【2023年8月25日公開,93分】
この一家に幸あれと願わずにはいられない！イラン映画の巨匠ジャファル・パナヒの長男、パナー・パナヒの鮮烈な長編デビュー作
『白い風船』（1995）『チャドルと生きる』（2000）『人生タクシー』（2015）他でカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの三大映画祭を制覇した世界的巨匠であり、長年にわたるイラン政府との自由をめぐる闘争でも知られるジャファル・パナヒ。その制作現場で経験を積んだ長男パナー・パナヒが2021年、満を持して長編デビュー作を発表し、カンヌを皮切りに世界各国96の映画祭を喝采の渦に巻き込んだ。
父ジャファルが製作として関わっている本作は、イランの荒野を車で移動する家族のロードムービー。監督の家族や友人に起きた出来事から触発された物語は、驚くほどシンプルでありながらユーモアとペーソス、そしてサスペンスに富み、観客は一瞬たりとも目を離せない。-公式サイト-
あらすじ＜STORY＞
荒涼としたイランの大地を走る１台の車。後部座席では足にギプスをつけた父が悪態をつきながら、旅に大はしゃぎする幼い次男の相手をしている。助手席の母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、運転席では成人した長男が無言で前を見据えている。
次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に置き去ったり、尾行に怯えたり、転倒した自転車レースの選手を乗せたり、余命わずかなペットの犬の世話をしたりしながら、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着する。そこで父と母は羊飼いや仮面をつけた男と交渉し、長男は「旅人」として村人に迎えられる。旅の目的を知らない次男が無邪気に騒ぐ中、我々はこの家族の行方を知ることになる。
映画『君は行く先を知らない』を観た人の感想、評価、口コミ
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◉『君は行く先を知らない』
お父さん譲りのお国事情を取り入れユーモアさふんだんに交えたストーリー、
子供の無邪気さに見ている側も笑っちゃう。
あまりに唐突な出来事に｢え…｣と思いつつも、明るく笑って悲しみをかき消そうという映画に見え、
まさにこの家族の姿勢そのものだった。
◉『君は行く先を知らない』
結末が分からないのが、旅の醍醐味。淡々と映し続けるこの作品。
終わってみれば、あの瞬間、あの表情が結末につながっていくのが分かる。
鑑賞後、静かに胸をキュッと締め付けられるイラン映画でした。
パナー・パナヒ監督。
これから本当に要チェックです✅
◉『君は行く先を知らない』
愛情いっぱいの家族の姿に胸が熱くなる
◉『君は行く先を知らない』
イランの実情や国外流出・脱出について、
歴史や政治体制の知見が薄いんですけど、
家族のミステリアスに映るロードムービー良かったです。
次男が素晴らしいすぎる💪( ᐛ 💪)
◉『君は行く先を知らない』
荒涼とした乾燥地帯を走る車には足を骨折した初老の男その妻頑是無い男の子そしてペットの犬。
若い運転手は夫婦の息子で男の子は年の離れた弟。
どこかに行く息子を送り出すため共に旅する家族。状況をつかむまで時間がかかる。
目的地が見えない苛立ちを伴走するように味わう
妻は甲斐甲斐しく気を配り世話をするが一方で夫に怒りを覚え両手も骨折しているのよと嫌味。
粗暴な印象の夫にも何かしたい気持ちがあるのだが。
息子との別れを惜しむ場面が表情どころか何をしているのかほとんどわからない超ロング。
そんな時でもお構いなしに泣きわめくガキ(失礼)の声。
皮相と悲痛
次の旅人のための羊の皮?キャンプ…隔離…?
亡命の実情の一端？勉強しないとわからないことばかりだ
◉『君は行く先を知らない』
93分
イラン発ロードムービー。これはいい邦題。
イランは映画に関して少々特殊なことになるので、あらかじめ調べておくと良い。
明るいようで緊張した、震える優しい声が特徴的な唯一無二な映画。
観てよかった。芸術は負けないと言わんばかりにいい映像だったのも好き
◉『君は行く先を知らない』
4人と1匹。車で旅するイランの一家。
しかし、父親が時折見せる鋭い眼差しのほか、何処へ、何故向かうのかは語られない。
行き先を知らない君は、大はしゃぎする次男と愛犬ジェシーか、
一家全員か、観客か、監督か、それともイランの人々か。秀作！
◉『君は行く先を知らない』
犬が出てくる映画を観ると、
急いで帰って息子🐕を撫でなければ、という気分になる。
早く帰ろう💨
◉
『君は行く先を知らない』（8/25公開）、ジャファル・パナヒを父に持つパナーが初監督。傑作『リトル・ミス・サンシャイン』のように個性的で問題を抱えた家族のロードムービーでありながら、イランが抱える自由の制約により、変わらない現実が次男の無邪気でコミカルな描写との対比で胸を締めつける。 pic.twitter.com/zYLLpx0YuX
— 中井 圭 (@nakaikei) August 24, 2023
◉『君は行く先を知らない』
斬新で大胆だけれど繊細…イラン情勢とそこで撮るということ。
を、知れば知る程に奥行の深さと、君は…の、君。
が､彼だけを示すものでは無いことに気付かされる。
子供らしく無邪気で口づけする程に大地を愛す
次男のスパイスなしでは始まらない終わらない崇高な1作
◉『君は行く先を知らない』
ロードムービーを軸とした家族の旅路。我々も行く先を知らずに進む90分。
風景と共に映るロングショット。
そして吐露される会話劇にスクリーンとの近い距離感を錯覚させる。
中東映画の慣れなさ、難解さはあれど魅力は光る。じっくりと味わう映画。
◉『君は行く先を知らない』
‘イラン映画’で、‘このタイトルで’、なので、
殆どの人が行く先を知っている(わかってる)と思うんだけれども。
それでも、全編に渡って映し出される、慈しみと勇気。
これはきっと想像を超えて観る人の心に何かを残すと思う
◉『君は行く先を知らない』
母国に希望が持てず非合法な手段をとる。
平静に明るく振舞おうとする家族の不安と悲しみ。
とんでも放題の次男がいるからこそ際立つ、
別れによるかすかな希望と残る側の絶望。
見る者が感じるままにゆだねられる作品。
空虚さがさざ波のように広がって不思議な後味の映画でした。
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