俳優・松島聡、地上波連ドラ初主演へ―“表現者”としての現在地
timeleszのメンバーとして、音楽活動はもちろん、バラエティや舞台でも着実に存在感を高めてきた松島聡が、2024年秋、ついに地上波連続ドラマでの初主演という大きな節目を迎える。
演じるのは、テレビ朝日系「オシドラサタデー」枠で10月4日スタートのホームドラマ『パパと親父のウチご飯』。本作で松島は、シングルファーザーの千石哲という役に挑む。
驚きとともに注目を集めたのは、彼が“父親役”に挑戦するということだ。timeleszの中では弟的ポジションにあり、可愛らしさや柔らかい印象が強かった松島が、「親」として、しかも「元ヤン」という設定の男をどう演じるのか――多くのファンや関係者の関心を集めている。
しかし彼自身は、そんな周囲の驚きに対して笑いながらも、「原作を読んだとき、千石に共感できる部分が多くて」と語る。これは単なるキャスティングではない。松島聡という“今の表現者”が、自らの人生経験と感性を重ねながら臨む、覚悟のある挑戦だ。
まさかの父親役に挑む――千石哲というキャラクターの魅力と重なるリアル
松島が演じる千石哲(せんごく・てつ)は、柔道整復師として接骨院を営みながら、元恋人から突然託された娘と暮らすことになるシングルファーザー。
一見、短気でぶっきらぼうな“元ヤン”気質のキャラクターだが、その内面には人一倍の情の深さと不器用な優しさが宿っている。
このキャラクターに、松島は不思議なほどすんなり入り込めたという。
彼自身、インタビューで「育児=母親」という固定概念を持っていたと率直に語りつつ、「思い返せば、自分も父に育てられていた」と明かす。そう、千石が向き合う“父親としての奮闘”は、松島の原体験とも重なる部分があるのだ。
また、演技としての父親像を構築するのではなく、実感と視点を持った“生の感情”を通して父親という役に挑む姿勢は、彼の表現者としての深まりを感じさせる。
共演者・白洲迅との再共演が引き出す“演技の化学反応”
今作は白洲迅とのW主演で、彼が演じるのは、離婚後に息子を育てる編集者・晴海昌弘(はるみ・まさひろ)。
松島と白洲は、2023年に放送された『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』でも共演経験があり、その現場で築かれた信頼関係が今作にも活きている。
白洲は松島のことを「底抜けにいいヤツ」と表現し、共演を心から楽しみにしていたという。撮影前から「今回もいっぱい甘えさせてもらいたい(笑)」と語る松島の言葉からも、現場の温かい空気が伝わってくる。
俳優としてのキャリアにおいて、信頼できるパートナーと再びタッグを組めるというのは、大きな意味を持つ。一人の“役者”としての松島聡が、共演者と共にどう化学反応を起こしていくのか――その過程も見どころの一つとなりそうだ。
『パパと親父のウチご飯』に込められた、今だからこそ届けたいメッセージ
原作は、豊田悠氏による同名コミック(2014〜2020年連載)。
“家族”や“育児”をテーマにしつつも、「家族のカタチはひとつじゃない」という普遍的で現代的なメッセージが根底に流れている。
この作品が連載されていた当時は、まだ“父親が育児をする”という描写すら新鮮に映る時代だった。今だからこそ、“母でも父でもない、ひとりの大人”としての葛藤や愛情を描くことができる。
松島は「この作品と出会って、勝手な固定観念を壊された」と率直に語る。その変化の実感こそ、役者としての成長でもあり、人としての深まりでもある。
timeleszでの役割と、個人としての深化――松島聡が歩むこれから
timeleszとしても、“再始動”という新たなフェーズにある松島聡。
『timelesz project -AUDITION-』を経て、新体制となったグループの中で、彼は“安定感と親しみやすさ”を兼ね備えた存在として、多くのファンから愛されている。
今回の連ドラ初主演は、グループ活動と並行して俳優としての可能性を拡張する重要なターニングポイントだ。
音楽だけにとどまらず、“多面的な表現者”としての松島聡が、どこまで進化していくのか――その問いに、いま彼自身が一歩ずつ答え始めている。
視聴者に届けたい「家族」と「表現」のかたちとは
松島聡にとって、今回の主演は単なるキャリアのステップではない。
「家族とはなにか」「父親とはどうあるべきか」という普遍的な問いに対して、役を通して真摯に向き合うその姿勢に、“今を生きる表現者”としての成熟がにじみ出ている。
視聴者にとっても、「こんな家族のかたちもいいな」と思えるような、温かくて少し泣けて、でも笑える。そんな時間を届けてくれるドラマになるはずだ。
松島聡という存在の“変化と信念”をひも解く
松島聡という人間は、かつては“末っ子ポジション”として親しまれ、愛されるキャラクターであった。
だが、その裏では、持病による一定期間の活動休止(2018年11月〜2020年8月)という壁を乗り越え、精神的にも大きく成長してきた軌跡がある。
復帰後は、無理なく、しかし一歩ずつ着実に自分の可能性を広げるような仕事を選び、演技にもじっくりと向き合ってきた。そして2024年、ついに「主演」という形で、ひとつの答えを出すタイミングが訪れた。
この流れは、偶然でもなければ、ラッキーだけで掴んだものでもない。
苦しみや葛藤を経て、それでも表現をやめなかった人間だけが醸し出せる、芯のある“優しさ”や“説得力”が、いま彼の表情や声、演技に宿り始めている。
timeleszというチームに属しながらも、“松島聡としてどんな道を選ぶのか”という問いに、今回のドラマがひとつのヒントを与えてくれるかもしれない。
彼が演じる千石哲が、“不器用でも、必死に子どもを想う親”であるように、松島聡もまた、“不器用でも、必死に表現を届け続ける人”であることを忘れてはならない。
timelesz松島聡、初の“父親役”で魅せる新境地|連ドラ初主演が示す覚悟と本気
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