現代の渋谷に天才軍師・諸葛孔明が降臨!?
そんな突飛な設定ながら、音楽×策略の異色タッグで話題を呼んだ『パリピ孔明』。2023年秋のドラマ版に続き、ついにスケールアップして映画館に登場しました!その名も――
『パリピ孔明 THE MOVIE』!
今回の映画版では、英子と孔明が新たな戦場「ミュージックバトルアワーズ2025」に挑みます。総勢50人以上のアーティストとダンサーたちが本気でぶつかり合う、まるで本物の音楽フェスのような超大作。しかも約6000人もの観客を動員したガチのライブ撮影も!
これはただのドラマの延長じゃない。"観るフェス"として、別次元のエンタメ体験を叩きつけてきました。
三国志、再び──孔明vs司馬懿の末裔!
「サマーソニア」での死闘を経た孔明と英子に、さらなる強敵が立ちはだかります。
それが、魏軍の天才軍師・司馬懿の末裔、司馬潤&shin兄妹(神尾楓珠&詩羽)!
この二人、孔明を策略で追い詰めにかかるのですが、そのやり口がなんと、「孔明の十八番」である『石兵八陣』の逆利用!
さらには、孔明の夢の内容を見抜いて揺さぶりをかけるという、心理戦まで繰り広げます。
そして迎えるクライマックスは、「空城の計」オマージュ。
かつて孔明と司馬懿が死闘を繰り広げたあの伝説の策が、現代の音楽バトルに蘇るのです――!
英子の葛藤と、音楽フェスさながらのライブ!
一方、英子も精神的な壁にぶつかります。
孔明の苦悩を感じ取り、歌に集中できなくなってしまう英子。個性的なシンガーshinの登場により、プレッシャーは最高潮へ。
そんな中で繰り広げられるライブパフォーマンスの数々が、本作の大きな見どころ。
一発撮りの緊張感の中、アーティストたちが全力のパフォーマンスを披露します。
アヴちゃん(マリア・ディーゼル)
森崎ウィン(JET JACKET・RYO)
宮世琉弥(KABE太人)
ELLY(赤兎馬カンフー)
休日課長&石崎ひゅーい(イースト・サウス)
……そして、新登場の&TEAMや岩田剛典たちも参戦!
まさに"音楽バトルフェス"の名にふさわしい豪華絢爛なステージが続きます!
三国志×現代音楽業界、違和感を乗り越えた「願い」
「なぜ孔明が日本でUber Eats配達員やってるの?」
ツッコミどころは満載ですが(笑)、物語の軸は意外とブレていません。
戦乱の世を知る孔明だからこそ、
争いではなく、音楽を通して「天下泰平」を目指す。
この願いに、映画は真っ直ぐ向き合っています。
ライバルを叩き潰すのではなく、
互いを認め、共鳴し合い、音楽への愛で繋がる――
そんなエンディングに向かう展開は、胸を打たれずにはいられません!
音楽業界の光と影を映す、リアルな一面も
一方で、映画は音楽業界の裏側に深く切り込むことはありません。
搾取やゴーストライター問題など、現実の業界の闇にはあえて触れず、
あくまで「ポジティブな夢」として描ききっています。
この辺りは、同じく芸能界の裏側をえぐった『【推しの子】』とは対象的。
『パリピ孔明』は、あくまで希望の火を絶やさない物語なんです。
特筆すべきは、アーティストたちのリアルな輝き
とくに心を奪われたのが、shin(詩羽)とEIKO(上白石萌歌)の歌唱シーン!
shinが歌う「again and again」(作詞作曲:崎山蒼志)
→ 個の痛みを昇華した、リアルで繊細な世界観が胸に刺さる。EIKOが歌う「Count on me」(作詞作曲:Saucy Dog石原慎也)
→ 孔明への依存を乗り越え、自立を宣言するような、力強い歌声。
どちらも単なる劇中歌では終わらない、本物のアーティスト魂が詰まった楽曲たちでした!
『パリピ孔明 THE MOVIE』は、
楽しく、熱く、少し切なく、
そしてなにより――
日本の音楽シーンに、確かな希望を灯す一作でした!
普段J-POPにあまり触れない人にも、新しい扉を開いてくれるかもしれません。
気になったあなた、ぜひ映画館で「天下泰平」へのステージを体感してみて!
「音楽フェス映画」という新ジャンルが広げる未来
今回『パリピ孔明 THE MOVIE』が挑戦したのは、いわば"フェスを映画にする"という大胆な試みでした。
ライブビューイング文化が広がり、音楽と映像の融合が一般化してきた今、
「物語×本気のライブ」という新たなフォーマットは、日本映画界にとって大きな可能性を秘めています。
これまで「ライブシーン=添え物」だった邦画の常識を覆し、
アーティストたちのリアルなエネルギーそのものを"作品"に昇華する。
それは単なるエンタメではなく、
観る人の心を震わせ、時には人生観すら変えるかもしれない。
『パリピ孔明』は、そんな"新しいフェス映画時代"の幕開けを告げた一作なのかもしれません。
これから先、ドラマでもアニメでも映画でも、
「音楽×ストーリー」の可能性はもっともっと広がっていくはずです!