
『SAKAMOTO DAYS』を読み始めた人がまず驚くのが、主人公・坂本太郎のビジュアルです。
白髪の丸メガネに柔らかい輪郭、そしてぽってりした体型。バスケットボール漫画『SLAM DUNK』に登場する名監督・安西光義(安西先生)を連想する読者が多いのも頷けます。SNSでも両者を並べて語る投稿がたびたび見られ、「これもう実質安西先生では?」といった反応も散見されます。
では、なぜここまで似ていると話題になるのでしょうか。本当に“パクリ”と言えるのか。それとも単なる偶然なのか。ここでは、両者のデザインや設定を丁寧にたどりながら、その理由を落ち着いて整理していきます。
坂本太郎と安西先生──「似てる」と言われる理由
まずは共通して語られる見た目の印象から考えてみます。どちらも白髪でメガネをかけた、どっしりとした体型の中年男性という大枠のビジュアルを持っています。漫画において、白髪×丸メガネ×ぽっちゃりという組み合わせは“柔らかくて親しみやすい人物像”を作り出しやすく、このシルエットがそのまま読者の記憶に残るため、どうしても重なって見えやすいのです。

さらに、どちらも「かつては伝説的な実力者」という意外性のある背景を持っていることも、印象の一致に拍車をかけています。坂本は“元最強の殺し屋”、安西先生は“元日本代表選手”。現在は落ち着いた雰囲気をまとっているのに、過去には華々しい実績を持つというギャップが、同じ構造で描かれているのです。穏やかに微笑む見た目と、実は筋金入りの実力者という落差。この図式を共有しているため、「似ている」という印象がさらに強くなるのでしょう。
似ているけれど、本質はまったく別のキャラクター
ただし、この二人を物語の中でどう扱うのかを見ていくと、似ているのは“入り口”だけだと分かります。
坂本太郎は作品の中心となる主人公で、家族を守るために再び銃火の世界へ身を投じる存在です。普段は穏やかで控えめな雰囲気を漂わせながらも、戦闘が始まると驚くほど俊敏なスリム体型へ切り替わり、圧倒的な技量で敵を翻弄していきます。この「戦闘時だけ姿が変わる」という大胆なギミックは坂本の個性そのものであり、アクション作品ならではの魅力でもあります。

一方、安西先生は物語を前へ動かす“主役”ではなく、選手たちを支え鼓舞する“指導者”です。どっしりと構えた佇まいから静かな説得力を発し、言葉少なながらも心に残る助言で選手の背中を押していく。プレイヤーではなくチーム全体の舵取りを担う存在として描かれ、その立ち位置が坂本とは決定的に異なります。
性格面においても、坂本は家族思いで行動力のある人物として描かれ、戦闘シーンでは状況判断の速さや大胆な選択が際立ちます。一方で安西先生は、部員を温かく包み込む懐の深さが特徴で、積極的に前へ出るタイプではありません。こうして物語の役割・描かれ方・存在感を比較すると、両者が“似ているのはあくまで外見の印象だけ”だと見えてきます。
「パクリ疑惑」は成立するのか?冷静に見える線引き
外見の印象が近いキャラクター同士を並べて語る文化は、ネット時代ではごく一般的になりました。とはいえ、それが“パクリ”と呼べるかどうかはまた別問題です。
パクリと断言するためには、デザインの構造・設定・物語上の役割、そして作者の発言といった複数の要素を並べて検証する必要があります。しかし現状、作者が安西先生を意識したという発言は確認されておらず、物語の構造もキャラクターとしての立ち位置も大きく異なっています。外見以外の部分に共通した意図を示す材料はなく、作品全体の性質を見ても、似たキャラクターを“そのまま流用した”と評価するには根拠が乏しいと言えるでしょう。
むしろ、白髪の丸メガネや柔らかい表情といった要素は、漫画やアニメにおける“親しみやすい中年男性”の一つの型として広く使われるパーツです。こうしたキャラデザインの“アーキタイプ”を共有しているがゆえに、似て見えるだけ、という整理のほうが自然です。
似ているからこそ生きる、坂本太郎の魅力
興味深いのは、ビジュアルが安西先生を連想させることで、読者が坂本太郎に抱く先入観が変わる点です。白髪で丸メガネのぽっちゃりした中年男性となると、多くの人は“温厚で無害そうなおじさん”を想像します。しかし坂本太郎はそのイメージをいい意味で裏切り、圧倒的な戦闘力を持つ“元伝説の殺し屋”として躍動します。このギャップが読者の興味を引き、作品の魅力につながっているのです。
だからこそ、安西先生を知っている人が坂本太郎を見ると「似てる!」という親しみとともに、「でも中身はまったく違う」と気づいた瞬間に作品の面白さが跳ね上がる。キャラデザインの共通点は、むしろ作品への入りやすさを生んでいるとも言えるでしょう。
まとめ:似て見えるけれど、パクリとは言えない

『SAKAMOTO DAYS』の坂本太郎と『SLAM DUNK』の安西先生は、確かに一目見ると似ています。しかし、役割や設定、人物としてのテーマまで含めて比較すると、共通しているのは“外見の印象”の一部に過ぎません。物語の核となる部分はまったく別物で、キャラクターとしての創造性も十分に保たれています。
つまり結論として、「似て見えるが、パクリと断じるのは誤り」というのがもっとも妥当なラインでしょう。むしろ、その似ている印象を逆手に取ったギャップ演出こそが、坂本太郎の魅力を際立たせています。
サカモトデイズの坂本太郎は安西先生に似てる?“パクリ疑惑”をデザイン・設定から分析
『SAKAMOTO DAYS』を読み始めた人がまず驚くのが、主人公・坂本太郎のビジュアルです。 白髪の丸メガネに柔らかい輪郭、そしてぽってりした体型。バスケットボール漫画『SLAM DUNK』に登場する名監督・安西光義(安西先生)を連想する読者が多いのも頷けます。SNSでも両者を並べて語る投稿がたびたび見られ、「これもう実質安西先生では?」といった反応も散見されます。 では、なぜここまで似ていると話題になるのでしょうか。本当に“パクリ”と言えるのか。それとも単なる偶然なのか。ここでは、両者のデザインや設定 ...
目黒蓮という二面のヒーロー 役者・アイドルの枠を超えて挑む“SAKAMOTO DAYS”とこれから
「Snow Manの目黒蓮が演技で魅せる時代」が、確実に到来している。 2026年GWに公開予定の映画『SAKAMOTO DAYS』で主演を務める目黒蓮。これまで数々のヒット作で見せてきた繊細な演技力、誠実な表現、そして真摯な姿勢を武器に、今回はまったく新しいジャンル――アクション×コメディ×ハートフルという複合的な世界に足を踏み入れる。 アイドルと俳優、その2つの顔を自在に行き来しながら進化を遂げてきた目黒が、今度は「1人で二役に近い演技」とも言える、難役・坂本太郎に挑む。 ■ 俳優・目黒蓮の現在地|“ ...
「サカモトデイズ」上終(かみはて)の正体に迫る!性別は?素顔は美少女?スナイパー最強伝説
「サカモトデイズ」に登場する上終(かみはて)は、主人公・坂本にも劣らぬ実力を持つ、謎多きスナイパー。彼(あるいは彼女)の正体を知りたくてモヤモヤしている読者も多いのでは? 本記事では、上終のプロフィールから性別に関する考察、驚異的な狙撃能力まで徹底分析。さらに、素顔にまつわるヒントも拾いながら、読者の疑問に深掘りで答えていきます! 上終(かみはて)とは?プロフィール&人物像 項目 内容 所属 ORDER(殺連最強の殺し屋集団) 役割 スナイパー 誕生日 12月31日 趣味 お天気お姉さんを見ること 好きな ...















