今年もやってきました、漫画好きなら見逃せない「マンガ大賞2025」!今回も書店員や漫画ファンたちの投票で選ばれた注目作10作品がノミネートされました。これらの作品には、青春、ファンタジー、SF、ヒューマンドラマなど多彩なジャンルが揃い、どれも魅力的な作品ばかりです。本記事では、各作品の特徴や作者の背景を丁寧に解説し、受賞の本命候補を探っていきます。
1.『ふつうの軽音部』出内テツオ&クワハリ(集英社)
高校軽音部のリアルな日常と成長を描く青春群像劇!主人公・鳩野ちひろがエレキギターを手に軽音部へ入部し、その歌声で周囲を惹きつけていく様子が感動を呼びます。作中に登場するのは、andymoriや銀杏BOYZ、ナンバーガールといった実在の邦ロックバンド。音楽ファンなら思わずテンションが上がる選曲に加え、楽器やバンド活動における苦労もリアルに描かれています。
さらに、作品が伝えるメッセージはシンプルでありながら力強い――「音楽が人生を変える」。挫折や葛藤を乗り越えながら進むちひろの姿に、多くの読者が共感し、背中を押されるような感覚を味わえる作品です。
本作は2024年のSNSを中心に話題を呼び、「青春音楽漫画」の代表作として広がりを見せました。音楽好きや学生時代の軽音部経験者にも刺さる内容で、読後には「ライブに行きたい!」と思わせてくれる熱量があります。
2.『女の園の星』和山やま(祥伝社)
「マンガ大賞」の常連作ともいえる本作は、和山やま氏が描く独特な空気感とシュールな笑いが魅力。女子高の国語教師・星先生が織り成すゆるい日常と、個性豊かな生徒たちとのやりとりが絶妙です。女子高ならではの空気感や、星先生の飄々としたキャラクターが人気の理由。読者からは「何度も読み返して笑える」との声も多く、ユーモアと独特の間合いが光る一冊です。
和山やま氏自身、これまでに7度もマンガ大賞にノミネートされるという実績を誇り、2021年から3年連続でこの作品が候補に挙がるなど、その評価は揺るぎないもの。2024年には待望の第4巻も発売され、「今回こそ受賞にふさわしい!」という期待が高まっています。
3.『路傍のフジイ』鍋倉夫(小学館)
一見するとどこにでもいる普通の中年男性・フジイが主人公のヒューマンドラマ。しかしその「普通さ」こそが、この作品の最大の魅力です。華やかな活躍をするわけでも、目立つ個性があるわけでもないフジイが、ただひたすらに自分らしく生きる姿に、多くの読者が共感。競争社会や承認欲求に疲れた現代人にとって、心の安らぎを与えてくれる作品です。
作者・鍋倉夫氏は、人間の内面や些細な感情の機微を描くことに長けた作家。本作では派手さやドラマチックな展開を控えつつ、**「生きる意味」や「普通の大切さ」**をじっくりと考えさせられる作りになっています。読めばフジイのような生き方も「あり」だと思わせてくれる、深みのある一作です。
4.『COSMOS』田村隆平(小学館)
『べるぜバブ』で一世を風靡した田村隆平氏が、SFアクションに挑んだ意欲作!主人公の高校生・水森楓は、嘘を見抜く特殊能力を持ち、ある日出会った謎の女子高生をきっかけに宇宙人専門の保険会社「COSMOS」と関わることに。SFならではのスケール感あふれる展開と、田村氏お得意のユーモアセンスが絶妙にマッチしています。
作中では、宇宙人に関わる事件やトラブルがコミカルに描かれつつも、キャラクター同士の関係性やドラマが丁寧に掘り下げられています。田村氏ファンはもちろん、SF初心者でも楽しめる親しみやすい作品です!
5.『図書館の大魔術師』泉光(講談社)
壮大なファンタジー世界を舞台に、本を愛する少年・アムンが主人公。差別や貧困に苦しむ中、都にある図書館の司書を目指して成長していく物語は、夢を抱くすべての人に勇気を与えてくれます。
本作の魅力は、丁寧に描き込まれた世界観と、「知識の力」への尊敬が感じられるストーリー構成。本の魅力や可能性を描くことで、読者に改めて「読むこと」の大切さを気づかせてくれる一作です。
6.『ありす、宇宙までも』売野機子(小学館)
「宇宙飛行士もの」といえば男性主人公のイメージが強い中、女性主人公の物語として新しい切り口を打ち出した本作。過酷な訓練や葛藤を抱えながらも、主人公・ありすが宇宙船の船長を目指す姿は、若い世代へのエールそのもの。夢に挑む女性の姿がリアルに描かれ、読者の心をつかんで離しません。
7.『どくだみの花咲くころ』城戸志保(講談社)
信楽と清水という対照的な少年たちの友情を描く青春ドラマ。浮いてしまう信楽が作る粘土細工の美しさ、そしてそれに惹かれる清水の行動が、偏見を乗り越えて心を通わせる大切さを伝えてくれます。
8.『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』まるよのかもめ(白泉社)
とにかく食べることに全力投球なもちづきさん。豪快な食べっぷりに読者が元気をもらえる異色の作品です!
9.『この世は戦う価値がある』こだまはつみ(小学館)
過酷な労働環境を生き抜く女性の姿が、社会の厳しさと同時に希望も描き出す一作。痛快な展開に読後感は爽快!
10.『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』白川蟻ん/六つ花えいこ/秋鹿ユギリ(KADOKAWA)
異世界ファンタジーのスリルと恋愛模様が絡み合う作品。タイムリープをテーマにした意外性ある展開が注目です!