
俳優としてもアーティストとしても確かな存在感を放ち続ける北村匠海。
DISH//のフロントマンとして音楽活動を続ける一方で、映画やドラマでも繊細な演技を重ねてきた。
今では“二刀流の表現者”として、幅広い世代から支持を集めている。そんな北村が、自らの原点とこれからの生き方を語った。そこには、かつて抱えていたコンプレックスと、それを糧に歩み続けてきた軌跡があった。
原点は“できなかった”ことから始まった
北村匠海は1997年11月3日、東京都で生まれた。小学生の頃から芸能活動を始め、俳優としてキャリアをスタートさせた。とはいえ、順風満帆ではなかったという。オーディションに落ちることも多く、子どもながらに悔しさを味わう日々が続いた。それでも舞台に立ちたいという思いだけは途切れず、少しずつ経験を積み重ねていった。
中学から高校にかけて、彼はDISH//としての活動を始める。当初のDISH//は“ダンスロック エアーバンド”と呼ばれ、楽器を持ちながらパフォーマンスを行うスタイルだった。北村は「バンドなのに楽器が弾けない」という事実に強いコンプレックスを抱き、自分が本当にアーティストと呼べるのか悩んでいたという。その葛藤が、のちに彼の成長の原動力になっていく。
高校後半になると、「本物のバンドとして音楽を届けたい」という意識が芽生えた。ギターを練習し、音楽理論を学びながら、少しずつ自分たちの音を作り上げていった。代表曲「猫」はYouTubeの「THE FIRST TAKE」で2億回を超える再生数を記録し、DISH//は2021年のNHK「紅白歌合戦」にも出演。バンドにとって大きな転機となった。北村にとって“弾けなかったギター”は、今や“自分を表現する手段”へと変わっている。
俳優として積み重ねた“静かな強さ”

俳優としての北村は、映画「君の膵臓をたべたい」で一躍注目を集めた。その後も「東京リベンジャーズ」などの話題作で重要な役を演じ、柔らかい感情表現と確かな存在感で観る者を惹きつけている。彼はかつて「泣く芝居が苦手だった」と語ったことがあるが、そうした苦手意識を克服しながら一つひとつの役に向き合ってきた。
2025年には、NHK連続テレビ小説『あんぱん』でヒロイン・朝田のぶの夫・柳井嵩を演じている。穏やかで誠実な人物像を丁寧に描き出し、視聴者の心をつかんだ。撮影を振り返るインタビューでは「現場が楽しくて仕方なかった」と語り、俳優という仕事への真摯さと喜びをにじませた。
さらに、北村は短編映画『世界征服やめた』で監督デビューを果たした。カメラの前だけでなく、作品を“つくる側”としても挑戦の幅を広げている。音楽・演技・監督――そのどれもが彼にとって「自分の言葉で何かを伝える」ための手段なのだ。
コンプレックスを力に変えるという生き方
北村匠海の発言の中で、印象的なものがある。「僕は地味だから」という一言だ。
派手さよりも誠実さを、速さよりも確実さを大切にする姿勢。その言葉には、自分を大きく見せず、地に足をつけて歩み続けたいという意思が込められている。10代の頃は「完璧でありたい」と焦りを抱くこともあったが、今では「完璧じゃない部分も自分らしい」と受け入れられるようになったという。
“できなかったこと”を隠すのではなく、糧として抱きしめる。北村の歩みは、その誠実さの積み重ねで形づくられてきた。彼の演技や歌には、華やかさよりも、静かに沁みる“本音”がある。完璧でなくていい。そう語るように、彼は等身大のまま進んでいく。
27歳、二刀流の現在地

2025年10月時点で27歳の北村匠海は、俳優・アーティストの両面で精力的に活動している。DISH//では新たな音楽づくりに挑み、ライブではファンとの距離を大切にしながら等身大の表現を続けている。俳優業でも、年齢とともに役の深みが増し、繊細な人間描写に磨きがかかっている。
音楽と演技。どちらも北村にとって“自分を表現する方法”であり、優劣の関係ではない。彼にとってそれらは互いに響き合う二つの翼のような存在だ。そのバランスの取り方こそが、北村匠海という人物の核心にある。
“地味さ”が導く未来へ
北村匠海は、常に「今、この瞬間をどう生きるか」を問い続けている。かつてのコンプレックスや悔しさを糧にし、それを作品へと昇華させてきた。どんなに注目されても、彼は“原点を忘れない”ことを自分に課している。
“バンドなのに楽器が弾けなかった”少年は、いまやギターを手に、自分の声で人の心を動かすアーティストとなった。
その歌声と表情には、彼が積み重ねてきた時間が刻まれている。完璧ではないからこそ、彼は強い。静かな誠実さと確かな覚悟で、北村匠海はこれからも自分の道を歩み続ける。
俳優・アーティスト二刀流の現在地―北村匠海が明かす10代の葛藤とこれから
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