少年忍者に走った動揺、小田将聖の退所が意味するもの
2024年4月16日、STARTO ENTERTAINMENTは、ジュニア内人気グループ「少年忍者」のメンバー、小田将聖が4月末をもって退所することを発表した。ファンにとっては突然の報せ。しかも理由は「学業専念」という、芸能活動の継続を望む人々にとって複雑な思いを抱かせるものだった。
小田は2018年、まだ小学生だった頃に旧ジャニーズへ入所。多くのメンバーと共にグループ活動を支えてきた。彼の退所は単なる“ひとりの卒業”にとどまらず、グループ全体に波紋を広げている。というのも、2022年に平塚翔馬が脱退し、2024年初頭には深田竜生、稲葉通陽、川崎星輝、鈴木悠仁の4名がそれぞれ新設グループへと移籍。少年忍者は、すでに大きな再編の渦中にあるからだ。
こうした動きの中での小田の退所は、偶然では済まされない。ファンの間では「これは序章に過ぎないのでは?」という懸念が広がった。
織山尚大の“意味深な言葉”が呼び起こした解体の不安
事態をさらに深刻に感じさせたのが、メンバーの織山尚大によるブログ投稿だった。4月8日に更新されたその記事では、過去のパフォーマンスを振り返りながら、「最近はメンバーになかなか会えず」「今後、みんなはどうやって輝いていくか楽しみ」といった、どこか“別れ”を匂わせるような表現が並んでいた。
明確な発言こそなかったが、その文章の行間からは「今の少年忍者がこのまま続くのだろうか?」という問いかけすら感じられた。
SNSでは即座に「解体を示唆してる?」「このブログ、怖すぎる」といった声が飛び交い、“不穏ブログ”として拡散。織山の発言が火種となり、「グループ解体説」は一気に加速していった。
突然のブログ仕様変更…「何かが起きている」と囁かれた理由
そんな中、追い打ちをかけるように起きたのが、公式サイト「FAMILY CLUB web」の仕様変更である。
4月21日にサイトがリニューアルされた際、他グループのブログが一覧で見られる中、少年忍者のページには「該当するコンテンツがありません」という表示が。旧ブログページは残されていたものの、他グループとは異なる扱いにファンの間で不安が広がった。
さらに、「忍びの定期更新」として続いていたブログ更新も、4月19日までに全員の分が終了。何か大きな区切りを迎えたのではないか、という“解体フラグ”を感じ取る声が相次いだ。
川崎皇輝の一手が変えた空気感──「定期更新化」の裏にある意図
そんな騒然とした空気を一変させたのが、4月21日夜、グループのリーダー・川崎皇輝によるブログ更新だった。
彼はブログで、今後は「全員が週1で必ずブログを更新する」と新たな方針を発表。さらに、これまで原則数日間だった公開期間も「1年間」に延長されるという。この突然の制度変更に、ファンからは安堵の声が上がった。
“解体に向けての整理”ではなく、“継続するための再設計”。そのように受け止めた人も多い。とくに川崎の誠実な文章は、多くのファンの不安を和らげ、「少年忍者はまだ終わらない」と確信を持たせるに十分だった。
ファンの声から見えてきた“本当の懸念”と少年忍者のこれから
今回の一連の動きで、ファンの間に浮かび上がったのは、「グループそのものがどうこうというより、“少年忍者”という名前が続くかどうか」に対する懸念だった。
人数の多さゆえに柔軟に再編が可能だった少年忍者。しかし、同時に「誰かがいなくなっても仕方ない」という空気が一部にあったのも事実。織山の言葉が刺さったのは、ファン自身がその不安を心の奥底で感じていたからだ。
だが今回、川崎が「ブログという日常的な接点を全員で守る」と宣言したことで、“続けていく意思”がはっきりと見えた。それは、解体ではなく“再構築”のはじまりなのかもしれない。
少年忍者は解体するのか、それとも再構築の途上か?
少年忍者の今後は、完全に白紙ではない。小田の退所は一つの節目であり、織山の発言もまたグループを見つめ直す契機となった。
グループの“形”が変わっていくことは避けられないとしても、“魂”が残るかぎり、ファンはその灯を守り続けるだろう。そして、それに応えるようにリーダーが動き、体制を整えていく様子も見えてきた。
つまり今は、「終わり」ではなく「模索」の途中。少年忍者は、変化の中で次なるステージを目指している最中だ。
【関連考察】STARTOのジュニア戦略と少年忍者の立ち位置
近年、STARTO ENTERTAINMENTはジュニア層の再編を積極的に進めている。その象徴が、2024年2月に発表された新グループ「ACEes」「KEY TO LIT」「B&ZAI」の誕生だ。
少年忍者から複数名がそれぞれに移籍したことから、「少年忍者解体→新グループへ分散」という見方もある。だが、ここで注目すべきは川崎皇輝のブログ施策と、それを受けたファンの反応だ。
企業としての戦略とは別に、「少年忍者」という名前とその文化を守ろうとする“内部の意思”が明確に存在している。つまり、完全な“企業主導のリストラ”ではなく、ある種の“選別と再定義”の段階にあるのだ。
また、近年のファンカルチャーは「箱推し」から「個人応援」へと移行しつつある。その中で、「少年忍者」という大所帯グループのあり方が再考されるのも自然な流れといえるだろう。
だからこそ、今は「解体」とも「維持」とも言えない“狭間”にある状態。
それをどう受け止め、どう応援するかは、ファンとメンバー、双方の“関係性の進化”にかかっている。