フジテレビ系ドラマ『モンスター』第3話が、視聴者に投げかけたのは“恋愛感情はどのように証明できるのか”という重い問いでした。
登場人物たちの間に複雑に絡む「精子提供」や「家系の血筋へのこだわり」など、愛と家族を取り巻くリアルな課題が浮き彫りにされています。
精子提供の裏に隠された“愛の証明”と偽りのスペック
エリート家系を維持したいと願う五条夫妻。妻・亜佐美(佐津川愛美)が精子提供を受けて妊娠した子が一体どのような背景で授かれたものなのか、弁護士・杉浦(ジェシー)がその真実に迫ります。
だが、精子提供を受けたはずの“東大卒のエリート”であるはずの提供者・斉藤(佐藤寛太)が、実は学歴詐称していたことが発覚。思い描いた「エリート遺伝子」を手に入れたかった亜佐美たちの計画は早くも狂い始めます。学歴や血筋をも愛の対象としてしまう現代のリアルな価値観が問われ、視聴者も思わず引き込まれる展開です。
錯綜する人間関係と愛の価値:不倫か、それとも真実の愛か?
そんな中、斉藤と原告の女性・茉由(吉本実憂)の間に交わされた“愛の証”とも言える瞬間の真偽が焦点となります。茉由が「無理強いされた」と訴える一方で、斉藤は彼女との行為が恋愛感情に基づくものであったと主張。双方が対立するなか、弁護士・亮子(趣里)が事実関係を確認する中で、一筋の真実が浮かび上がります。恋愛感情が本物か否かという定義が、二人の間に生まれた行為の道徳的・法的な正当性を大きく揺さぶります。
本当に欲しかったのは何?亜佐美の葛藤と「愛」への問い
物語の後半、亜佐美が子どもを宿した本当の精子提供者が、亡き恋人のものだったという事実が明かされます。夫・和彦には明かさずに、心に抱え込んできたこの秘密。最愛の人との“遺伝子”を次世代に残したいと願う思いは、今の夫に対する隠し事と衝突し、彼女の心を深く揺さぶります。果たして本当に亜佐美が望んでいたのは、子どもを得ることだったのか、それとも愛する人との繋がりを持つことだったのか――。
“証明できない感情”と“嘘”が招く人間の悲哀
このエピソードが浮き彫りにしたのは、証明しようのない感情が時にどれほど人間を追い詰めるかというテーマでした。表向きは精子提供と訴訟という「事実」に基づく問題でありながら、実際には亜佐美のように真実と偽りを織り交ぜながら生きる人々の内面的な苦悩が描かれます。亮子が“恋愛感情の証明”という難題に挑む姿を通じて、視聴者もまた「愛とは証明できるものか?」と自問させられます。
法律が裁けない心の葛藤と向き合う亮子の決断
最終的に、亮子は法律が裁けない“心の部分”に正面から向き合います。フィクションだからこそ可能な手法で、クライアントたちの自己省察を誘うやり方は、ドラマでありながら、現実社会における「正しさ」と「心情」の間に横たわる問題を浮き彫りにしています。愛とは、何かを得るための手段ではなく、その先にある本物の幸せを手にするために、人が自らと向き合う必要がある――そんなメッセージが込められています。
次回への期待:揺れ動くキャラクターたちの行く末
『モンスター』第3話は、愛と倫理を問う深いテーマを巧みに描き、視聴者に次回への期待を抱かせる内容となりました。杉浦や亜佐美がそれぞれに抱える葛藤と、精子提供というデリケートな問題の行方が、今後の展開でどのように収束していくのか。これからも愛と家族の形を模索する登場人物たちの行動から目が離せません。
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