「その名前だけで、世界で通用するのか?」
Snow Manの最年少メンバー・ラウールが挑んだのは、そんなシンプルで残酷な問いだった。
彼の初単独ドキュメンタリー『RAUL: ON THE RUNWAY』が、2025年9月13日よりPrime Videoにて配信される。
しかしこれは、よくある“密着ドキュメンタリー”ではない。
――それは、一人の人間が「肩書き」を脱ぎ捨て、自分という存在だけで世界と向き合う挑戦の記録である。
肩書きのない世界で、「自分」というブランドを築く
日本国内では、言わずと知れたトップアイドルの一人。
190cmを超える長身、舞台での存在感、モデルとしての活躍……Snow Manの中でも異彩を放ち続けてきたラウール。
しかし、世界のファッション界では、それらは一切の保証にはならない。
所属グループも実績も知られていない。通訳もいない。全ては「自分の名」が通用するかどうかにかかっている。
このドキュメンタリーでは、そんな“肩書きゼロ”の環境に身を置いたラウールが、
自分の価値をゼロから再構築するプロセスを描いている。
ファッション界は、偶像を試す場所ではない
ランウェイの世界で求められるのは、「印象」ではなく「証明」だ。
ウォーキング、フィッティング、現場での即応性──
スタイルや容姿はあくまでスタートライン。その先にあるのは、ブランドごとの哲学に寄り添える表現力と、"今、そこに立つ意味"を示せる存在感。
ラウールは、国内の芸能活動で培った“見せ方”を一度解体し、そのフィールドに適した“見せる力”へと自分自身を作り変えていく。
ここには、“表現者”としての矜持と葛藤がある。
まるで、舞台から降りて新しい演目に臨む俳優のように。
成長ではなく、「更新される視点」を追う作品
この作品は、ただ努力と成長をなぞる映像ではない。
むしろ注目すべきは、ラウールの「選択と思考の変化」である。
- どんな服を着るかではなく、どう着るかを考えるようになった瞬間
- 誰かの指示を待つのではなく、自分の感性で歩くようになった瞬間
- 緊張に飲まれるのではなく、現場を読み、流れに溶け込むようになった瞬間
つまりこれは、「わかりやすい成長」よりも、アップデートされていく内面を追体験できる作品なのだ。
Snow Manのラウールから、“RAUL”へ
作品を通して感じるのは、ラウールが“Snow Manのラウール”から、“RAUL”として立つ決意を固めていく過程である。
それは独立や脱退を意味するものではなく、
むしろ「グループの看板に依存せず、自分の名に責任を持つ覚悟」だ。
グローバルに活躍する表現者にとって、必要なのは肩書きの強さではない。
“あなたは誰か”という問いに、言葉抜きでも応えられる存在感こそが、唯一の武器になる。
ドキュメンタリーが観る者に投げかける問い
この映像作品の魅力は、ラウールという人物を深く知れることだけではない。
視聴者に問いかけてくるのだ。
あなたは、自分の名前だけで世界と向き合えるだろうか?
これはラウールだけの物語ではない。
今を生きる全ての人が直面する、「他人ではなく、自分で決める人生」のドキュメントでもある。
『RAUL: ON THE RUNWAY』は、“Snow Manのラウール”を観る作品ではない。
“RAUL”というひとりの表現者が、自分の名で世界と向き合うための記録である。
すでに名声を得ている若者が、あえてゼロから挑む意味。
そのリアルな姿を通して、私たちは自身の人生にさえ問いを投げかけられる。
9月13日、その問いに、あなたはどう答えるだろうか。
📌 配信情報
- タイトル:RAUL: ON THE RUNWAY
- 配信開始日:2025年9月13日(金)
- プラットフォーム:Prime Video(独占)
- ジャンル:ファッション × ドキュメンタリー × 自己挑戦
- 出演:ラウール(Snow Man)
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