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柴田ケイコ「焦らなくていい」–『パンどろぼう』最新作から見える子育ての本質

柴田ケイコ「焦らなくていい」–『パンどろぼう』最新作から見える子育ての本質

赤ちゃんの成長には安心が大切――。絵本作家・柴田ケイコさんが“令和で最も売れている児童書”『パンどろぼう』シリーズ最新刊の制作現場から、「子育ては焦らなくていい」というメッセージを静かに、しっかりと発信しています。

🧩 『パンどろぼう』最新作の裏側と、子育てへの想い

6月29日に放送された『情熱大陸』では、柴田さんが高知県の自宅で次々とアイデアを紡ぐ姿が映し出されました。シリーズ累計450万部突破──にもかかわらず、制作現場では常に「もっとおもしろく、もっと楽しく」と自問自答の連続です

過去の創作の原点には、「メガネを嫌いになってほしくない」という長男への強い思いから生まれたデビュー作『めがねこ』がありました。そこから「欠点を無理に直すのではなく、持ち味を伸ばす」という子育て観は変わらずに続いています

📚 子育てに効く!「焦らなくていい」という絵本の力

柴田さんは、『パンどろぼう』に込めた親へのメッセージをこう語ります。

「子育ては焦らなくていい。子どもにはつまづきもあるし、嫌な経験もあるかもしれないけれど、それも成長の一部。そのままでいいんだよ」

「焦らず」「そのままでいい」と肯定されるだけで、頑張りすぎている親や子どもの心はすっと軽くなりますよね。ストーリーやユーモア、イラストの温かさに両親が癒される構成は計算されているかのようです。

✏️ 締め切りプレッシャーとの共存と「楽しむ」姿勢

放送時の柴田さんは、少し疲れた表情ながらも、「これからどうなるんでしょう」と苦笑い。それでも「絵本を作るのはつらいこともあるけど、まず自分が楽しむことが大事」と前向きに語っていました

「締め切り3年先までびっしり」の現実の中でも、自分自身の幸福を大切にする姿勢が、結果的に子どもにも通じるのです。

🏔️ 自然とパートナーが支える感性と体力

高知の山あいに暮らす柴田さん。週末はご主人と山登りをしながら「作家に最も大切なのは体力」と話します。ご主人は仕事を辞め、経理として柴田さんを全面サポートしています

“家族の支え”と“自然への回帰”が創作エネルギーの源──そんなライフスタイルもまた、心の余裕を子育てに反映させる大切な要素です。

💡 新シリーズ『わすれぽんたくん』に込めた「許される失敗」

現在、柴田さんは“忘れ物ばかりする小学1年生”が主人公の新作、『わすれぽんたくん』を執筆中。そのテーマは、「忘れ物しても大丈夫」「困った経験も面白くなる」―–そんな、失敗を肯定する物語です

“忘れ物”から始まる冒険を通じて、子どもたちに「失敗してもリスタートできる力」を育んでもらう狙いが感じられますね。

📖 絵本がもたらす親子の絆と心の育み

柴田ケイコ「焦らなくていい」–『パンどろぼう』最新作から見える子育ての本質

絵本は単なる読み物ではありません。特に『パンどろぼう』や柴田ケイコさんの作品に見られるような、“子どもも大人も笑って泣ける”物語は、親子の関係性を優しく結び直すツールとして大きな力を持っています。

たとえば、子どもが忘れ物をして落ち込んでいるとき、親は「次から気をつけようね」と諭すだけでなく、『わすれぽんたくん』のような絵本を一緒に読むことで、「忘れ物だって冒険の始まりになるかもね」と視点を変えられる。感情を共有しながら育つという体験ができるのです。

また、柴田さんが日々感じている「締め切りとの戦い」と「子育てのプレッシャー」は、根っこの部分でとてもよく似ています。どちらも“うまくいかないことが前提”でありながら、どう楽しむかがすべて。だからこそ、彼女の絵本には「うまくいかなくていい」と肩をなで下ろしてくれる言葉が詰まっています。

さらに、自然に囲まれた高知の暮らしと山登りという習慣も重要な要素です。自然の中でリズムを整える生活は、感性を豊かにし、感情の余白を作ってくれる。それが創作にも、子育てにも好影響を与えているのでしょう。

子育てに「正解」はありません。でも、絵本の中には「安心して失敗できる世界」が確かに存在しています。柴田ケイコさんの絵本は、そんな“やさしい失敗の許容空間”として、これからも多くの親子の心に届いていくことでしょう。

🧭 まとめ:柴田ケイコのメッセージが示す、子育てと創作の共通点

  • 絵本『パンどろぼう』は、子どもだけでなく親をも励ます“応援メッセージ”を含んでいる

  • 柴田さん自身が「焦らず楽しむ」ことを大切にし、作品にその哲学を込めている

  • 新作『わすれぽんたくん』は、「失敗してもいい」と子どもに伝える前向きな物語

  • 自然と家族に支えられた創作スタイルが、作品にも人生にも心の余裕をもたらしている

  • 子育てに疲れたときは、絵本の中の“ゆるさ”に救われることがある

この記事を書いた編集者
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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

映画・ドラマ・アニメ・漫画・音楽といったエンタメジャンルを中心に、レビュー・考察・ランキング・まとめ記事などを幅広く執筆するライター/編集者。ジャンル横断的な知識と経験を活かし、トレンド性・読みやすさ・SEO適性を兼ね備えた構成力に定評があります。 特に、作品の魅力や制作者の意図を的確に言語化し、情報としても感情としても読者に届くコンテンツ作りに力を入れており、読後に“発見”や“納得”を残せる文章を目指しています。ポプバ運営の中核を担っており、コンテンツ企画・記事構成・SNS発信・収益導線まで一貫したメディア視点での執筆を担当。 読者が「この作品を観てみたい」「読んでよかった」と思えるような文章を、ジャンルを問わず丁寧に届けることを大切にしています。

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