最初に読んだとき、「これはただの恋愛劇じゃない」と思いました。
『ラ・ニーニャ・ブランカ』は、雪のように白い少女と、彼女に惹かれていく人々の“心の溶け方”を描いた、どこか儚い物語です。絵も独特で、白と影のコントラストが強く、ページをめくるたびに寒気のような美しさが漂うんです。
雪の精のような少女と青年の交流を通して、“存在の意味”を問う幻想譚。
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静寂の中に息づく感情を感じたい人に、今読んでほしい一冊です。
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あわせて、作品のあらすじや見どころも丁寧にまとめました。
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『ラ・ニーニャ・ブランカ』とは？作品概要
基本情報（サークル・著者・発売日）
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ラ・ニーニャ・ブランカ |
| 作者／サークル | 雪灯屋 |
| 発売日 | 2022年12月25日 |
| ジャンル | ファンタジー・ドラマ・ヒューマン |
| 販売サイト | DLsite（ガールズ同人） |
| ページ数 | 約60P |
| ファイル形式 | PDF／JPEG |
| 備考 | オリジナル短編・モノクロ作品 |
『ラ・ニーニャ・ブランカ』ストーリー紹介・ネタバレ
雪の降る小さな街。
孤独を抱えた青年が出会ったのは、白い服をまとった少女――まるで雪そのもののような存在でした。
彼女は「ラ・ニーニャ・ブランカ（白い少女）」と名乗り、どこか人の気配を感じさせない。けれど、その無垢さの奥に、どこか懐かしい温もりが潜んでいます。
青年は次第に彼女に惹かれ、彼女の言葉を通して、自分の過去と向き合っていく。
“なぜ彼女がここにいるのか”、そして“何を伝えに来たのか”。
物語が進むにつれて、現実と幻想の境界が曖昧になり、読者自身も「生きるとは何か」を問われるような感覚になります。
（余談ですが、雪灯屋さんの作品はどれも“静寂の描き方”がうまくて…。セリフがなくても心が動く、あの間の取り方が印象的なんです。）
『ラ・ニーニャ・ブランカ』の3つの見どころを紹介！
■ 1. 白の世界が語る“静かな感情”
この作品の最大の特徴は、色を極限まで削った画面構成。
白、灰、黒だけで構築された世界の中で、キャラクターの「心の温度」だけが浮かび上がって見えるんです。セリフが少なくても、視線や構図だけで感情が伝わるのが本当に見事。
作者の雪灯屋さんは“沈黙の演出”の名手ですね。
■ 2. 幻想と現実のあわいにある物語
少女が本当に存在するのか、それとも主人公の心が生み出した幻なのか――。
この曖昧さが最後まで物語を引っ張ります。読後に「どちらでもよかったのかもしれない」と感じる余韻が残るのも、この作品の深み。
私はこのタイプの“余白で語るファンタジー”が昔から好きで、少しだけ初期の吉田秋生さん作品を思い出しました。
■ 3. 言葉よりも「間」で泣かせる構成
会話がほとんどないページが多いのに、心が動く。
これって漫画としては相当難しいことなんですよね。
コマ割りの呼吸と間の取り方が美しく、まるで短編映画を観ているようでした。
雰囲気・作風・ジャンル傾向の解説
筆線が柔らかく、鉛筆のタッチがそのまま残っているタイプ。
輪郭線を完全に閉じないことで、キャラクターが“空気と混ざっているような”質感を持っています。
構図も印象的で、人物をあえて画面端に置くことで孤独感を演出していたり、雪景色の広がりを強調していたり。
モノクロの中にも温度を感じさせる影の入れ方が見事で、淡いグラデーションがまるで息のように広がっていく。
静けさの中に情感を宿す作風といえるでしょう。
『ラ・ニーニャ・ブランカ』が好きな人にオススメ漫画
『ラ・ニーニャ・ブランカ』読者×編集者インタビュー・対談
はい、静かでした。でも…不思議と音が聞こえた気がしたんです。
雪が降る音とか、遠くで風が鳴るような。ページをめくるたびに温度が下がる感じで。
あぁ、その表現わかります。あの“温度”の描き方、独特ですよね。
白と黒のコントラストなのに、ちゃんと感情が流れてる。
特に少女の表情、微妙に描かれてる線の太さが変わるじゃないですか。
あれで感情が動くのがすごくて。…というか、最初は本当に人間なのか疑ってました。
“存在するけれど存在しない”ものを描くのって、難しいのに自然なんですよね。
セリフの少なさもあって、読者の想像力を信じてる構成だなと思いました。
たしかに。あと、青年の独白シーンが印象的でした。
何気ない一言が、心の奥の傷をなぞるようで。
セリフの間に空白が多いから、読んでる側が「次の言葉」を探してしまうんですよね。
雪灯屋さんの作品って、漫画というより詩に近い気がします。
あ、わかります。まさに“詩的”って言葉が合う。
派手さはないけど、ずっと心に残る。読後の静けさが、妙に優しくて。
なんだか、心の中に雪が降り積もったみたいでした。
何も起きていないようで、ちゃんと“心の雪解け”が起きている。
…そういう物語、今の時代にこそ必要なのかもしれませんね。
読んだ編集者レビュー
初めて読んだとき、ページの白さに圧倒されました。
雪景色って本来は綺麗なものなのに、この作品では「静かすぎて少し怖い」感覚を抱かせるんですよね。…というか、読んでいるうちに自分の中の“記憶の白”を覗いているような、不思議な気分になりました。
物語の中心にいる少女は、何かを語りかけるようでいて、ほとんど何も言葉にしない。その沈黙が、主人公の心を映す鏡になっていく。
元漫画家の目線で見ると、あの“沈黙を語らせる演出”が本当に巧いです。セリフを削ることで感情の余白を広げ、読者に“想像させる”余地を残している。
途中、青年が過去と向き合うシーンがありますが、あれはモノローグのリズムが完璧で。ページをめくるタイミングと感情の起伏が一致するあの感覚、久しぶりに鳥肌が立ちました。
…思い返すと、昔読んだ『うろんなところに、白い花』という短編を思い出します。あれも“記憶と現実の境界”を描く物語で、読後の余韻が少し似ているんです。
雪灯屋さんの作品は、読んだ瞬間よりも、読み終えて数日後にじんわり残る。その静けさの残響こそが、“心に雪を降らせる”理由なんだと思います。
読んだ読者のリアルな感想・レビュー
最後のページを閉じたあと、数分間動けませんでした。雪の静けさが心に残る作品。言葉が少ないのに、こんなに伝わるなんて。
センスが光る！
30代男性・同人作家
構図のバランスと間の使い方が抜群。無音の演出が美しく、セリフを削る勇気がある作家さんだと感じました。
余韻が良かった
40代女性・絵描き
“白”がテーマの作品に弱いんですが、これはその究極形かも。線の一本一本に感情が宿っていて、まるで呼吸しているみたいでした。
まとめ
まとめ
一言でいえば、“静かに泣ける幻想譚”。
派手な展開はありませんが、ページをめくるごとに心の奥がほぐれていくような読書体験でした。
絵と間で語るタイプの漫画が好きな人、あるいは“冬”という季節の物語に惹かれる人にはぜひおすすめです。
『ラ・ニーニャ・ブランカ』Q＆A よくある質問
『ラ・ニーニャ・ブランカ』は無料で読めますか？
DLsiteの無料会員登録で、初回300円OFFクーポンが利用できます。完全無料ではありませんが、実質ワンコイン以下で読めます。
違法サイト（hitomiや漫画RAWなど）で見かけました。読んでも大丈夫？
それらは違法アップロードサイトで、ウイルス感染や情報漏えいの危険があります。安全に読むならDLsite公式が確実です。
紙書籍版はありますか？
現時点では電子版のみの販売です。
どんな読者におすすめ？
感情の機微を丁寧に描いた静かな物語が好きな人。幻想的な世界観や雪の演出が好きな人にも向いています。
驚き
20代女性・会社員