
氷上で羽生結弦は、今もなお問いを投げかけ続けている。
「滑るとは何か」「生きるとは何か」
オリンピック連覇を果たした“競技者”から、“表現者”へと歩みを進めた彼は、競技を離れてもなお氷の上で新たな物語を紡いでいる。
その象徴が、自身が出演・制作総指揮を務めたアイスストーリーシリーズ『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR』だ。
“祈り”を氷上で描く、羽生結弦という表現者
『RE_PRAY』は、“ゲーム”をモチーフにした構成で、人生における葛藤や再生、そして祈りをテーマにした公演だ。
羽生自身が物語の構成から演出意図まで深く関わり、氷上で「繰り返し挑むことの意味」「答えのない人生の美しさ」を描き出す。
演出を手がけたのは、PerfumeやBABYMETALなどを支える演出家・MIKIKO氏。
映像・照明・音楽が一体化したステージは、単なるアイスショーを超えた“総合芸術”として国内外の観客を魅了した。
神奈川・ぴあアリーナMMのリンクに羽生が立つと、会場全体の空気が一変する。
静寂の中で放たれる一つひとつの動きが祈りのように流れ、やがて一篇の物語として結晶していく。
タイトルに込められた「RE_PRAY(再び祈る)」は、人生の中で何度も願いを重ね、立ち上がっていく人間の姿そのものだ。
“競技者”から“語り手”へ――羽生結弦の現在地

2022年7月、羽生結弦はアマチュア競技からの卒業を発表し、プロスケーターとしての活動を本格化させた。
彼にとってそれは“引退”ではなく、“表現の新章”だった。
「得点のためではなく、想いを伝えるために滑る」――そう語るかのように、彼の滑りは年々、物語性を帯びている。
『RE_PRAY』では、観客に「答え」を提示するのではなく、“共に考える”構図が取られている。
孤独や希望、再生といったテーマを氷上で繰り返し問いかける姿に、観る者は自身の人生を重ねる。
その誠実で静かな表現は、フィギュアスケートという競技の枠を超え、「生き方を滑る芸術」として昇華されている。
再びスクリーンへ――「RE_PRAY」が映画館で蘇る
2024年2月に神奈川・ぴあアリーナMMで行われた『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR』公演の映像が、
2025年11月11日(火)に全国の映画館でアンコール上映される。
上映情報はライブ・ビューイング・ジャパンの公式サイトで案内される予定で、上映劇場の詳細は10月31日に発表される。
映画館の大スクリーンで、羽生結弦が氷上に描く祈りと物語を体感できる、貴重な機会となりそうだ。
さらに、この公演の模様を収めたDVD/Blu-rayが2026年1月23日(金)に発売予定。
氷上の呼吸や光の演出、衣装の細やかな質感まで、羽生が創り出した世界を自宅でも堪能できる。
“問い続ける”という生き方

羽生結弦が今もなお氷上に立つ理由――それは、未完の問いを追い続けるためだ。
勝敗のないステージで、彼は何を探し、何を伝えようとしているのか。
そこにあるのは“正解”ではなく、“祈るように生きる姿勢”そのものだ。
彼の滑りは、かつての情熱と同時に、静けさと覚悟をまとっている。
ひとつのスピンが人生の軌跡を語り、ひとつのステップが観る者の心に問いを残す。
それが『RE_PRAY』という作品が放つ最大の力であり、羽生結弦という存在が象徴するメッセージでもある。
未来へ――氷上の物語は続く
『RE_PRAY』は完結ではない。羽生結弦の物語は、いまも進行形だ。
次の表現がどのような形で生まれるのかはわからない。だが、彼の氷上の旅は、常に“祈り”とともにある。
フィギュアスケートがスポーツでありながら芸術でもあること。
その境界線を羽生結弦は、自らの手で塗り替え続けている。
氷上というキャンバスに、彼が次に描く一歩――その瞬間を、私たちは静かに待っている。
氷上の祈りが示すもの――羽生結弦の表現哲学
羽生結弦が作品を通じて繰り返し描いてきたのは「再生」というテーマだ。
ソチ、平昌の二度の金メダルを経ても、彼は何度でも立ち上がり、滑り続けてきた。
その背中にあるのは、常に「もう一度祈る(RE_PRAY)」という生き方だ。
ケガ、挫折、そして挑戦。
羽生はそのすべてを糧にして、今も氷上で自らを問い続けている。
彼の滑りが観客の心を動かすのは、華やかな技ではなく、そこに宿る“祈り”のような誠実さだ。
『RE_PRAY』は、羽生結弦の人生そのものが映し出された作品であり、これからの新たな創作への序章でもある。
彼が描く祈りの物語は、これからも私たちに静かに問いかけてくるだろう――
「あなたは、何を祈り、どう生きるのか」と。

羽生結弦が描く人生と氷上の物語――今、彼が問い続けるもの
氷上で羽生結弦は、今もなお問いを投げかけ続けている。 「滑るとは何か」「生きるとは何か」 オリンピック連覇を果たした“競技者”から、“表現者”へと歩みを進めた彼は、競技を離れてもなお氷の上で新たな物語を紡いでいる。 その象徴が、自身が出演・制作総指揮を務めたアイスストーリーシリーズ『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR』だ。 “祈り”を氷上で描く、羽生結弦という表現者 『RE_PRAY』は、“ゲーム”をモチーフにした構成で、人生における葛藤や再生、そして祈りを ...
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