『チェンソーマン』第1部を通じて、主人公デンジに最も大きな影響を与えた存在――それが公安の上司・マキマです。
彼女は物語序盤からヒロイン的に登場する一方、その振る舞いには常に不穏さが漂い、読者を「この人は何者なのか?」と不安にさせ続けました。
やがて判明する正体は「支配の悪魔」。そして、衝撃的すぎる最期「マキマ定食」。
この記事では、マキマの正体や目的、能力の全貌、そして彼女が物語に残した意味までを徹底的に解説します。
⚠️以下は『チェンソーマン』第1部(第1巻〜第11巻)の重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
公安のリーダーとして登場するマキマ
マキマは公安対魔特異4課のリーダーであり、内閣官房長官直属という異例の立場にあるデビルハンターです。
初登場は第1話。ゾンビの悪魔を倒した直後、瀕死のデンジの前に現れ、次のように選択を突きつけました。
「人として飼われるか、悪魔として殺されるか」
その笑顔は優しげでありながら、同時に逃げ場を与えない絶対的な支配の言葉でもありました。
以降も彼女はデンジに仕事や住処を与えつつ、「使えない犬は安楽死」と冷酷に告げるなど、恩人と支配者という二面性を見せ続けます。
マキマの正体は「支配の悪魔」
長らく謎に包まれていたマキマの正体は、第75話でアメリカ大統領の口から語られます。
彼は「自由の国」の代表として銃の悪魔を召喚し、討つべき相手として「支配の悪魔=マキマ」を名指ししました。
支配の能力
マキマの力は、自分より格下とみなした存在を言葉ひとつで従わせるというもの。
人間・悪魔・魔人・さらには死体にまで及び、支配した対象の契約悪魔まで利用可能でした。
「これは命令です」という言葉は、単なる口癖ではなく、能力発動の呪文だったのです。
不死身の仕組み
さらに彼女は内閣総理大臣との契約によって、事実上の不死身を得ていました。
マキマに向けられた攻撃は「適当な日本国民の死」に変換される――。
このシステムにより、銃撃や致命傷を受けても彼女は平然と蘇り、その裏で一般市民が命を落としていたのです。
言い換えれば、マキマの存在は国家そのものに保証されていたとも言えます。
能力の詳細|支配・盗聴・コピー
マキマの力は「支配」だけに留まりません。作中で確認できる能力を整理すると以下の通りです。
盗聴:ネズミや犬など下等生物を通じて会話を聞き取れる。
→ レゼとのデート中の会話や、早川家での様子を監視していた描写が暗示されています。遠隔圧死:標高の高い神社で儀式を行い、生贄に名前を言わせることでターゲットを圧殺。
→ 京都公安が契約していた「罪の悪魔」の力を支配して使っていたと推察されます。不可視の銃弾:指で銃の形を作り「ばん」と言うと、見えない弾丸で敵を撃ち抜く。
→ 銃の悪魔を従えた後、その能力をコピーしたものと考えられます。視線による攻撃:地獄で闇の悪魔と対峙した際、お互いに指差し合いながら肉体を損傷させる描写。
→ 上位の悪魔同士が持つ特殊能力のひとつである可能性が高いです。
これらの力の多くは「支配」によってコピー・行使されたもの。彼女がいかに規格外であるかがわかります。
マキマの目的|「より良い世界」と歪んだ愛
マキマが口にした理想は「チェンソーマンの力で、より良い世界を作ること」。
しかしその背景には、彼女自身の孤独と歪んだ愛情が潜んでいました。
チェンソーマンの力に執着
チェンソーマンには「食べた悪魔を存在ごと消す」という唯一無二の力があります。
マキマはこの力を利用すれば、人類から「戦争」「飢餓」「病」などの不幸を消し去れると考えていました。
デンジを利用する計画
ところがマキマが欲していたのは「デンジ」ではなく「チェンソーマン」。
彼女はポチタとの契約を破棄させるため、デンジを徹底的に操作しました。
アキとパワーを家族として与える
深い絆が育った頃に容赦なく奪い去る
こうして彼に絶望を与え、「幸せを諦めさせる」ことで契約を破ろうとしたのです。
本当の願いは“家族”
後にポチタはデンジにこう語ります。
「支配の悪魔は、ずっと対等な関係を求めていたんだ」
恐怖でしか人と繋がれない支配の悪魔は、誰かと家族のように愛し合うことを夢見ていた。
その矛盾が、彼女の行動原理をさらに悲劇的なものにしていたのです。
最期の真相|「マキマ定食」とは?
最終決戦
クライマックスでは、武器人間を従えたマキマと、チェンソーマンの姿となったデンジが激突します。
何度倒しても蘇るマキマに対し、デンジは徐々に追い詰められていきました。
しかし、マキマが戦っていたのは「デンジの心臓=ポチタ」であり、本体のデンジは別行動を取っていたのです。
デンジの奇策
デンジはパワーの血を利用してマキマを切り裂き、再生を阻止。
そのうえで選んだ方法は「彼女を食べる」ことでした。
攻撃すれば国民が犠牲になる。
けれど「食べる」ことは攻撃ではない。
そして彼は心の底からこう思っていました。
「マキマさんを傷つけるんじゃない。一つになりたいんだ」と。
こうしてマキマは“マキマ定食”として調理され、少しずつデンジの体に取り込まれていきました。
この衝撃的すぎる展開は、ジャンプ連載史上でも類を見ない決着方法として、読者の記憶に強烈に刻まれています。
消えたマキマと新たな「支配の悪魔」ナユタ
マキマを食べ尽くした後も、支配の悪魔そのものは消滅しません。
新たな姿として生まれ変わったのが少女「ナユタ」でした。
岸辺は「マキマの記憶は持っていない」と語り、ナユタをデンジに託します。
第2部では、デンジとナユタの生活が描かれ、物語は新たな局面へと進んでいきます。
マキマが象徴するもの
① 母性と支配の二面性
マキマの名前の由来は「ママ」と言われています。
デンジが母を早くに亡くしていることから、彼にとって彼女は恋愛対象であると同時に“母性の代替”でもありました。
優しく面倒を見る一方で「犬」として従わせる彼女の態度は、母性と支配の矛盾を体現していたのです。
② 四騎士の一員
マキマは「支配・戦争・飢餓・死」の四騎士のひとりであり、他の姉妹たちとの関係も今後の展開に関わる重要要素です。
第2部では戦争の悪魔(ヨル)、飢餓の悪魔(キガちゃん)が登場し、物語は四騎士の再集結へと進んでいます。
③ 人間臭さを持つ悪魔
マキマは「恐怖」という本質を持ちながらも、人間以上に「愛されたい」という感情に支配されていました。
その矛盾が、彼女を単なる悪役ではなく、読者にとって魅力的で忘れがたい存在にしています。
映画好きという伏線
マキマの趣味は映画鑑賞。
デンジとのデートでは、丸一日で6本の映画を観続け、最後の1本で涙を流します。
彼女は「10本に1本くらいしか心に響く映画はない」と語りながらも、対等な友情や愛情を描いた作品に涙する。
ここには“支配の悪魔が本当に欲していたもの”が透けて見えています。
彼女が映画館で流した涙は、悪魔であると同時に人間臭い存在であることを象徴していたのではないでしょうか。
まとめ|マキマの正体と最期の意味
- 正体は「支配の悪魔」であり、日本政府と契約して不死身を得ていた
- 目的はチェンソーマンを利用した「理想世界」と「家族愛」
- デンジを翻弄し、幸福と絶望を与えることで契約を破ろうとした
- しかし最期はデンジの奇策「マキマ定食」によって取り込まれる
- その後、支配の悪魔は少女ナユタとして再生し、第2部へ繋がる
マキマは単なる敵役を超え、愛・母性・支配・孤独といった人間的テーマを背負ったキャラクターでした。
だからこそ彼女の存在は、今なお多くの読者の心を掴み続けています。
マキマはなぜ「定食」に?『チェンソーマン』支配の悪魔の正体と最期の真相
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