
2025年12月25日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ。
この日、Number_iは全国ツアー「Number_i LIVE TOUR 2025 No.II」のファイナル公演を迎えた。
10月に北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナからスタートした本ツアーは、全8都市25公演で約30万人を動員。数字だけを見ても大規模だが、それ以上に印象的なのは、このツアーが「今のNumber_iがどこに立っているのか」を明確に示した点にある。
2ndアルバム『No.II』が描き出した現在進行形
今回のツアーは、9月にリリースされた2ndフルアルバム『No.II』の収録曲を中心に構成された。
アルバム全体に共通するのは、ジャンルの振れ幅よりも、3人それぞれの表現がどう重なり合うかを丁寧に設計している点だ。
開演直後、会場が暗転するとスクリーンには、Number_iの3人が宇宙船に取り込まれるスペシャルムービーが映し出される。映像が終わると同時にゴンドラに乗った3人が姿を現し、1曲目「HIRAKEGOMA」へ。冒頭から強い集中力を感じさせる展開で、ツアー全体の世界観を一気に観客へ提示した。
ライブで立体化される楽曲の表情

序盤に披露された「ATAMI」「FUJI」では、メロウなバンドサウンドと情景的な歌詞が重なり、楽曲の持つ空気感がそのまま会場に広がっていく。音源で聴く印象とは異なり、ライブではより有機的な温度を帯びて響くのが印象的だった。
平野紫耀は、メロディとラップを行き来しながら、楽曲の要所で強い存在感を発揮する。「ピンクストロベリーチョコレートフライデー」では、伸びやかな歌声と低音ラップのコントラストが際立ち、観客の集中を一気に引き寄せた。

神宮寺勇太は、自身がプロデュースを手がけた「ATAMI」に加え、ソロ曲「LOOP」で繊細かつダイナミックなパフォーマンスを披露。ダンサーとの動きの中で、身体表現としての音楽が強く印象づけられるステージとなった。

岸優太は、「KC Vibes」でシンガーとしての魅力を存分に発揮。伸びのある歌声とラップの切り替えが自然で、ライブ全体のグルーヴを力強く支えていた。
クリスマス公演ならではのMCと距離感
12月25日の公演ということもあり、MCではクリスマスの話題に。
子どもの頃、サンタクロースに「ジュエリーください」とお願いしたところ駄菓子が100個届いたという平野のエピソードや、サンタを目撃したことがあると語る岸の話に、会場は終始和やかな空気に包まれた。
「もし今プレゼントをもらえるなら」という質問には、岸は金銀財宝、平野は加湿器、神宮寺はムラシャン(紫シャンプー)と回答。ステージ上でのパフォーマンスとのギャップが、観客との距離を自然に縮めていた。
後半にかけて浮かび上がるツアーの物語性
ライブ後半では、「2OMBIE」「GOD_i」といった重厚な楽曲が続き、空気は再び張り詰めていく。
デビュー曲「GOAT」から「未確認領域」へとつながる流れは、過去から現在、そしてその先へ進む過程を示すような構成で、ツアー全体の物語性を強く印象づけた。
アンコールでは最新曲「LAVALAVA」が投下され、会場の空気は一気に祝祭ムードへ。「JELLY」を経て、ラストは「i-mode」。歌い終えた3人は、iLYs(Number_iのファン)に向けて感謝の言葉を伝え、ステージを後にした。
なお、このさいたまスーパーアリーナ公演の模様は、2026年2月14日0:00からPrime Videoで配信予定となっている。
ツアー完走が示したNumber_iの現在地
今回の全国ツアーは、動員数や規模以上に、Number_iがどの段階にいるのかを明確に示した機会だった。
3人それぞれがソロでも成立する表現力を持ちながら、グループとして音楽を構築することで、より立体的な表現へと昇華している点が随所に見られた。
特筆すべきなのは、派手な演出やスケール感を前面に押し出すのではなく、楽曲そのものの説得力とライブ構成で観客を引き込んでいたことだ。『No.II』の楽曲群は、ライブを通して初めて完成する側面を持ち、ツアー全体がアルバムの延長線として機能していた。
今後の活動については、現時点で公式に発表されているのはツアー完走と映像配信までだ。しかし、このツアーで示されたのは、規模の拡大よりも「表現の解像度」を高めていく姿勢である。
Number_iは今、自分たちの音楽をどのように届けるかを丁寧に更新し続けている。その現在地をはっきりと刻んだツアーが、「Number_i LIVE TOUR 2025 No.II」だったと言えるだろう。
Number_iが示した現在地──30万人を動員した全国ツアー完走、その音楽と3人の今
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