ジメジメした梅雨の季節。でも、映画ファンにとってはワクワクが止まらない1ヶ月がやってきました。2025年6月は、社会派からアクション、ヒューマンドラマ、シニカルコメディまで、多彩なジャンルの話題作が劇場に集結!この記事では、そんな6月公開の注目映画9本を、ストーリー・キャスト・見どころ付きで徹底解説します。
A24によるスリラー最新作から、フランシス・フォード・コッポラ14年ぶりの新作、実話ベースの社会派ドラマや、胸アツなF1レース映画まで──。
あなたの「観たい!」がきっと見つかる、そんな1本に出会えるラインナップです。
①『F1/エフワン』|スピードとドラマが交差する、極限のレース映画
📅公開日:2025年6月27日
🎥監督:ジョセフ・コシンスキー(『トップガン マーヴェリック』)
🎭主演:ブラッド・ピット
🔥注目ポイント
伝説的F1ドライバーが現役復帰し、最弱チームを勝利へ導くという王道ストーリー。しかも、F1公式が全面協力!実際のサーキットで撮影、俳優たちが本物のF1カーを運転するなど、“リアルさ”はケタ違い。製作陣にはF1界のレジェンド、ルイス・ハミルトンも名を連ねています。
②『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』|冤罪か?真実か?極限の心理バトル
📅公開日:6月27日
🎥監督:三池崇史
🎭主演:綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也
🔥注目ポイント
約20年前に実際に起こった体罰事件をもとにした社会派ドラマ。綾野剛が演じる教師は“殺人教師”とメディアに報じられるが、裁判の中で明かされていく真実とは…。一方的な報道に潜む危険や、学校・家庭・司法が抱える矛盾を鋭くえぐります。
③『MaXXXine マキシーン』|80年代ハリウッドに忍び寄る“ナイト・ストーカー”の影
📅公開日:6月6日
🎥監督:タイ・ウェスト
🎭主演:ミア・ゴス
🔥注目ポイント
A24によるスラッシャー3部作の完結編。『X エックス』『Pearl パール』に続き、主演ミア・ゴスが魅せる“サバイバー”マキシーンの物語。舞台は1985年のロサンゼルス。人気ポルノ女優となったマキシーンの前に現れるFBI、探偵、そして実在の連続殺人鬼“ナイト・ストーカー”──。
レトロ×スリラー×リアル事件が交錯する、超濃厚サスペンス。
④『ぶぶ漬けどうどす』|“京都人あるある”が炸裂するシニカルコメディ
📅公開日:6月6日
🎥監督:冨永昌敬
🎭主演:深川麻衣、室井滋、小野寺ずる
🔥注目ポイント:
「ぶぶ漬け=帰れってこと!?」という京都特有の“おもてなしの裏”を、外から来た“ヨソさん”視点で描いた爆笑×皮肉劇。舞台は老舗扇子店に嫁いできた東京人のまどか。義母や近所の“京都人”たちとの攻防が、笑いとヒリヒリを同時に呼び起こします。
📌豆知識:
タイトルの「ぶぶ漬け」とは、京都で「そろそろお引き取りくださいね」という意味で使われる、上品な“追い出し”言葉。関西人にはニヤリ、関東人にはゾクリ、なリアル感。
⑤『メガロポリス』|コッポラが描く“現代ローマ”の叙事詩
📅公開日:6月20日
🎥監督:フランシス・フォード・コッポラ
🎭主演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル
🔥注目ポイント
製作に40年を費やした、巨匠フランシス・フォード・コッポラの野心作。舞台は“ニューローマ”と呼ばれる都市国家。カエサルという天才建築家が「古代ローマを蘇らせよう」と都市再建に挑むが、政治・腐敗・陰謀がそれを阻む──。
📌視点解説:
本作はただのSF映画ではなく、“今のアメリカの姿を、ローマ帝国に重ねた”政治寓話とも言える作品。分断・腐敗・理想と現実のギャップを問う、現代人への警鐘です。
⑥『おばあちゃんと僕の約束』|“遺産狙い”から始まる、人生の再発見
📅公開日:6月13日
🎥監督:パット・ブーンニティパット
🎭主演:プッティポン・アッサラッタナクン、ウサー・セームカム
🔥注目ポイント
タイ映画史上、初めてアカデミー賞®国際長編部門ショートリスト入りを果たした感動作。ゲーム実況者を目指す青年が、遺産目当てに近づいた祖母と過ごすうちに、人としての大切な価値観を取り戻していく物語。
📌コラム:
主演のプッティポンは、タイで社会現象化したドラマ『I Told Sunset About You』の主役でもあり、若者からの支持が圧倒的。感情表現の繊細さと、タイ社会のリアルな背景描写に定評があります。
⑦『フロントライン』|コロナ初期の“医療現場最前線”を描く実録ドラマ
📅公開日:6月13日
🎥監督:関根光才
🎭主演:小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介
🔥注目ポイント
2020年初頭──ダイヤモンド・プリンセス号で起きた日本初の集団感染。混乱と恐怖が渦巻く中、医療チーム「DMAT(災害派遣医療チーム)」が現場に派遣される。リーダー役の小栗旬を筆頭に、日本映画界の精鋭が集結。
**命を守る側の“正義”と“限界”**を問う、真に迫るヒューマンドラマです。
📌注目:
医療をテーマにした邦画は数あれど、本作のように“国家レベルのクライシス”と“現場の苦悩”をリアルに描いた作品は稀。Netflix『THE DAYS』のスタッフによる信頼感もポイント。
⑧『それでも私は Though I’m His Daughter』|「加害者家族」として生きるということ
📅公開日:6月14日
🎥監督:長塚洋
🎭主演:松本麗華(ドキュメンタリー)
🔥注目ポイント
あの地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教。その教祖・麻原彰晃の娘として生まれた松本麗華が、自身の人生を語る渾身のドキュメンタリー。社会からの偏見、法的制限、就職や恋愛すらままならない日常——。
「罪を犯していない者が、なぜここまで背負わなければならないのか?」という重い問いを投げかける作品。
📌視点:
監督の長塚洋は、2018年にも同テーマを追った映画『望むのは死刑ですか』を発表。本作はさらに6年かけて掘り下げた“社会と個の断絶”の記録です。
⑨『ラ・コシーナ/厨房』|NYレストランの“移民たちの人生劇場”
📅公開日:6月公開予定
🎥監督:アロンソ・ルイスパラシオス
🎭主演:ラウル・ブリオネス
🔥注目ポイント
メキシコの俊英が描く、ニューヨークのレストラン「ザ・グリル」で働く移民たちの群像劇。彼らが背負う過去、夢、希望、摩擦が、モノクロ映像の中で繊細に映し出されます。
実際のレストランを舞台にし、ほぼ全編をキッチンの“裏側”だけで構成するという実験的スタイルも話題。
📌比較視点:
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』のようなハートフルさとは対極。リアルな社会階層と人間の矛盾を描く、“観た後に考え込む”映画です。
🎯どれを観るべき?ジャンル別おすすめ早見表
気分 | おすすめ作品 | 理由 |
---|---|---|
胸アツ!王道ヒーローものが観たい | 『F1/エフワン』 | 実写×レース×復活劇という王道展開にF1公式の圧倒的臨場感が加わる |
涙活したい・人間の葛藤を味わいたい | 『おばあちゃんと僕の約束』『それでも私は』 | 世代を越えた絆、赦し、苦しみに寄り添うテーマが満載 |
ドロドロした人間模様・心理戦が好き | 『でっちあげ』『メガロポリス』 | 社会制度や人間関係の歪みを深掘り。知的好奇心も刺激される |
スリルと美意識の融合 | 『MaXXXine』 | A24らしい映像美と80年代カルチャーの再構築で、視覚と恐怖の両立 |
文化の違いにツッコミたい | 『ぶぶ漬けどうどす』『ラ・コシーナ』 | “他者とのズレ”を笑い、また考えさせられる2作。ローカル×グローバル視点が面白い |
社会の記憶・災害と医療に向き合う | 『フロントライン』 | あの“はじまりの日々”を振り返ることで、今を再認識する |
📝FAQ:読者のよくある疑問に答えます!
Q1. 一番話題性が高い映画はどれ?
→『F1/エフワン』です。F1ファン以外も惹きつける“ブラピ主演×実走行撮影”は世界的にも話題。
Q2. 泣ける映画は?
→『おばあちゃんと僕の約束』と『それでも私は』は、いずれも涙腺直撃。しかも感動の“押しつけ感”がないのが魅力。
Q3. 家族と観やすい作品は?
→『ぶぶ漬けどうどす』『フロントライン』が比較的マイルド。『でっちあげ』はテーマが重いので要注意。
✨今年の6月は、映画館で“世界を知る”旅に出よう
6月公開の映画たちは、ただのエンタメにとどまらず、「今を生きる自分と社会」に問いかけてくる作品ばかりです。
ジャンルもテーマも多彩だからこそ、あなた自身の「今の気分」や「問い」にマッチする1本がきっと見つかるはず。
梅雨のじめじめは、映画館の暗闇に逃げ込んで正解!
気になる作品があったら、ぜひ劇場でチェックしてみてくださいね。