10周年を迎えたWEST.が、グループ主演映画という大きな節目に挑んだ。
その作品が、アクション・コメディ・人情を融合させた映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』。
メンバー全員が役者としての顔を見せつつ、スクリーン上で絶妙な空気感を醸し出している本作だが、そこには“長年連れ添った男たち”だからこそ生まれる、独特の距離感があった。
今回、桐山照史、重岡大毅、藤井流星の3人に、映画の裏話とWEST.というチームの“リアルな関係性”について語ってもらった。
★10年目の化学反応。「7人で演じる」ことの意味
「7人でひとつの作品に出るのって、実は久しぶりなんです」
と話す桐山。
演劇やドラマ、バラエティでそれぞれの道を歩んできたWEST.が、改めて“ひとつの物語を紡ぐ”ということに挑んだ今作。
演出を手がけたのは、関西時代から彼らを知る瑠東東一郎監督だ。
「青春を共にした監督と再会して、映画を作るって運命やと思った」
と桐山は語る。
一方、重岡は
「この映画は、WEST.をあまり知らない人にも観てほしい」と断言する。
映画という枠組みの中でも、グループ特有の空気感は隠せない。
むしろ“知ってる人”だけが楽しめるものにせず、もっと開いた作品にしたいという想いがあったという。
★「あえてのギャップ」が楽しい。7人7様のキャラクター設計
作品の中で、メンバーは個性豊かな“裏社員”を演じている。
真面目すぎる熱血タイプから、愛すべき天然系、技術派のエリート、そして宴会仕切り屋まで。
それぞれのパブリックイメージとは少し違う役柄を担うことで、本人たちにとっても新鮮な体験になったようだ。
藤井は「普段の自分とは真逆のテンションだった」と語る。
チャラさ全開の“愛されキャラ”という役どころに、最初は戸惑いもあったというが、
「逆に自分が普段しない表現ができて楽しかった」と笑う。
また、桐山は「この作品、漫才みたいなセリフ回しが多くて」と振り返る。
自然体のテンポで掛け合いが生まれるのは、やはり長年の関係性あってこそだ。
★“野放し”がちょうどいい? WEST.の距離感が生むリアルさ
「お互いの住んでる場所も知らんし、連絡もあんま取らへん(笑)」
と語るのは藤井。
この一言に、WEST.の“ほどよい距離感”のすべてが詰まっているかもしれない。
桐山も「がっつりベタベタするわけでも、離れすぎてもない。そのバランスが心地いい」と言う。
それは、10年以上にわたる付き合いの中で自然に育まれた関係性だ。
「プライベートを詮索しすぎない。けど、現場で会えば自然と笑える」
というスタンスが、WEST.というチームの“抜群の空気感”を支えている。
まるで同窓会のような安心感と、プロとしての緊張感。その両立が、作品にもリアルな余白として滲み出ているのだ。
★“カメラが回ってない時”が一番WEST.らしい
撮影現場で印象的だったのは、むしろ“何気ない空き時間”だという。
楽屋での会話、食事の時のノリ、メンバー同士のいじり合い──。
どれも演出されたものではない、“素”のWEST.がそこにはあった。
「うちらって、本番で決めるより、カメラ回ってへん時が一番おもろいかも」
と苦笑する重岡。
自然体でいることが魅力になる、それが今のWEST.の強さなのかもしれない。
★完璧じゃない。でも、それが最高。
今回の映画『裏社員。』は、派手なアクションや笑いの要素も多いが、
本当の魅力は「7人の空気感」にある。
飾らない、繕わない。
でも、ちゃんと“プロ”でいる。
その絶妙なグラデーションが、WEST.というグループの“今”を浮き彫りにしている。
「野放しこそが、うちらには似合う」──桐山のその言葉が、すべてを物語っている。
“関西発の国民的グループ”へ─WEST.が築いた唯一無二の立ち位置
WEST.というグループは、常に“関西ジャニーズらしさ”と“全国区での活躍”の狭間で進化してきた。
元々関西ジャニーズJr.として活動していた彼らは、東京主導のテレビ・音楽業界において異色の存在とも言われたが、だからこそ生まれた武器がある。それが、“距離感”だ。
彼らのトークは、近すぎず、遠すぎない。
ファンとの間にも、それは同じように表れている。
SNS全盛のいま、過剰に接近しすぎるアイドルも少なくないが、WEST.はあえてそれをしない。
“親しみはあるのに干渉はしない”という絶妙なポジショニング。
これが、長く愛される理由のひとつなのだろう。
また、バラエティでも芝居でも、“なんでもできる”グループであることも強みだ。
映画『裏社員。』のような作品に挑戦できるのは、7人それぞれが多彩なスキルを持っているからこそ。
関西特有の“笑い”を軸にしつつ、全国規模の舞台で戦える柔軟性。
この10年で、WEST.はただの「関西のグループ」から、“日本のエンタメの一線で活躍する総合チーム”へと進化してきた。
「野放し」が似合う──それは自由さの裏返しではない。
信頼し合っているからこそ、それぞれの距離を保ち、好きなように振る舞える。
そして必要な時には自然と寄り添える。
そんな成熟した関係性こそ、WEST.が築いてきた最大の財産だ。
『裏社員。』は、その集大成とも言える作品。
スクリーンの中に映る7人の空気感は、作られたものではなく、10年以上の年月が紡いだ“本物”の関係そのものだ。
桐山×重岡×藤井が語るWEST.の魅力! 映画『裏社員。』で見せた“絶妙な距離感”とは?
10周年を迎えたWEST.が、グループ主演映画という大きな節目に挑んだ。 その作品が、アクション・コメディ・人情を融合させた映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』。 メンバー全員が役者としての顔を見せつつ、スクリーン上で絶妙な空気感を醸し出している本作だが、そこには“長年連れ添った男たち”だからこそ生まれる、独特の距離感があった。 今回、桐山照史、重岡大毅、藤井流星の3人に、映画の裏話とWEST.というチームの“リアルな関係性”について語ってもらった。 ★10年目の化学反応。「7人で演じる」ことの意
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