10月第2週の映画ランキングで、SixTONESの松村北斗が主演を務める実写映画『秒速5センチメートル』が初登場2位を記録した。
監督は写真家・映像作家としても知られる奥山由之、主題歌は米津玄師という強力な布陣。
公開3日間で動員27万8000人、興収4億200万円という数字は、今年上半期にヒットした松村主演作『ファーストキス 1ST KISS』の同期間比で158%という好スタートを切った。
しかし一方で、同週1位の『チェンソーマン レゼ篇』が4週連続首位をキープするなか、「大健闘」と見るか「やや控えめ」と捉えるか、評価は分かれる。
松村北斗にとっての“再構築”の挑戦
『秒速5センチメートル』の実写化は、新海誠監督が2007年に発表したアニメーション作品を原作とする。
18年の時を経て、映像も物語も新たな息吹を得た今作で、松村が演じるのは「時間と距離に引き裂かれる恋」を生きる青年・遠野貴樹。
アニメ版では語られなかった余白や、現代的な視点から描き直された人間模様が、奥山監督の手でリアルな質感をもって再構築されている。松村の演技もまた、その「静」と「情」の狭間にある繊細さで作品を支えている。
彼にとってこの役は、ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』や映画『ライアー×ライアー』で培った“恋愛を演じる”技術の集大成に近い。感情の高ぶりを声や涙ではなく、沈黙の中の変化で語る。そこに、グループの活動とは別の俳優・松村北斗の成熟が見える。
興行2位、その意味を読み解く
興収4億円超のスタートは、同時期公開の他作品と比べても十分健闘といえる。とはいえSNS上では「もっと話題になってもいい作品」との声もあり、初動の静けさを惜しむファンも多い。
ただ、松村北斗の主演作は“ロングラン型”の伸びを見せる傾向がある。『ファーストキス 1ST KISS』も公開当初は堅調スタートだったが、口コミによって最終興収28.2億円まで拡大した。今回の『秒速5センチメートル』も、物語の余韻と映像の詩情がじわじわと広がるタイプの作品だ。
目標ラインは現実的に30億円前後と見られ、興行的にも決して小さくない挑戦となる。
「18年越しの名作」を今に届ける存在として
原作アニメ版の公開は2007年。10代の観客にとっては“親世代の青春映画”に近い。だからこそ、松村北斗という今の時代を生きる俳優が主演する意味がある。
彼の透明感と、時に壊れそうなほどの感情表現が、かつての“切なさ”を現代の温度に置き換える。作品のリズム、奥山由之監督の映像詩的な構成、米津玄師の主題歌──すべてが「止まった時間をもう一度動かす」ために存在しているようだ。
今後に向けて
『秒速5センチメートル』実写版のスタートは、派手さこそないが確実に観客を掴んでいる。松村北斗の演技に惹かれて劇場を訪れた観客の満足度は高く、口コミの広がり方次第では年末にかけてのロングランも期待される。
そしてこの作品は、松村が単なる「人気アイドル」ではなく、映像表現の中で心情を語る俳優として新たなフェーズに立っていることを示す証でもある。
松村北斗の“静かな革命”
松村北斗の俳優としての魅力は、派手なアクションや大声で感情を爆発させるタイプではない。むしろ、言葉の裏側や呼吸の揺れの中に“人間の痛み”を見せるところにある。
『秒速5センチメートル』のような繊細な作品は、その表現力を試す格好の舞台だ。奥山監督の映像は、人物の一瞬の目線や光の滲みを丁寧に拾うため、松村の演技の細部がスクリーンに大きく響く。
今作の2位発進は、「静かな革命」の始まりかもしれない。
数字だけでは測れない“松村北斗という俳優の存在感”が、観客の記憶にゆっくりと根づいていく。
SixTONES松村北斗、『秒速5センチメートル』実写で初登場2位発進の評価をどう見る?
10月第2週の映画ランキングで、SixTONESの松村北斗が主演を務める実写映画『秒速5センチメートル』が初登場2位を記録した。 監督は写真家・映像作家としても知られる奥山由之、主題歌は米津玄師という強力な布陣。 公開3日間で動員27万8000人、興収4億200万円という数字は、今年上半期にヒットした松村主演作『ファーストキス 1ST KISS』の同期間比で158%という好スタートを切った。 しかし一方で、同週1位の『チェンソーマン レゼ篇』が4週連続首位をキープするなか、「大健闘」と見るか「やや控えめ」
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