ドラマ 芸能

上田竜也、“セックスゼロ夫”で見せる新境地──アラサーの愛と性に挑む最新ドラマの裏側

上田竜也、“セックスゼロ夫”で見せる新境地──アラサーの愛と性に挑む最新ドラマの裏側

2026年1月7日深夜、テレビ東京系ドラマNEXT枠でスタートする「聖ラブサバイバーズ」。

主演を務める石井杏奈の“推しバンドマン夫”として出演するのが、元KAT-TUNで現在はソロアーティスト兼俳優として活動する上田竜也だ。

原作は、恋愛・結婚・セックスへの悩みをポップに描いたラブコメディ。「推しのベーシストと結婚したのに、結婚式当日に“フィジカルなし”を宣言される」という衝撃的な展開から物語が始まる。上田が演じるのは、主人公ハルの恋慕と憧れをすべて背負うバンドマン・王子和弘。華やかなビジュアルと人懐っこさを備えながら、どこか不器用で距離の掴めない“セックスゼロ夫”という難役だ。







元KAT-TUN・上田竜也の現在地──肩書きの転換と表現者としての変化

1983年生まれの上田竜也は、KAT-TUNとしての活動を中心に20年以上のキャリアを歩んできた。2025年3月のグループ解散後は、新たなフェーズとしてソロアーティスト活動と俳優業により重心を置くようになり、表現の幅をさらに広げている。

上田竜也、“セックスゼロ夫”で見せる新境地──アラサーの愛と性に挑む最新ドラマの裏側

2024年には初のソロEP「ギリスト!」をリリースし、全国ツアーを実施。自己表現を音楽という形で改めて定義し直した節目でもあった。歌唱、ステージング、世界観の構築において、自分の意志を明確に作品へと落とし込む姿勢が強くなり、“アーティスト・上田竜也”の像は年々更新されている。

俳優としても舞台「After Life」などで繊細な感情表現に挑戦し、身体性と演技が結びついた立体的な役作りに定評がある。強さと儚さ、クールさと温かさ。相反する要素を一つの人物の中に同時に存在させられるのは、彼の大きな強みだ。

王子和弘という役の核心──“理想の推し”と“現実の夫”の矛盾

「聖ラブサバイバーズ」で上田が演じる王子和弘は、主人公ハルが長年追い続けてきたバンドマン。彼女にとっては夢そのものだが、結婚生活が始まった途端“セックスゼロ宣言”を受け、ハルは理想と現実のギャップに揺れることになる。

王子は決して冷酷な人物ではない。むしろ、ハルには素直で無邪気な一面を見せる。ただし、彼が抱える価値観や距離感には、言語化しきれない複雑さがある。

  • なぜ“フィジカルなし”を望むのか
  • 何に不安を抱えているのか
  • ハルに対してどんな「愛」を持っているのか

これらは単なるラブコメの設定ではなく、現代の恋愛観・性の価値観を立体的に描くための重要な軸になっている。

王子の内面に存在する矛盾や脆さを丁寧に描ける俳優でなければ、この役は薄っぺらくなる。華やかさと不器用さの両方を併せ持つ上田竜也がキャスティングされたことには、作品全体の説得力を左右する意味がある。







上田竜也が見せる“ギャップの演技”こそ、作品の肝になる

上田竜也がこれまで演じてきた役には、どれも“何かを抱えた人物”が多い。華やかな外側とは裏腹に、内面に葛藤や孤独を持つキャラクターは、彼が最も得意とする領域だ。

今回の王子和弘は、まさにその集大成のような存在。

クールで自信に満ちて見えるのに、誰よりも臆病。

人を惹きつける華やかさがあるのに、愛の表現は極端に不器用。

この二面性は、台本の行間をどう読み解き、どれだけ繊細に表情と距離感をつくれるかによって成立する。

また、上田自身が「ギャップ」を魅力として語ったように、ふとした笑顔や柔らかい仕草は、王子を“推し続けたい存在”として視聴者にとどめる重要な鍵になる。

ハルと王子の関係が映し出す、“ハッピーエンドのその先”

主人公のハルは、推しと結婚するという最高の夢を叶える一方で、「好き」だけでは越えられない現実と向き合うことになる。

愛情、性、尊重、価値観、葛藤。

このドラマが丁寧に描こうとしているのは、恋愛のきらめきではなく「その先の生活」。特に、性に関する悩みは人に言いづらく、誰もが抱えながらもあまり語られないテーマだ。

“愛しているのに、触れ合えない”

その違和感と苦しさは、誰かを傷つけるためではなく、ただ互いに何かが合っていないだけで生まれる。

視聴者がこの夫婦の会話や沈黙に心を寄せるのは、そこに自分自身や身近な人の姿を見出せるからかもしれない。







なぜ今、上田竜也は「挑戦的な作品」を選ぶのか

KAT-TUN解散後、上田竜也が選ぶ作品や活動には一貫した姿勢が見えてくる。それは、安全圏に留まらない ということだ。

ソロ作品では、感情やエネルギーをむき出しにした楽曲が多い。舞台では、静けさの中にある心の揺らぎを丁寧に表現する役に挑んできた。そして今回の王子和弘は、“愛と性”という極端にセンシティブなテーマの中心に立つ存在だ。

挑戦に惹かれる理由を一言で説明するのは難しい。ただ、彼の作品選びには明確な意志がある。

  • 過去のイメージに寄りかからない
  • 年齢や経歴で自分を狭めない
  • 今の自分だからできる表現に挑む

それらが「聖ラブサバイバーズ」での役柄と強くリンクしている。視聴者が王子の弱さや優しさをどう受け取るか。その反応こそ、上田にとって次の表現に繋がるヒントになるのだろう。

─“新しい上田竜也”に出会うドラマ

「聖ラブサバイバーズ」は、恋愛のときめきよりも、現実の愛のかたちを描く物語だ。“セックスゼロ夫”という極端な設定を軸にしながら、登場人物たちの心の動きを丁寧に追い、視聴者自身の価値観にもそっと問いかける。

そして、その中心に立つ上田竜也は、これまで積み重ねてきた表現をすべて使いながら、まったく新しい役柄へ挑むことになる。

華やかさだけではない。

強さだけでもない。

愛されるだけの存在でもない。

複雑で、矛盾を抱え、でも誰かを大切にしたいと願う人間をどう演じるのか──。

このドラマは、俳優・上田竜也の新境地を確かに感じられる作品になるはずだ。

2026年1月7日深夜24:30。

王子の“本音”が少しずつこぼれ落ちていく瞬間を、ぜひ見届けてほしい。

上田竜也、“セックスゼロ夫”で見せる新境地──アラサーの愛と性に挑む最新ドラマの裏側

2025/11/27

上田竜也、“セックスゼロ夫”で見せる新境地──アラサーの愛と性に挑む最新ドラマの裏側

2026年1月7日深夜、テレビ東京系ドラマNEXT枠でスタートする「聖ラブサバイバーズ」。 主演を務める石井杏奈の“推しバンドマン夫”として出演するのが、元KAT-TUNで現在はソロアーティスト兼俳優として活動する上田竜也だ。 原作は、恋愛・結婚・セックスへの悩みをポップに描いたラブコメディ。「推しのベーシストと結婚したのに、結婚式当日に“フィジカルなし”を宣言される」という衝撃的な展開から物語が始まる。上田が演じるのは、主人公ハルの恋慕と憧れをすべて背負うバンドマン・王子和弘。華やかなビジュアルと人懐っ ...

2025/9/10

舞台「謎解きはディナーのあとで」開幕!上田竜也が語る初日の手応えと裏話

東川篤哉の人気小説を原作とした音楽劇「謎解きはディナーのあとで」が、2025年9月9日に東京・日本青年館ホールで開幕しました。 主演はKAT-TUNの上田竜也。毒舌執事・影山という役柄に挑み、普段の“オラオラ系”イメージとは異なる一面を舞台で披露しています。初日を終えた直後にはキャスト陣とともに記者会見が行われ、上田自身が感じた手応えや役づくりの裏話を語りました。 作品概要と舞台化のポイント 「謎解きはディナーのあとで」はシリーズ累計500万部を突破し、2011年「本屋大賞」にも選ばれた人気ミステリー。テ ...

上田竜也、挑戦と進化の軌跡―今、役者として見せる新たな一面

2025/8/10

上田竜也、挑戦と進化の軌跡―今、役者として見せる新たな一面

多彩なキャリアを築いた19年 2006年3月、KAT-TUNのメンバーとして華々しくデビューした上田竜也。ダンスや歌だけでなく、作詞・作曲やライブ構成にも積極的に関わり、グループの世界観を形作ってきた。 近年は舞台や映像での演技にも力を注ぎ、役者としての存在感を年々高めている。彼のキャリアは、単なる“アイドル活動”の枠に収まらない、多面的な進化の記録でもある。 舞台で磨かれる表現力 初舞台となった『ロミオとジュリエット』(2009年)以降、彼は幅広い役柄に挑戦してきた。2021年の『Birdland』や2 ...

KAT-TUN解散からの“答え合わせ”─11月ライブ開催と3人の「今」を追う

2025/8/9

KAT-TUN解散からの“答え合わせ”─11月ライブ開催と3人の「今」を追う

解散から半年──KAT-TUN、11月に再び集結へ 2025年3月31日。KAT-TUNは20年近くにわたる活動に終止符を打ち、静かに解散した。 しかし、その別れは“永遠の別れ”ではなかった。 あの日から半年──11月8日、KAT-TUNが千葉・ZOZOマリンスタジアムに帰ってくる。 タイトルは「Break the KAT-TUN」。解散後の“再起”を示唆するような、強い決意が込められたライブだ。 発表は、STARTO ENTERTAINMENTの公式サイトを通じて明らかにされ、SNS上では「最後に会える ...

2023/9/15

【レビュー】映画『ネメシス 黄金螺旋の謎』

[wc_row] [wc_column size="one-third" position="first"] 【2023年3月31日公開,99分】 [/wc_column] [wc_column size="two-third" position="last"]   【監督】入江悠【脚本】秦建日子 【キャスト】 美神アンナ 広瀬すず 風真尚希 櫻井翔 千曲鷹弘 勝地涼 四万十勇次 中村蒼 小山川薫 富田望生 上原黄以子 大島優子 星憲章 上田竜也 姫川烝位 奥平大兼 リュウ楊一 加藤諒 緋邑晶 ...

2025/11/18

【レビュー】映画『Endless SHOCK』

「どんな称賛の言葉も陳腐に聞こえるほどの衝撃と感動でした!」「上田竜也くんお芝居素晴らしかった!」「堂本光一さんの肉体美(腕筋)!」 上映中【2021年2月1日】   KinKi Kidsの堂本光一が主演を務める人気ミュージカル「Endless SHOCK」の劇場版。2020年2月に新型コロナウイルスの影響を受け、一部公演中止となった同舞台を無観客で撮影したもの。堂本が脚本・演出・音楽を兼任し、KAT-TUNの上田竜也、ふぉ〜ゆ〜の越岡裕貴、松崎祐介、ジャニーズJr.から寺西拓人、高田翔、椿泰我 ...

みんなの気になるランキング

20代女性が選ぶ恋人にしたい有名人ランキング【2025年最新版】

2025/11/20

20代女性が選ぶ恋人にしたい有名人ランキング【2025年最新版】

“付き合いたい”のリアルな温度感。2025年、恋の主役はこの10人(ポプバ調べ) 「恋人にしたい」と思うその瞬間、人はどんな魅力に惹かれているのか――。 SNS投稿、検索トレンド、日常会話の中に散りばめられた“推し”たちの存在感をもとに、PopVerseMix編集部が20代女性の“本音”にフォーカスしたランキングを作成! 今年ならではの価値観が透けて見えるラインナップに、あなたもきっと「わかる〜!」と頷くはず。 次の推し活の参考にも、ぜひご一読を! 第10位:赤楚衛二(俳優・30歳) 距離感のうまさが“恋 ...

「初めてのちいかわ世界、最初に仲良くなりたいのは誰?」友達になりたいキャラランキングTOP10!

2025/11/20

「初めてのちいかわ世界、最初に仲良くなりたいのは誰?」友達になりたいキャラランキングTOP10!

ちいかわの世界、最初の友達が“運命”を決めるかもしれない。 もしも、あなたが突然“ちいかわ”の世界に迷い込んでしまったら…? 右も左もわからないその場所で、最初に出会いたいキャラは誰ですか? 本ランキングでは、SNSで話題のキャラ人気・共感の声・行動特性などをもとに、「初対面で仲良くなれそう」なちいかわキャラクターTOP10を独自の視点で厳選!(ポプバ調べ) あなたなら、誰に「一緒にいてほしい」と思う? 第10位:うさぎ(謎の生物) 全力で振り切った自由人、でも一緒にいたら絶対飽きない。 コメント: ・「 ...

「この人とならGWずっと一緒にいたい!」20〜30代女性が選ぶ“最高のデート相手”ランキングTOP10!

2025/11/20

「この人とならGWずっと一緒にいたい!」20〜30代女性が選ぶ“最高のデート相手”ランキングTOP10!

この人となら、GWが一生の思い出になる——。 “恋の理想形”が詰まった、10人の彼と過ごす想像の旅。(ポプバ調べ) 今年のゴールデンウィーク、もしも誰かとずっと一緒に過ごせるとしたら…? そんな夢のような妄想に、20〜30代女性たちが“ガチで選んだ”理想の相手をランキング化!SNSの声や検索トレンドをもとに、今の時代を映す“最高のデートパートナー”TOP10をお届けします。読者のみなさんも「私だったら誰と過ごしたい?」と想像しながら、ぜひご覧ください! 第10位:佐藤寛太(俳優・27歳) 飾らず自然体、だ ...

この記事を書いた執筆者・監修者
この記事を書いた執筆者・監修者

ポプバ ドラマ部:佐伯・Pちゃん

脚本家の視点でドラマを深掘る、雑食系オタクライター。
幼少期からドラマと映画が大好きで、物語を追いかけるうちに自然と脚本を書き始め、学生時代からコンクールに応募していた生粋の“ストーリーマニア”。現在はドラマのレビュー・考察・解説を中心に、作品の魅力と課題を両面から掘り下げる記事を執筆しています。
テレビドラマは毎クール全タイトルをチェック。「面白い作品だけを最後まで観る」主義で、つまらなければ途中でドロップアウト。その分、「最後まで観る=本当に推したい」と思える作品だけを、熱を込めて語ります。
漫画・アニメ・映画(邦画・洋画問わず)にも精通し、“ドラマだけでは語れない”背景や演出技法を比較的視点で解説できるのが強み。ストーリーテリング、脚本構造、キャラクター心理の描写など、“つくる側の目線”も織り交ぜたレビューが好評です。
「このドラマ、どう感じましたか?」を合言葉に、読者の感想や共感にも興味津々。ぜひ一緒にドラマの世界を深堀りしていきましょう!