音楽シーンを代表する声から、舞台の世界へ
King Gnuのボーカリストとして知られる井口理。
独創的な音楽性と圧倒的な歌声で注目を集める彼は、いまや日本の音楽シーンを語る上で欠かせない存在だ。
しかし、井口の表現のフィールドは音楽にとどまらない。俳優として映画やドラマにも出演し、そのユニークな存在感で評価を得てきた。そして2025年冬、彼が新たに挑むのは、舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』だ。
King Gnu井口理という人物像
井口はKing Gnu結成当初から、唯一無二の歌声でバンドのサウンドを牽引してきた。
クラシック音楽を学んだ背景を持ちながら、ポップスやロックに果敢に飛び込み、音楽のジャンルを自在に横断してきた彼の姿勢は「挑戦者」そのもの。
一方で、ラジオやバラエティ番組で見せる飾らないキャラクターも人気を集めており、アーティストでありながら“親しみやすさ”を兼ね備えた存在として、多くのファンに支持されている。
主演舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』での挑戦
井口が主演を務める『キャッシュ・オン・デリバリー』は、架空の間借り人をでっちあげて社会保障手当を不正受給している男・エリック・スワンを中心に展開するドタバタコメディ。井口はこのエリック役を演じ、相棒となる間借り人ノーマン・バセット役には矢本悠馬が出演する。
上演日程
2025年12月：東京・THEATER MILANO-Za
2026年1月：大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公開されたメインビジュアルには、エリックの“真の姿”と“でっちあげの姿”を切り取った井口の表情、そして矢本演じるノーマンの呆れ顔が映し出されている。さらにYouTubeで公開されたプロモーション映像では、二人の掛け合いから生まれるテンポの良いコメディ感が垣間見える。
音楽と演技、二つの表現が交差するとき
音楽活動で観客の心を掴んできた井口が、舞台で演じる「嘘を重ねる男」は、歌とはまた違う表現力を求められる役どころだ。
ステージ上で築いてきた存在感やリズム感覚は、コメディ舞台のテンポ作りにも大きな武器となるだろう。演奏で培った緩急のコントロールを、舞台上でどう活かすのか──。その点に注目するファンも多いはずだ。
進化し続ける井口理の現在地
俳優としての歩みを進めながら、アーティストとしても進化を続ける井口。彼の挑戦は「音楽家だから」「俳優だから」という枠を超え、表現者としての幅を広げていることを示している。
『キャッシュ・オン・デリバリー』は、その進化を目撃できる舞台となるに違いない。
なぜアーティストは舞台に挑むのか？
井口理の舞台出演は、音楽活動とは別の表現を模索する自然な流れでもある。
舞台は観客との距離が近く、ライブとも違った「生のリアクション」に直面する場。セリフや動作の一つひとつに観客の反応が返ってくるため、演者にとっては大きな成長の場になる。
音楽では“声”が最大の武器である井口だが、舞台では“身体”と“間”が重要になる。だからこそ、舞台経験は彼の音楽表現にフィードバックされる可能性も高い。実際、国内外の多くのアーティストが演劇に触れることで、歌やパフォーマンスに新たな深みを得てきた。井口もその流れに続く形で、自らの表現をさらに豊かにしていくことが期待される。
まとめ
King Gnuのボーカリストとして圧倒的な存在感を放ちつつ、俳優としても新たな挑戦を続ける井口理。
主演舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』は、彼が音楽と演技を交差させ、表現の幅をさらに広げていく現在地を体感できる機会となるだろう。
音楽ファンも演劇ファンも、この“別の顔”を見逃すわけにはいかない。
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