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“絶対的センター”から表現者へ──前田敦子が語る20年と未来

“絶対的センター”から表現者へ──前田敦子が語る20年と未来

かつて“絶対的センター”と呼ばれた存在は、いまどこに立っているのか。

2025年に芸能活動20周年を迎えた前田敦子が、その現在地を刻む一冊として送り出すのが、約14年ぶりとなる写真集『前田敦子写真集 Beste』(講談社/2026年2月13日発売)だ。

これは単なるグラビア復帰ではない。20年の歩みを経て、アイドルという象徴的存在から、一人の表現者へと移り変わってきた軌跡の延長線上にある作品である。







AKB48のセンターという原点

“絶対的センター”から表現者へ──前田敦子が語る20年と未来

前田敦子のキャリアを語る際、避けて通れないのがAKB48での活動だ。

グループの中心的存在として多くの楽曲でセンターを務め、時代の空気を背負うポジションに立ち続けた。

2012年8月にグループを卒業。以降は俳優業を軸に活動を広げていくことになる。

アイドルとしての完成されたイメージから離れ、作品ごとに役と向き合う日々。華やかなステージの中央から、物語の中へ。この重心の移動こそが、彼女の20年を語る上で重要な変化だ。

約14年ぶりの写真集、その意味

2012年以来、約14年ぶりの写真集となる『前田敦子写真集 Beste』。撮影地に選ばれたのは、オーストリアの首都ウィーンである。

歴史ある建築、石畳の街並み、音楽文化が根づく空気。その舞台で表現されたテーマは「大人の恋」だ。

前田は公式コメントで、「写真集を眺めながら、どっぷりと大人の恋愛に浸っていただけたら」と語り、さらに撮影を通して「好きな人がほしくなった」とも明かしている。これは演出上の言葉ではなく、撮影体験から生まれた率直な感想として発表されたものだ。

本作では大胆なカットにも挑戦しているとされるが、注目すべきは露出そのものではない。

視線の揺れや、ふとした横顔に宿る余韻。年齢を重ねた今だからこそ表現できる繊細なニュアンスが、ページの随所に刻まれている。

「これが最後」という区切り

前田は本作について「これが最後」と語っている。

ただしこれは芸能活動全体の終止符を意味するものではない。写真集という形での表現に区切りをつける意志を示した言葉である。

2025年に20周年を迎えた節目で、後悔のない形で出し切る。その姿勢は、過去の自分を超えるというよりも、積み重ねた時間を受け止めたうえでの選択に近い。

“見せる存在”から“伝える存在”へ。アイドルとしての輝きと、俳優としての深化は対立するものではなく、地続きの変化なのだろう。







俳優としての現在地

“絶対的センター”から表現者へ──前田敦子が語る20年と未来

卒業後の前田敦子は、映画やドラマ、舞台と活動の幅を広げてきた。母親役や働く女性役など、現実味を帯びた役柄も増えている。

話題性よりも作品との向き合い方を重視する姿勢が印象的で、役ごとに異なる温度をまとってきた。20周年を経た現在、その強みは経験の蓄積にあると言える。

写真集『前田敦子写真集 Beste』は、俳優として歩んできた時間の延長線上にある表現だ。ウィーンという異国の街で切り取られた姿は、アイドル時代の延長ではなく、今の彼女そのものに近い。

なぜ今「大人の恋」なのか

「大人の恋」というテーマは、単なるロマンティックな演出ではない。

芸能活動20年という時間を経た現在の前田敦子にとって、それは自然な延長線上にある表現だ。

若さのきらめきや勢いだけでは描けない感情がある。期待と不安、喜びと距離感。経験を重ねたからこそ生まれる感情の揺らぎは、派手さよりも余韻を残す。

ウィーンという街は、観光地としての華やかさと同時に静けさを併せ持つ場所だ。歴史ある建物や音楽文化が息づき、時間がゆるやかに流れているように感じられる。その空気の中で撮影された本作は、ときめきを強調するというよりも、心の動きを丁寧にすくい取る方向に重心を置いている。

写真集という形式は、瞬間を切り取るメディアだ。しかし『前田敦子写真集 Beste』が映し出しているのは、瞬間のきらめきよりも、積み重ねてきた時間そのものだと読み取れる。

「これが最後」と宣言した背景には、グラビアという形での自己表現に一区切りをつける覚悟がある。だからこそ、本作は過去の総決算であると同時に、未来への通過点でもある。

アイドルとして中央に立ち続けた日々。俳優として役と向き合い続けた年月。その両方を抱えたまま、前田敦子は次のステージへ進もうとしている。

20年という時間は、肩書きを超えて、人を“表現者”へと変える。この一冊は、その変化を静かに証明する作品だ。

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ポプバ編集部:Jiji(ジジ)

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