©︎『ライオンの隠れ家』3話
10月25日放送の『ライオンの隠れ家』（TBS系）第3話は、洸人（柳楽優弥）が母子失踪事件をめぐり「点が線となる」瞬間を捉えた重要な回でした。
洸人の一瞬の表情に宿る"気付き"の深みと、事件の新たな糸口が浮かび上がる展開が注目を集めています。
小森家と母子失踪事件が繋がる瞬間―洸人の直感と“愁人”の反応
ニュースで流れる山梨県の母子失踪事件に、洸人は偶然ながらも心を掻き立てられます。そのきっかけは、失踪した母親と子どもの名前でした。母親の名が洸人の姉と同じ「愛生」であり、報道で見た“愁人”という名前が、小森家にいる少年ライオン（佐藤大空）を思い起こさせたのです。
洸人が何気なく“愁人”と呼ぶと、ライオンは反射的に応答しますが、すぐさま「僕はライオンだもん」と自らを再認識するように布団に潜り込む場面は、緊迫感と共に視聴者の心を掴みました。この瞬間、小森家の生活と山梨県での失踪事件の関連が徐々に明らかにされ、視聴者にも緊張が走るシーンとなったのです。
ライオンとの絆を深める美路人、二人が“兄弟”のようになるまで
一方で、美路人（坂東龍汰）とライオンの関係性もこの回で大きく進展します。前回までは突然現れたライオンに戸惑い、日常生活のリズムが狂うことに不安を感じていた美路人でしたが、動物園を一緒に駆け回り、共に時間を過ごす中で彼への思いが変わっていきます。終盤には、ライオンの影響で初めて「人間の絵」を描いたことが象徴するように、二人の間には深い絆が生まれていることが強調されました。
この動物園のシーンは、小森家に新たな風を吹き込みつつ、美路人の視野と心を広げていくライオンの存在の大きさを強く感じさせるものでした。二人が“兄弟”のように見える姿は、観ている側にも温かさと切なさを感じさせ、二人の関係がただの同居ではない特別なものに成長していることがわかります。
洸人に訪れる「気付き」―母子失踪事件とライオンの関係
©︎『ライオンの隠れ家』3話
物語が進むにつれ、洸人の中で何かが目覚めます。ライオンと美路人が話す「野生のライオンは2歳まで生き延びるのは稀」という話や、ライオンが放った「この家にいれば安全？」という言葉、身体に残るあざ――これらの要素が結びつき、洸人はライオンの過去に隠された真実に思いを巡らせ始めるのです。
さらに、洸人がインターネット上で失踪事件について調査を進めていく中で、「たちばな都市建設」の社員である橘祥吾（向井理）が愛生の夫で愁人の父であることにたどり着きます。この発見は、彼の中にあった疑念が確信へと変わる大きな一歩です。橘への不信感と共に、洸人は直接橘に会う決意を固めます。
美路人への愛情と“守る”ことの狭間で揺れる洸人の葛藤
動物園での出来事は、洸人自身にも大きな影響を与えました。壇上でパニックを起こした美路人を慌てて助け出そうとする洸人に対し、ライオンは彼にとって落ち着くための道具であるゴーグルを渡し、再び絵を描くよう促します。
そんなライオンの優しさに触れ、洸人は自分が美路人の「可能性」を無意識に狭めていたのではないかと悩むようになります。家族としての責任と保護者としての思い、そして他者に迷惑をかけたくないという複雑な感情に葛藤する洸人の寂しげな表情が、視聴者にも大きな印象を残しました。
新たな出会い―事件の謎に近づく洸人
物語の後半、洸人は山梨県で行われる「たちばな都市建設」の住民説明会に潜り込み、同じく母子失踪事件を追う工藤（桜井ユキ）と知り合います。この出会いをきっかけに、茨城県に住む小森家と山梨県の事件の距離が一気に縮まり、物語はさらに深まります。洸人が橘の家を見つめる不安げな表情の裏には、まだ全貌が見えない“謎の人物X”（岡山天音）と牧村（齋藤飛鳥）による監視の目も光っています。
一方で、ニュースでは新たに「遺体発見」の情報が報じられ、物語はさらに予測不可能な展開を迎える兆しが見えます。この第3話で明らかになった新たな“点”が、今後どのように“線”へと結びつき、洸人や小森家にどのような変化をもたらすのか、次回の展開が待ち遠しくなります。
『ライオンの隠れ家』は、家族の愛と謎が絡み合う中で、洸人の心の成長と、柳楽優弥の奥深い演技が見どころのドラマです。彼の表情に刻まれる細かな感情が、物語をより豊かにし、視聴者を引き込んで離さない存在感を放っています。今後もますます目が離せない展開となることでしょう！
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