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映画『国宝』10倍楽しむ!原作800ページに隠された登場人物と演目の真実。最後の“演目”が変わる深い理由とは?

映画『国宝』10倍楽しむ!原作800ページに隠された登場人物と演目の真実。最後の“演目”が変わる深い理由とは?

※本記事には映画および小説『国宝』の核心に触れる内容が含まれます。未鑑賞・未読の方はご注意ください。

映画で描かれなかった「本当の物語」が、原作にはある

2024年6月6日に公開された映画『国宝』が、全国の映画ファンから熱狂的な支持を集めています。主演は吉沢亮、ライバル役には横浜流星。実在の歌舞伎世界を背景に、“芸”に生きる男の半生を圧倒的なスケールで描いた本作は、SNS上でも「3時間が一瞬だった」「人生で最も濃密な映画体験」などの声が続出中です。

しかし、この映画の真価を「10倍楽しむ」鍵となるのが、原作小説の存在です。吉田修一による同名小説『国宝』は上下巻あわせて800ページ超。映画では語りきれなかった人間模様や登場人物の裏側、そして最後の“演目”の変更理由までもが、原作の中で丁寧に描かれています。

喜久雄・春江・俊介――“三角関係”の裏にある原作の描写とは?

映画の中でも印象的なシーンのひとつが、春江(高畑充希)が喜久雄(吉沢亮)のプロポーズを拒み、俊介(横浜流星)を選ぶ場面です。一見すると「どうして?」と首を傾げたくなる展開。しかし原作を読むと、そこには納得せざるを得ない感情の積み重ねがあります。

春江にとって、すでに芸の頂を歩み始めていた喜久雄よりも、自分を必要とする俊介のほうが“支えがい”のある存在だったのです。俊介が芸に目覚める瞬間に立ち会い、彼の涙に触れたことで、春江の心は静かに動き始めていた――。映画では描ききれなかった感情の微細な揺れが、原作には克明に綴られています。

描かれなかったもう一つの“家族”と、父・喜久雄の苦悩

また、原作では藤駒(見上愛)との間にできた娘・綾乃との関係も重要な軸の一つ。映画では途中で語られなくなるこの親子の絆ですが、原作では喜久雄が継続的に娘に会い続けている姿が描かれます。芸の道を選んだ男が、それでも“父”であることを捨てられない。そこに、喜久雄という人間のもう一つの“業”が浮かび上がるのです。

なぜ映画は「曽根崎心中」を、原作は「隅田川」を選んだのか?

映画のラストで喜久雄と俊介が共演する演目は「曽根崎心中」。一方、原作小説の終幕は「隅田川」。この選択の違いが、両者の作品性の違いを象徴しています。

「曽根崎心中」は恋と死をテーマにした二人芝居で、喜久雄と俊介という“男同士の芸の対決”に集中できる内容。一方で「隅田川」は、死んだ子どもを探してさまよう母の物語。原作では俊介が子を亡くし、身体に障害を負った状態でこの舞台に立つという設定になっており、まさに“芸にすべてを捧げた男たち”の集大成ともいえる重厚な幕引きとなっています。

つまり、映画は「対決」を、原作は「継承と喪失」をテーマにしている――その視点から演目が選ばれているのです。

彰子という“芸の証人”の存在

もう一つ、見落とされがちだが重要なのが喜久雄の妻・彰子(森七菜)の存在。映画では終盤にその姿が見えず、「捨てられたのか?」と疑問を持った観客も多かったかもしれません。

しかし原作では、彼女は最後まで喜久雄を静かに見守っています。彼女は単なる恋人や妻ではなく、「芸のすべてを記憶する証人」として描かれており、喜久雄が“国宝”として舞台に立つとき、その背後にある無数の犠牲を象徴する存在でもあるのです。

観たあとに読む、読むことで深まる。“国宝”という芸術体験

映画『国宝』は、それ単体でも圧倒的な完成度を誇ります。しかし、原作を読むことで初めて、喜久雄という人物が背負った“見えない重み”や、“芸”という言葉の持つ痛みと美しさが、より深く胸に刺さるのです。

映画で心を震わせ、原作で魂をえぐられる――それがこの『国宝』という作品の真骨頂。まだ原作を読んでいない方は、ぜひスクリーンの“その先”に広がるもう一つの舞台に、足を踏み入れてみてください。

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この記事を書いた編集者
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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

映画・ドラマ・アニメ・漫画・音楽といったエンタメジャンルを中心に、レビュー・考察・ランキング・まとめ記事などを幅広く執筆するライター/編集者。ジャンル横断的な知識と経験を活かし、トレンド性・読みやすさ・SEO適性を兼ね備えた構成力に定評があります。 特に、作品の魅力や制作者の意図を的確に言語化し、情報としても感情としても読者に届くコンテンツ作りに力を入れており、読後に“発見”や“納得”を残せる文章を目指しています。ポプバ運営の中核を担っており、コンテンツ企画・記事構成・SNS発信・収益導線まで一貫したメディア視点での執筆を担当。 読者が「この作品を観てみたい」「読んでよかった」と思えるような文章を、ジャンルを問わず丁寧に届けることを大切にしています。

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