男性アイドルグループ「Travis Japan」のメンバーとして知られる七五三掛龍也(しめかけ・たつや)。その繊細な魅力と天然キャラで人気を集めてきた彼が、今、俳優としての新たなステージに立っている。
2025年夏に配信された話題作『私の夫と結婚して』での出演を通じ、俳優としての成長と、未来へのビジョンが改めて注目されている。
■ 注目作で描く「癒しの存在」:俳優としての表現力に新たな光
今回、七五三掛が出演したのは、日本と韓国の制作陣が共同で手掛けたドラマ『私の夫と結婚して』。原作は韓国で話題を呼んだウェブ小説で、日本版は完全オリジナル脚本に基づいて再構成された作品だ。
彼が演じたのは、主人公の前に現れる穏やかなカフェオーナーという役どころ。劇中では復讐と再生をテーマにした重厚なストーリーの中で、観る者に癒しと安心をもたらす存在として物語のバランスを担っている。
七五三掛自身も料理に関心が深く、情報番組でのレギュラーコーナー出演をきっかけに、役柄と自身のライフスタイルが重なる場面も見られる。演技にとどまらず、「生活者としての人間味」を滲ませる自然体の演技が、多くの視聴者に印象を残している。
■ 俳優・佐藤健との初共演がもたらした刺激と影響
本作では、実力派俳優・佐藤健との共演も話題に。佐藤が演じるのは、主人公の人生に深く関わるキーパーソンであり、強さと優しさを併せ持つ複雑な人物だ。
七五三掛は今回の撮影を通して、目の前で繰り広げられる“本物の芝居”に触れる機会を得た。その空気感や佇まい、微細な感情の表現に大きな衝撃を受けたという。
共演を通じて学んだのは、演技力そのものだけではない。役者として現場に立つ際の所作、言葉ではない“空気の届け方”といった、画面越しには伝わりづらい深層の技術。七五三掛の俳優としての進化において、今回の経験は確実にターニングポイントとなった。
■ 「かっこよさ」を年齢に応じてアップデートしていきたい
30歳を迎えた七五三掛が語ったのは、“10年後の自分”についてのビジョン。目指すのは、年齢にとらわれない「洗練されたかっこよさ」だ。
憧れの存在として名前を挙げたのが、佐藤健、そして山下智久。両者ともに、俳優・アーティストとして成熟しながらも、若々しさや柔らかさを兼ね備えた存在として支持され続けている。
外見や立ち振る舞いだけではなく、その時々の価値観や生き方まで含めて、自分なりの“理想の男性像”を築いていくという思いが伝わってくる。
■ Travis Japanとしての歩みも止めない―“10年後より、10年間を大切に”
俳優としての成長に目を向けながらも、彼の軸にあるのはやはり「Travis Japan」の一員であるという自覚だ。
グループとしての活動も再び7人での体制が整い、全国ツアーも開催されるなど精力的な動きが続いている。目標は10年後よりも“その10年間の積み重ね”にあるという。
一見ふわっとした雰囲気をまとう彼だが、グループに対する思いと展望には、しっかりとした信念が宿っている。
■ “役者・七五三掛龍也”が持つ独自の可能性とは?
アイドルという枠にとどまらず、舞台やドラマなど多様なフィールドで輝きを増す七五三掛龍也。彼の演技には、「魅せる」というより「寄り添う」空気がある。
近年のドラマ界では、派手な演出や強い感情表現よりも、“静かに惹きつける役者”が求められる傾向がある。その意味で、七五三掛のもつ柔らかさや優しい目線は、今後ますます重宝されるだろう。
また、共演者との関係性においても、彼は常に周囲との調和を意識するバランサーの役割を果たしている。それはアイドルグループでの活動に通じるチームマインドでもあり、俳優業においても強力な武器になる。
今後、シリアスな人間ドラマからヒューマンコメディ、あるいはドキュメンタリータッチの作品など、幅広いジャンルでの出演が期待される。そのすべてにおいて、“その場の空気を和らげ、物語に溶け込む存在”として、彼の存在感は一層際立っていくだろう。