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『リブート』第5話|鈴木亮平の一人二役対決が生む錯覚…儀堂と一香、二人いる説を検証

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日曜劇場『リブート』(TBS系)第5話は、シリーズの転換点と言っていい。これまで“入れ替わり”という構図で進んできた物語が、ついに真正面からぶつかり合う局面へと突入したからだ。早瀬陸と儀堂歩――同じ顔を持つ二人が同時に存在するという、視聴者が最も見たかった瞬間が実現した。

しかし皮肉なことに、この対決は真実を明らかにするどころか、疑念を倍増させる結果となった。







鈴木亮平vs鈴木亮平がもたらした“現実の揺らぎ”

『リブート』第5話|鈴木亮平の一人二役対決が生む錯覚…儀堂と一香、二人いる説を検証

第5話最大の見どころは、言うまでもなく鈴木亮平の一人二役対決だ。同じ俳優が演じているにもかかわらず、早瀬と儀堂は明確に別人格として存在している。早瀬は迷いを抱えた表情と柔らかな声色を持ち、儀堂は理知的で隙のない視線を向ける。その差異は、演技というより“別人がそこにいる”錯覚を生むレベルに達している。

だからこそ問題が生まれる。二人が同時に画面に立った瞬間、視聴者の脳内で「どちらが正しいのか」という判断が始まる。しかしその判断は、冷静な証拠ではなく、印象に左右されていないだろうか。

儀堂の語りは落ち着いていて論理的だった。夏海殺害も10億円強奪も自分ではないと否定し、リブートを勧めたのは一香だと主張する。その語り口は、感情的な弁明ではなく、整理された説明だったため、どこか真実味を帯びて聞こえる。

だが忘れてはならないのは、儀堂が元刑事であるという事実だ。人の心理を読み、真実らしく語る技術を持つ人物が、説得力のある言葉を使うのは不自然ではない。

一香の沈黙が意味するもの

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一方で一香の存在は、さらに謎を深める。第5話冒頭、早瀬が作った炒飯を口にする場面が象徴的だった。もし彼女が夏海であれば、味に何らかの反応があっても不思議ではない。しかし、そこに強い感情は見えなかった。

この描写は二通りに解釈できる。

本物の一香だからこそ無反応だったのか。

あるいは、何かを隠すために感情を抑えたのか。

加えて、トランクルームの手配や資金の流れ、リブートの提案といった点で一香の関与が疑われていることも、儀堂の証言と重なる。だが一香を単純な黒幕と断定するには、彼女の行動に残る迷いが説明しきれない。







“二人いる説”は現実味を帯びているか

本作はすでに「同じ顔が存在する世界」を提示している。ならば、一香にも同様の構造があってもおかしくはない。つまり、本物の一香と、別人がリブートした一香が存在する可能性だ。

この仮説を採用すれば、感情の矛盾や行動の不整合は説明できる。第5話はその可能性を明言しないまま、観る者に想像させる構成になっていた。はっきり示さないからこそ、疑念が膨らむ。

ただし、安易に“複数存在”へ逃げるのも危険だ。本作はミステリーであると同時に心理劇でもある。人物の矛盾は、二重存在ではなく、葛藤や恐怖の結果である可能性もある。

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第一章完結が意味するもの

『リブート』第5話|鈴木亮平の一人二役対決が生む錯覚…儀堂と一香、二人いる説を検証

次回、真北に捕らえられた早瀬は真犯人と対峙する。そして第一章が完結する。ここで明らかになるのは、おそらく単純な犯人の名前ではないだろう。明かされるのは、入れ替わりの構図そのもの、あるいは誰が誰として生きているのかという核心部分ではないか。

第5話は答えを提示する回ではなかった。むしろ、視聴者がどちらを信じたいかを試す回だったと言える。

結論|嘘は一人のものとは限らない

『リブート』第5話|鈴木亮平の一人二役対決が生む錯覚…儀堂と一香、二人いる説を検証

儀堂の冷静さは疑わしい。

一香の沈黙もまた不穏だ。

しかし最も危ういのは、「どちらかが必ず嘘をついている」と決めつけてしまうことかもしれない。もしかすると二人とも一部は真実を語り、一部は隠している。あるいは、視聴者が前提としている構図自体が誤りなのかもしれない。

鈴木亮平の一人二役が完成度を増せば増すほど、私たちは“見分けられている”気になる。だが本作は、その自信こそを揺さぶってくる。

第一章完結目前。

嘘をついているのは儀堂か、一香か。

それとも、物語に翻弄されている私たちなのか。

次回、錯覚の正体が試される。

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この記事を書いた執筆者・監修者
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ポプバ ドラマ部:佐伯・Pちゃん

脚本家の視点でドラマを深掘る、雑食系オタクライター。
幼少期からドラマと映画が大好きで、物語を追いかけるうちに自然と脚本を書き始め、学生時代からコンクールに応募していた生粋の“ストーリーマニア”。現在はドラマのレビュー・考察・解説を中心に、作品の魅力と課題を両面から掘り下げる記事を執筆しています。
テレビドラマは毎クール全タイトルをチェック。「面白い作品だけを最後まで観る」主義で、つまらなければ途中でドロップアウト。その分、「最後まで観る=本当に推したい」と思える作品だけを、熱を込めて語ります。
漫画・アニメ・映画(邦画・洋画問わず)にも精通し、“ドラマだけでは語れない”背景や演出技法を比較的視点で解説できるのが強み。ストーリーテリング、脚本構造、キャラクター心理の描写など、“つくる側の目線”も織り交ぜたレビューが好評です。
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