3ピースロックバンド・SHISHAMOが、2026年6月13日と14日に神奈川県・等々力陸上競技場で開催するワンマンライブをもって活動を終了することを発表しました。
この知らせは2025年9月27日に行われた東京・Zepp Haneda(TOKYO)でのライブ中にファンへ直接伝えられ、会場は大きな驚きと感情に包まれました。
現在の活動とメンバーの状況
SHISHAMOは、
- 宮崎朝子(Vo/Gt)
- 松岡彩(Ba)
- 吉川美冴貴(Dr)
の3人によるバンド。2025年2月から吉川が体調不良のため休養に入り、現在はサポートドラマーを迎えてライブ活動を継続しています。
この春以降も各地のライブやフェスに出演し、Zepp Haneda公演では「残暑お見舞い申し上げます!!!」と題したワンマンを実施。サポート体制ながらもバンドらしい一体感を保ち、ファンとの時間を大切にし続けています。
活動終了に至った経緯
2024年の初夏、松岡彩から「これからの自分とSHISHAMO」について話し合いが持たれました。メンバー全員で未来を考える中で、
「SHISHAMOを最も美しい形で完結させたい」
という思いが強まり、活動終了という決断に至ったと明かしています。
メンバーは公式コメントで「SHISHAMOは言葉にできないほど大切な存在」「この3人のSHISHAMOが大好き」と語り、バンドへの深い愛情と責任感をにじませました。
等々力ラストライブ「SHISHAMO THE FINAL!!!」
SHISHAMOが最後の舞台に選んだのは、結成の地・川崎市にあるUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)。
実はこの会場、過去に2度も公演が予定されながら台風や新型コロナの影響で中止となった“幻の場所”でした。
悲願のステージを果たす場所としてふさわしい舞台で、彼女たちはバンドの歴史に幕を下ろします。
- DAY1(6月13日):THANKS DAY
- DAY2(6月14日):GOODBYE DAY
と題され、両日で異なる演出が予定されています。
チケットはファンクラブ「しゃもサポ」および公式サイトで先行受付中。2日通し券にはメモリアルグッズ付きの特別仕様も用意されています。
SHISHAMOのこれまでの歩み
2010年、川崎市の高校軽音楽部で結成。2013年11月に1stアルバム『SHISHAMO』をリリースし、本格的にメジャーシーンへ。
2017年:NHK紅白歌合戦初出場
2023年:CDデビュー10周年記念公演(日本武道館・大阪城ホール・ぴあアリーナMM)
台湾・韓国での海外公演にも挑戦
と、国内外で確かな実績を重ねてきました。
等身大の歌詞とストレートなロックサウンドは世代を超えて共感を呼び、青春を彩る楽曲として多くの人の記憶に残っています。
ファンに届けたメッセージ
公式コメントでは、ファンへの感謝と共に「等々力で最高に楽しい最期の日にしたい」と強調。
「一緒に泣いて、笑って、最高の思い出を作りましょう」と呼びかける姿は、最後までバンドとファンの距離が近い存在であり続けることを示しています。
SHISHAMOが残したものとは
SHISHAMOの歩みを振り返ると、その存在は単なる「ガールズロックバンド」という枠を超えていました。
彼女たちの音楽は、失恋や友情、日常のささいな感情を鮮やかにすくい取り、多くの人の“青春のBGM”となってきました。ライブでは観客を巻き込むエネルギーにあふれ、特に宮崎朝子のまっすぐな歌声は世代や国境を越えて心を動かしました。
また、SHISHAMOの軌跡には「バンドを続けるとは何か」という問いも込められています。体調不良や環境の変化など困難があっても、サポート体制を組んで活動を続け、最後には自らの意思で完結を選んだ姿勢は、多くの後輩バンドや音楽ファンにとって強いメッセージとなるでしょう。
等々力でのラストライブは、単に一つのバンドの解散公演ではなく、16年間の青春と挑戦の集大成。
ファンにとっては「終わり」ではなく、これからの人生の中でSHISHAMOの音楽が息づいていく「新しい始まり」とも言えるはずです。