はじめに:10年の潮流を越えて
2025年、おいしくるメロンパンは結成から節目の10年を迎える。透明感のあるメロディと詩的な歌詞、そして“海”を象徴とする世界観で、多くのリスナーの心を掴んできた3ピースロックバンドだ。
今、彼らは新曲「群青逃避行」と10thミニアルバム『bouquet』、そして全国Zeppツアーという大きな展開を控えている。本記事では、バンドの歩みと最新活動、そしてこれからの可能性を深掘りしていく。
バンドの歩みと“海”モチーフの関係
おいしくるメロンパンの音楽を語るうえで欠かせないのが、楽曲にたびたび登場する“海”だ。
初期の楽曲から最新作に至るまで、海は単なる情景描写ではなく、感情の揺らぎや人生の転機を映し出す象徴として機能している。
波のゆらめきのように寄せては返すメロディライン、そして透明感と翳りを併せ持つ歌声は、多くのファンに「聴くだけで情景が浮かぶ」と言わしめる。
最新作「群青逃避行」MVの魅力
2025年8月12日21時、YouTube公式チャンネルでプレミア公開される「群青逃避行」MVは、まさに“逃避と開放”を体現する作品だ。
監督は前作「未完成に瞬いて」に続きクラハシタクヤ氏が担当。海辺を舞台にした情景やメンバーと共に旅をしているかのようなカメラワークが印象的で、楽曲の爽快感と切なさを同時に引き立てている。
この楽曲は10月1日リリース予定の『bouquet』に収録され、アルバム全体のムードを象徴する存在と言える。
10thミニアルバム『bouquet』の全貌
『bouquet』は、10年間の活動を経たおいしくるメロンパンが新たに提示するサウンドブーケ。
収録曲や特典デザインはすでに公式サイトで公開されており、ジャンルの枠に収まらないサウンドアプローチが垣間見える。
長年のファンには懐かしさと新しさが同居し、新規リスナーにとっては入門編としても楽しめる内容になっている。
Zeppツアー「bouquet tour - never ending blue -」
10月からスタートする全国Zeppツアーは、アルバム世界観をライブで体感できる絶好の機会だ。
大規模な会場ならではの照明演出や映像効果が予想され、海をテーマにした楽曲がどのように再構築されるのかにも注目が集まる。
ライブの生音と観客の熱量が交差する瞬間、おいしくるメロンパンの音楽はさらに立体的に響くはずだ。
種別 | 日程・詳細 |
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MVプレミア公開 | 「群青逃避行」MV|2025年8月12日(火)21:00 YouTubeでプレミア公開予定 |
デジタル配信開始 | 「群青逃避行」配信開始:2025年8月6日(水) |
10thミニアルバム『bouquet』リリース | 2025年10月1日(水)リリース予定(複数形態あり) |
収録曲一覧(CD共通) | 1. 群青逃避行2. 誰もが密室にて息をする3. 十七回忌4. 未完成に瞬いて5. クリームソーダ |
初回特装盤ボーナスディスク | 季節をテーマにした4曲をアコースティックアレンジ収録:桜の木の下には/紫陽花/dry flower/水仙 |
初回映像盤特典 | Blu-ray付き:日比谷野音公演全編+ドキュメンタリー映像 |
Zeppツアー日程 | - 10/24(金)福岡・Zepp Fukuoka - 10/25(土)大阪・Zepp Namba - 10/31(金)愛知・Zepp Nagoya - 11/16(日)北海道・Zepp Sapporo - 11/28(金)東京・Zepp DiverCity(TOKYO) |
これからの10年へ
結成10周年を迎えても、彼らの創作意欲は衰えるどころか加速している。
“海”という変わらぬモチーフを抱えながらも、その表現方法は年々進化し続けており、ジャンルの境界を超える挑戦も見せている。
今後は海外公演やフェス出演など、新たなステージへの進出も視野に入るだろう。
海モチーフがロックに与える影響
日本のロックシーンにおいて、“海”を継続的なテーマとして扱うバンドは決して多くない。多くは一曲や一枚のアルバム単位でモチーフを取り入れるが、おいしくるメロンパンはキャリア全体を通して一貫して海と向き合ってきた。
このアプローチが独自性を生み出している理由は、海が持つ多義的な意味合いにある。
広大さ=自由、深さ=未知、潮の流れ=時間の流転。これらのイメージを、時には優しく、時には鋭く音楽へと変換してきた。
また、ライブの演出やアートワークにおいても海の要素は重要な役割を果たす。波打ち際を思わせる照明の色使いや、潮風を感じさせる映像演出は、聴覚だけでなく視覚にも強く訴えかける。
こうしたトータルな表現は、シティポップやエモ、ポストロックといった他ジャンルの影響を受けつつも、あくまで“おいしくるメロンパン”としてのアイデンティティを保っている。
さらに、ファンとの関係性にも“海”のイメージは浸透している。SNS上での交流やライブ後の感想共有において、ファン同士が「〇〇な波だった」といった独特の言葉を使うのはその一例だ。これにより、単なる音楽鑑賞を超えたコミュニティ文化が形成されている。
今後、この海モチーフがどのように進化していくかは未知数だ。しかし、結成から10年を経ても変わらずリスナーの心を波立たせる音楽を生み出し続ける限り、その潮流は止まることはないだろう。
公式情報まとめ
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