映画化。 人生を変えた恩師との出会いと別れを、宮崎・石川・東京の3都市を舞台に紡ぐ感動作。 笑いと涙が交錯する、すべての“大切な誰か”へ贈る物語。   【監督】関和亮【原作・脚本】東村アキコ【脚本】伊達さん【主題歌】MISAMO「Message」 【キャスト】 林明子 永野芽郁 日高健三 大泉洋   見上愛   畑芽育   鈴木 ...

 

最新みんなのレビュー

岸辺露伴は動かない

2025年5月24日

めちゃくちゃ面白かった。

大画面は迫力があって楽しい!

主演の高橋一生はじめキャスト陣の演技力も素晴らしかった。

艦長

The人間

2025年5月23日

苦しくて重くて暗いけど絶対見てよかったと思える作品です。登場人物それぞれの性格感情がリアルに生々しく描かれていて目が引き離せない、劇場で是非見てほしいです。

ぴぃ

映画『かくかくしかじか』見て良かった!

2025年5月22日

出だしからテンポ良く、楽しく見ることが出来た。宮崎の風景がとてもきれい。見終わったら、思いがけず、涙。気がつかないうちに泣いていた。良い映画でした!!

ノエル

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この記事を書いた編集者
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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

映画・ドラマ・アニメ・漫画・音楽といったエンタメジャンルを中心に、レビュー・考察・ランキング・まとめ記事などを幅広く執筆するライター/編集者。ジャンル横断的な知識と経験を活かし、トレンド性・読みやすさ・SEO適性を兼ね備えた構成力に定評があります。 特に、作品の魅力や制作者の意図を的確に言語化し、情報としても感情としても読者に届くコンテンツ作りに力を入れており、読後に“発見”や“納得”を残せる文章を目指しています。ポプバ運営の中核を担っており、コンテンツ企画・記事構成・SNS発信・収益導線まで一貫したメディア視点での執筆を担当。 読者が「この作品を観てみたい」「読んでよかった」と思えるような文章を、ジャンルを問わず丁寧に届けることを大切にしています。

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