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青空を取り戻したえんとつ町から―「えんとつ町のプペル」次章で描かれる“11時59分”の使命

2025年11月7日

青空を取り戻したえんとつ町から―「えんとつ町のプペル」次章で描かれる“11時59分”の使命

かつて煙に覆われたえんとつ町に、奇跡のような星空が戻ってきた夜を覚えているだろうか。

2020年に公開された『映画 えんとつ町のプペル』は、信じることを諦めない少年とゴミ人間の友情を通して、観客に「希望を見上げる力」を思い出させてくれた。あれから5年。空を取り戻した町に、再び“時”が動き出す。続編『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』が、2026年3月27日に全国公開される。

止まった時を動かす――新たな舞台「千年砦」へ

新章の舞台は、星空の夜から1年後。親友プペルを失ったルビッチは、“信じる”ことの意味を見失っていた。そんな彼が迷い込むのは、時を支配する異世界「千年砦」。そこでは、動かなくなった時計が廃棄される運命にあり、ひとつだけ“壊れていないのに11時59分で止まっている”不思議な時計台があった。

元の世界に戻る鍵は、この止まった時計を再び動かすこと。時が止まった理由と向き合うルビッチは、「信じて待つ」という行為の本当の意味に触れていく。

窪田正孝が再び吹き込む、プペルという“希望の声”

前作に続き、プペルの声を務めるのは俳優・窪田正孝。5年ぶりの続投となるが、その声には不思議なほどの一貫性がある。

「西野さんからプペルへの想いをずっと聞いていたので、また会えると聞いたときは純粋に嬉しかった」

そう語る窪田の言葉には、キャラクターと共に歩んできた年月の温度がある。短い収録時間の中でも、ルビッチとの掛け合いによって“新しい絆の形”が自然と立ち上がったという。前作での「信じ抜く強さ」が、今作では「信じて待つ優しさ」へと進化しているのかもしれない。

 新ルビッチ・永瀬ゆずなが挑む、“信じる”声

ルビッチを演じるのは、NHK連続テレビ小説『あんぱん』で注目を集めた若手俳優・永瀬ゆずな。声優初挑戦となる彼女は、緊張の中でもルビッチの“まっすぐな心”を声に乗せた。

「窪田さんがお芝居の気持ちの流れを一緒に考えてくださって、楽しく収録できました」

永瀬のコメントからは、彼女自身がルビッチのように「誰かを信じて成長していく姿」が重なる。前作の芦田愛菜からバトンを受け取り、また新たな声で息を吹き込まれたルビッチは、“再生”という本作のテーマそのものを体現している。

西野亮廣が描く「時間」と「信頼」の寓話

原案は、にしのあきひろによる絵本『チックタック 約束の時計台』。今作では西野亮廣自身が製作総指揮・脚本を務め、監督は廣田裕介、アニメーション制作はSTUDIO4°Cが続投する。

“時間が止まる”というモチーフには、単なるファンタジー以上の意味がある。前作でえんとつ町が“信じる力”を取り戻したように、今回は「時間」という普遍的な概念の中に、人間の希望と後悔を重ねている。

止まった時計台は、誰かを待ち続ける心そのもの。西野の脚本には、「待つことを諦めない人間は、過去も未来も超えることができる」というメッセージが込められているように感じられる。

特報映像が語る“11時59分”の意味

公開された特報映像では、森の中で叫ぶルビッチの声が胸に刺さる。

「先に進んじゃったら、大切な人が帰ってくる場所がなくなっちゃうから!」

その叫びの裏にあるのは、「信じること」と「前に進むこと」の葛藤。ルビッチの背中を見つめる新キャラクター・モフ、そして“もう一度、会いたい”という文字。時計の針が止まるその瞬間、過去と未来が交差する。

ティザービジュアルには、長針の上に立つプペルと短針の上に立つルビッチが描かれている。見上げる構図は、まるで“信頼”という名の時間を象徴しているかのようだ。

 “信じて待つ”という、現代へのメッセージ

SNSのように全てが“即結果”で流れていく時代にあって、「待つこと」は時に勇気を要する行為だ。だが、西野作品が一貫して描くのは、“待つ人の強さ”である。

プペルは信じ続ける者の象徴であり、ルビッチは信じることを一度手放した現代人の投影でもある。止まった時計を動かす物語は、誰もが一度は止まってしまった心の時計を再び動かす物語なのだ。

―再び動き出す時間の物語へ

『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』は、単なる続編ではない。星空を取り戻したあの夜の“その先”を描く、信頼と再会のドラマだ。

窪田正孝の深みある声、永瀬ゆずなの新鮮な感情、西野亮廣の寓話的脚本、そしてSTUDIO4°Cの緻密な映像美。そのすべてが再び交差する“11時59分”の瞬間に、私たちはきっと、時間の意味を問い直すことになるだろう。

「もう一度、君に会いたい」

――その言葉が、止まっていた何かを静かに動かし始める。

プペルが教えてくれる、“信じることを諦めない”という選択

「えんとつ町のプペル」は、絵本でも映画でも、一貫して「信じる勇気」を描いてきた。だが続編では、その勇気を持ち続けることの“難しさ”に踏み込んでいる。

誰かを信じるというのは、結果を求めずに待ち続けること。時計が止まっても、「きっとまた動き出す」と願う心こそが“奇跡”の正体なのだ。

プペルは、希望の擬人化であり、ルビッチにとっての“信仰”にも似た存在。だからこそ再会の瞬間には、単なる友情を超えた感情が生まれる。

西野亮廣がこの物語を通して伝えようとしているのは、“信じることをやめない人間は、時間さえも味方にできる”という真理なのだろう。

時が止まった世界を再び動かすのは、魔法ではない。誰かを思う優しさと、信じる心だけだ。

その小さな光が、煙の町を、そしてこの現実をも照らしていく。

🕰️ 『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』

  • 2026年3月27日(金)全国公開
  • 出演:永瀬ゆずな、窪田正孝
  • 製作総指揮・脚本:西野亮廣
  • 監督:廣田裕介
  • アニメーション制作:STUDIO4°C
  • 原案:『チックタック 約束の時計台』(にしのあきひろ著)
  • 配給:東宝・CHIMNEY TOWN
  • 公式サイト:poupelle.com

この記事を書いた編集者
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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

映画・ドラマ・アニメ・漫画・音楽といったエンタメジャンルを中心に、レビュー・考察・ランキング・まとめ記事などを幅広く執筆するライター/編集者。ジャンル横断的な知識と経験を活かし、トレンド性・読みやすさ・SEO適性を兼ね備えた構成力に定評があります。 特に、作品の魅力や制作者の意図を的確に言語化し、情報としても感情としても読者に届くコンテンツ作りに力を入れており、読後に“発見”や“納得”を残せる文章を目指しています。ポプバ運営の中核を担っており、コンテンツ企画・記事構成・SNS発信・収益導線まで一貫したメディア視点での執筆を担当。 読者が「この作品を観てみたい」「読んでよかった」と思えるような文章を、ジャンルを問わず丁寧に届けることを大切にしています。

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