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俳優・山田涼介が見せる“逸脱の演技”―新たな挑戦と現在の視点

俳優・山田涼介が見せる“逸脱の演技”―新たな挑戦と現在の視点

Hey! Say! JUMPのメンバーとして音楽活動を続けながら、俳優としても確かな評価を築いてきた山田涼介

繊細な演技と存在感で数々のドラマや映画に出演し、今や「アイドル」という枠を越えた表現者として注目されている。そんな彼が今回挑むのは、フジテレビ系『世にも奇妙な物語35周年SP 秋の特別編』(2025年11月8日放送)での主演――意外にも、シリーズ初出演となる。

 “止まらなければ生きられない”緊迫のデスゲームに挑む

山田が主演を務める新作『止まらなければ生きられないゲーム』は、保証人となった友人の会社が倒産したことで多額の借金を背負う主人公・徳永正夫(山田涼介)の物語。

妻のユノ(柳ゆり菜)にも「借金を抱えたままなら別れる」と告げられ、人生の崖っぷちに追い込まれた徳永のもとに、差出人不明の「だるまさんが転んだ」ゲームへの招待状が届く。最後まで動きを止めなかった者には賞金30億円が与えられるというが――その代償は命。緊迫感と狂気が入り混じる極限のサバイバルが展開される。

本作は、韓国制作会社WEMADとの共同開発作品であり、国際的な映像手法が導入されている点も注目ポイントだ。脚本をJU JIN、演出を土方政人が担当。土方氏は『SUITS/スーツ』『知ってるワイフ』『純愛ディソナンス』『ハイエナ』などで知られ、心理とスピード感を両立させた演出で定評がある。

山田は撮影を振り返り、「『世にも奇妙な物語』の不思議な空気感に飛び込めるのが嬉しかった」とコメント。また、「(徳永は)不憫な男だなぁと思いました。普通の状態のシーンがほとんどなくて、いつもどこか怪我をしているんです(笑)」と語り、極限の役柄に挑む苦労も明かしている。







 “俳優・山田涼介”の深化――枠を越えて進化する表現力

俳優・山田涼介が見せる“逸脱の演技”―新たな挑戦と現在の視点

近年の山田は、作品を重ねるごとに俳優としての幅を広げている。2022年の『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ)では二重人格の青年・浦島エイジを演じ、人間の闇と心の奥底の葛藤を描き切った。

俳優・山田涼介が見せる“逸脱の演技”―新たな挑戦と現在の視点

2023年の『王様に捧ぐ薬指』(TBS)では完璧主義の御曹司・新田東郷役を演じ、クールな表情の裏に人間味を滲ませた。そして今回の『止まらなければ生きられないゲーム』では、“生き延びるために走り続ける男”という極限の人物像に挑む。

彼の演技に共通しているのは、「弱さ」を恐れずに見せる勇気だ。派手さや誇張に頼らず、感情の揺れを丁寧に描くその姿勢は、確実に“俳優・山田涼介”を象徴するものになっている。

 “表現者”としての現在地――挑戦を止めない理由

山田涼介はこれまで多くのインタビューで、「作品ごとに自分の限界を超えたい」と語っている。彼にとって演技は、与えられた役を演じる作業ではなく、自身の内面を掘り下げる“再生のプロセス”でもある。

Hey! Say! JUMPとしての音楽活動と俳優業の両立は容易ではないが、どちらにも全力を注ぐ姿勢が彼の信頼を支えている。グループ活動で培ったリズム感やチームワークが、俳優としての現場にも確実に活かされているのだ。

今回の『世にも奇妙な物語』主演も、その挑戦の延長線上にある。彼が見せる“逸脱の演技”とは、奇抜さではなく「自分の殻を破り続けること」。

その言葉どおり、山田涼介は常に新しい自分を模索し続けている。







35周年の節目に刻む、“常識を超えた存在感”

『世にも奇妙な物語』は1990年の放送開始以来、日本のドラマ文化の中で「常識の外側」を描き続けてきた。ホラー、サスペンス、コメディ、SFなど多様なジャンルを横断し、これまでに577本以上のエピソードが放送されている。そんなシリーズの35周年記念という節目に、山田涼介が主演を務めることには大きな意味がある。

物語の不条理さや緊迫感の中で、彼の「既存イメージに寄らない存在感」が際立つ。共演には柳ゆり菜、渡辺大知といった実力派俳優が揃い、緊張感のある人間ドラマが繰り広げられる。異世界的な設定の中でこそ、山田のリアルな感情表現が光るだろう。

山田涼介の“進化”を支える3つの軸

2025年現在、山田涼介が俳優として際立つ理由は、次の3つに集約できる。

  1. リアリズムの追求
    どんな非現実的な設定でも、彼の演技には“地に足のついた人間らしさ”がある。
  2. 役との距離感の巧さ
    感情移入しすぎず、客観的視点を保つことでキャラクターの輪郭を明確に描く。
  3. 継続的な挑戦心
    ジャンルやメディアを問わず、未知の作品に積極的に飛び込む姿勢を持つ。

『止まらなければ生きられないゲーム』で見せる演技は、その集大成ともいえる。走り続けなければ生きられない男・徳永の姿は、挑戦を止めない山田涼介自身を重ねて見ることもできるだろう。

◆ 放送情報
  • 番組名: 土曜プレミアム『世にも奇妙な物語35周年SP 秋の特別編』
  • 放送日時: 2025年11月8日(土)21:00〜23:10(フジテレビ系)
  • 作品名: 『止まらなければ生きられないゲーム』
  • 出演: 山田涼介(徳永正夫役)、柳ゆり菜(ユノ役)、渡辺大知(稲垣役)
  • 脚本: JU JIN
  • 演出: 土方政人
  • 制作著作: フジテレビ・共同テレビ

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ポプバ ドラマ部:佐伯・Pちゃん

脚本家の視点でドラマを深掘る、雑食系オタクライター。
幼少期からドラマと映画が大好きで、物語を追いかけるうちに自然と脚本を書き始め、学生時代からコンクールに応募していた生粋の“ストーリーマニア”。現在はドラマのレビュー・考察・解説を中心に、作品の魅力と課題を両面から掘り下げる記事を執筆しています。
テレビドラマは毎クール全タイトルをチェック。「面白い作品だけを最後まで観る」主義で、つまらなければ途中でドロップアウト。その分、「最後まで観る=本当に推したい」と思える作品だけを、熱を込めて語ります。
漫画・アニメ・映画(邦画・洋画問わず)にも精通し、“ドラマだけでは語れない”背景や演出技法を比較的視点で解説できるのが強み。ストーリーテリング、脚本構造、キャラクター心理の描写など、“つくる側の目線”も織り交ぜたレビューが好評です。
「このドラマ、どう感じましたか?」を合言葉に、読者の感想や共感にも興味津々。ぜひ一緒にドラマの世界を深堀りしていきましょう!