Hey! Say! JUMPのエース・山田涼介が、満を持してリリースしたソロアルバム『RED』。
2025年4月28日付(4月22日発表)のオリコン週間アルバムランキングで堂々の初登場1位を獲得し、推定売上枚数は114,910枚。その勢いと共に、彼の新たな音楽的挑戦が色鮮やかに詰め込まれた本作を、徹底レビューします!
『RED』が示す山田涼介の"ソロアーティスト"像
デビュー以来、俳優・アイドルと多方面で活躍してきた山田涼介。
そんな彼がソロ名義で発表した『RED』は、単なる"人気者の延長"ではなく、ひとりの表現者としての覚悟と進化を感じさせる内容となっています。
アルバムを一聴して感じるのは、多彩なジャンルを横断しながらも、1本芯の通った世界観。
ポップ、エレクトロ、R&B、ヒップホップ――ジャンルの壁を軽々と飛び越え、瑞々しさとクールさを併せ持った"今の山田涼介"が、ここにいます。
曲ごとの特徴と聴きどころを徹底ガイド
RED
アルバムの扉を開くリード曲。
ドラマチックに展開が変化する構成が特徴で、舞台の幕間を想起させるSEの挿入もユニーク。
直線的なメロディの中に、2分15秒付近で現れるグリッチパートが新鮮なアクセント!
Please! Please! Please!
ブラスとギターが弾ける、陽気なポップチューン。
親しみやすいアレンジと、山田の甘いボーカルが絶妙にマッチしており、聴けば思わず口ずさみたくなる一曲。
Bloomin'
王道アイドルソングの進化系。
ピアノとウィンドチャイムから始まり、ストリングスが流れる美しいバラード調。
シンプルだけど、温かみのあるアレンジが印象的。
CARNIVAL
ダークなのに軽快なエレクトロスウィング。
スウィングジャズのリズム感とエレクトロニックな音作りが融合し、思わず身体が揺れるナンバー。
出ていってよ
エモーショナル全開のJ-POPバラード。
ストリングスをふんだんに使ったアレンジが、楽曲の切なさを際立たせます。
花のように
R&Bテイスト漂う、繊細なバラード。
ファルセット多めのボーカルが、楽曲の柔らかな世界観を一層引き立てます。
VELVET
攻めのサウンドが光る、インダストリアル系トラック。
メタリックなベースラインとビートが重厚感を生み、アルバム中盤からグッとテンションを引き上げます。
HUSTLER
バキバキのヒップホップチューン。
ループするビートに絡むメロディアスなボーカル、そしてブリッジで一気にメロウに転調する展開が絶妙。
snow moon
本作の白眉。
繊細なエレクトロニクスとウィスパーボイスが紡ぐ、静かで力強いバラード。
サビでうねるベースラインが、心にじんわりと響く名曲です。
SWITCH
ジャンルをクロスオーバーする攻め曲。
UKドリル、ジャージークラブ、スピードガラージといった最新ビートを縦横無尽に取り入れ、現代的なボーイズグループサウンドをアップデート。
INTO YOU
爽快感あふれるアップテンポハウス。
軽やかに弾むキックと、キラキラとしたシンセが春風のように心地よい。
SUPER GROOVE(Bonus Track)
アルバムの締めくくりにふさわしい、ファンキーでグルーヴィーな一曲。
最後までリスナーを飽きさせないサービス精神が光ります。
『RED』の魅力を総括すると…
『RED』は、山田涼介が"王道ポップ"と"前衛的サウンド"の両立に本気で挑んだアルバムです。
ポップでキャッチーな曲と、実験精神あふれる楽曲が絶妙なバランスで共存しており、どちらかが浮くこともなく、アルバム全体の流れが非常にスムーズ。
「ファン向けの甘いラブソング」も、「現代のダンサブルサウンド」も、どちらも手抜きなし。
ソロアーティスト・山田涼介の"新たなスタート地点"を象徴する作品といえるでしょう。
山田涼介が『RED』で挑んだ「ジャンルミックス」という冒険
『RED』を聴いていて特に感じるのは、楽曲ごとにまるで違う顔を見せるジャンルミックスの妙です。
J-POPではまだ珍しいUKドリルビートやジャージークラブスタイル、エレクトロスウィングやR&Bバラードなど、挑戦的な試みを自然にアルバムの中に溶け込ませています。
実は、これらのジャンルは世界のポップミュージックシーンでいま非常にホットな流れ。
山田涼介は、単なるトレンド追随ではなく、自分の色に染め上げた上でこれらを取り入れているのが見事です。
また、歌い方にも微妙な変化が見られ、
ラップ寄りのフロウ
ウィスパー気味のバラードボーカル
力強いロック調シャウト
と、1枚のアルバムでここまで"声の表情"を使い分けたアイドルは稀。
『RED』は、山田涼介が音楽面でも真剣勝負をしていることを証明する、まさに"現在地"を刻んだ1作です。
この先、彼がさらにどんな音楽の旅を見せてくれるのか、期待が膨らみます!