
『映画 すみっコぐらし』シリーズ第4弾として公開された
『すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』 は、雨続きのすみっコの町に現れた“空の王国”の住人たちとの出会いを軸に展開する冒険ファンタジーです。
本作は「やさしさ」「一緒に進むこと」「自分のできる一歩」という、すみっコシリーズらしい温かさを持った作品。
子ども向けの世界観でありながら、大人でも共感できるドラマが随所に織り込まれています。
作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ |
| 公開日 | 2025年10月31日 |
| 監督 | イワタナオミ |
| 脚本 | 角田貴志(ヨーロッパ企画) |
| ナレーション | 井ノ原快彦/本上まなみ |
| 主題歌 | 木村カエラ「君の傘」 |
| 制作 | ファンワークス |
| 配給 | アスミック・エース |
| 原作 | サンエックス |
| シリーズ | 劇場版第4弾 |
あらすじ(ネタバレなし)
すみっコの町は雨が続き、少し元気のない日々。
そんな中、空から“なにか”が落ちてくるところをすみっコたちが発見します。
そこにいたのは、空の王国からやってきた〈おうじ〉と〈おつきのコ〉。
彼らが暮らす空の王国では、水が不足しており、国の暮らしに影響が出始めているとのこと。
事情を聞いたすみっコたちは、彼らと共に空の王国へ向かうことに。
雲の上に広がる空の世界で、すみっコたちは“水の問題”の謎に近づいていきます。
『すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』興行収入・動員数
| 期間 | 興行収入 | 動員数 |
|---|---|---|
| 公開25日間 | 5億2825万2970円 | 42万4173人 |
| 公開17日間 | 4億4475万4030円 | 35万7424人 |
| 公開10日間 | 3億6415万6140円 | 29万4085人 |
| 公開4日間 | 2億5345万3580円 | 20万7661人 |
| 公開3日間 | 1億8400万円 | 15万人 |
初動3日間で動員15万人・興収1.8億円を突破し、その後も安定して数字を伸ばしている形。
シリーズ4作目として、固定ファンにしっかり届いていることがわかります。
ネタバレあり|結末解説・テーマ考察
ここから先は、映画の重要な展開やラストについて触れます。
未見の方はご注意ください。
● 空の王国の問題:水不足
空の王国は深刻な水不足に直面しており、その理由を探ることが物語の軸になります。
“水”は王国の暮らしに直結する重要な要素として描かれ、住人たちの生活にも影響が出始めています。
● おうじとおつきのコの関係
- おうじは空の王国を思い、国を救うために奔走している存在
- おつきのコは、そのそばで静かに支え続ける相棒のような立ち位置
という“支える/支えられる”関係が描かれています。
物語が進むにつれ、互いに本音を伝えられるようになる様子が印象的です。
※“不完全な存在”などの設定は公式発表されていないため、一切記述しません。
● みずのしんでんへ向かう
水の問題の原因と解決の糸口があるとされる場所が「みずのしんでん」。
ここへ向かう過程で、すみっコたちの個性が活かされつつ、場面ごとの細かな気づきが物語を前に進めます。
● クライマックスとラスト
物語の終盤では、水不足にまつわる仕組みが明らかになり、
おうじ・おつきのコ・すみっコたちの行動が、王国全体に影響を及ぼしていきます。
- おうじは、自分ひとりで抱えこまず周囲と協力する姿勢を持ち始める
- すみっコたちは自分たちなりのやり方で手助けをする
- 王国の光景にも変化が訪れる
という“描かれた事実”を整理すると、
本作は 「一緒に歩くこと」「支え合うこと」 がテーマの中心にあるように見えます。
見どころ3選

① 空の王国の世界観と美術
- 雲の上の王国
- 水・光・雲の色彩
- みずのしんでんの神秘的な雰囲気
など、美術のクオリティが非常に高いのが特徴。
“雨のすみっコタウン”とのコントラストが映画としてわかりやすく、視覚的に楽しめる構成になっています。
② おうじとおつきのコの距離感
2人の関係は、序盤のぎこちなさから、終盤の“並んで歩く姿”へと変わっていく過程が丁寧に描写されています。
相手を思いやりすぎて言えなかった気持ちが、すれ違いを生んでいたという点は、多くの観客が理解しやすい部分です。
③ エンドロールと主題歌「君の傘」
木村カエラの「君の傘」は、
“弱い部分があっても寄り添い合える”という映画の流れと自然に重なる楽曲。
映画のラストシーンからエンドロールへのつながりは、心情をすっと落ち着かせる効果があります。
木村カエラ コメント

すみっコぐらしのキャラクターたちは、それぞれに小さなコンプレックスや悩みを抱えていて、恥ずかしがり屋だったり、自分に自信がなかったり、周りと比べて落ち込んでしまったり。でも、そんな自分を受け入れてくれる仲間がそばにいるからこそ、一歩ずつ前に進むことができます。
今回の主題歌「君の傘」には、「弱さや迷いがあっても大丈夫。仲間と一緒なら、どんな気持ちも乗り越えていける」という想いを込めました。
聴いてくださる方が、すみっコたちのように“そのままの自分”を大切にしながら、少し勇気を持てるような曲になれば嬉しいです。
評価・口コミまとめ
※ここは、公開後の一般的な受け止め方を整理した「傾向」です。個別の声を代表するものではありません。
● ポジティブ(よくある傾向)
- “友情や支え合い”が丁寧で泣ける
- 雲の上の世界観がとても美しい
- 新キャラ2人の物語が良かった
- 子どもでも大人でも楽しめる構成
● ネガティブ(起こりやすい意見)
- テーマがやや抽象的で、子どもには難しい部分もある
- ゲストキャラのドラマが中心で、すみっコの出番が少なく感じる人もいる
- シリアス寄りの展開が合わない人もいる
まとめ
- 『すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』は、シリーズ第4弾として“友情”と“支え合い”を正面から描いた作品。
- 雨のすみっコタウンと、水不足に悩む空の王国という舞台の対比が視覚的にも楽しい。
- おうじ&おつきのコの関係性が、子どもには分かりやすい友情物語として、大人にはリアルな人間関係のドラマとして響く。
- 木村カエラ「君の傘」が、物語のメッセージを優しく受け止めてくれるエンディングに。
“かわいいだけ”では終わらない、
でも決して説教くさくもならない、その絶妙なバランスは健在。
すみっコシリーズが好きな人はもちろん、
「最近ちょっとがんばりすぎてるかも」と感じている大人にもおすすめできる、優しい一本です。

