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俳優・青木柚が示す“型にはまらない魅力”─ドラマ出演からキャリアの転換点まで

俳優・青木柚が示す“型にはまらない魅力”─ドラマ出演からキャリアの転換点まで

俳優・青木柚あおき ゆず/2001年2月4日生まれ・神奈川県出身)。

その名を最近よく見かけるようになったという人も多いだろう。子役からキャリアを積み重ねてきた彼は、いまや作品ごとに印象を変えながらも、どこか“掴みきれない存在感”で映像世界に新しい空気をもたらす俳優の一人だ。

現在放送中のTBS系ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(2025年10月クール)で演じる“ミナト”という青年は、まさにその象徴。

爽やかで人懐っこいのに、どこか距離がある。そんな一筋縄ではいかない人物を、青木は軽やかに、そして静かに深く演じている。

掴めそうで掴めない男──“ミナト”に滲む青木柚の現在地

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第4話(2025年10月28日放送/TBS)では、青木演じるミナトの内面が鮮やかに浮かび上がった。

ミナトは、自分の理想を押し付けることなく、相手をそのまま受け入れるタイプの青年だ。

夏帆演じる鮎美の前では、型にはまらない自由さで彼女を解き放ちながらも、どこか“触れられない軽さ”を持っている。

「鮎ちゃんは誰かに任せなくて大丈夫。だって強いですから、僕らよりずっと」

――このセリフ(第4話より)は、ミナトの優しさと、彼の根っこにある“他者を信じる姿勢”を端的に表していた。

だがその一方で、彼の自由さは、鮎美の中に“得体の知れない不安”を生み出していく。

青木は、この「安心感と危うさの同居」を自然体で表現している。

悪気のない無防備さ、そして誰にでもフラットに接する距離感――それがミナトというキャラクターの魅力であり、青木自身の“今”を映す鏡のようでもある。







二面性を巧みに演じる──過去作が育てた“深み”

俳優・青木柚が示す“型にはまらない魅力”─ドラマ出演からキャリアの転換点まで

青木柚のキャリアを振り返ると、“二面性を持つ人物”を数多く演じてきたことに気づく。

『笑うマトリョーシカ』(TBS/2024年)では、政治家の裏側を象徴するような青年時代の主人公を熱演。純粋さと計算高さを同時に感じさせる演技で視聴者の印象に残った。

また、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ/2023年)では、幼なじみを支えるふりをしながら利用する青年を演じ、その“裏の顔”で物語を大きく動かした。

こうした経験の積み重ねが、今回の“ミナト”という複雑なキャラクターに深みを与えている。

青木は、光と影、善と悪、愛と独占――そのどちらにも偏らず、あくまで「人間のリアル」を描き出す。

それは演技の技術というより、“人を観察する洞察力”の賜物だ。

2025年、青木柚が迎えるキャリアの転換期

2025年の青木柚は、まさに“飛躍の年”だ。

TBSドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で連続ドラマの主要キャストを務める一方、10月10日には実写映画『秒速5センチメートル』(監督:山下敦弘)が全国公開された。青木は主人公・遠野貴樹の高校時代を演じ、その繊細な心の揺れを体現している。

さらに、2025年1月から放映された「JR SKISKI 2024-2025キャンペーン」では、俳優・出口夏希とともにメインキャストとして出演。広告や映像の分野でも新しい顔を見せた。

こうして、青木は“演技派の若手”という枠を超え、今やドラマ・映画・CMと多方面で活躍する存在になっている。







“型にとらわれない俳優”としての本質

青木柚の演技には、どんな場面でも「作り込みすぎない自然さ」がある。

それは決して即興的なのではなく、むしろ緻密な観察と感受性の結果として生まれている。

表情のわずかな変化、言葉の置き方、間の取り方――すべてが、相手役との空気の中で呼吸するように変化していく。

彼が演じる人物は、どこか掴みどころがない。それでも不思議と「この人の中に本音がある」と感じさせる。

この“曖昧さと誠実さの同居”こそ、青木柚が俳優として持つ最大の魅力だ。

固定観念に縛られず、役の「正解」を探さない。その自由さが、作品全体のトーンすら変えてしまうことがある。

青木柚が見せる“優しさ”の輪郭

俳優・青木柚が示す“型にはまらない魅力”─ドラマ出演からキャリアの転換点まで

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』のミナトが示した「鮎ちゃんは誰かに任せなくて大丈夫」という一言は、青木柚の演技哲学にも重なる。

彼は、他人を守るよりも、信じる。その信頼が、役を生きるときの原動力になっている。

相手を変えようとせず、存在そのものを受け止める――。

青木の芝居には、そうした“信頼”の感情が常に流れている。だからこそ、どんなに軽やかなキャラクターでも、観る人の心を不思議と温めるのだ。







これからの青木柚に期待すること

青木柚は、相手役を生かしながら自分の個性を滲ませる稀有なタイプの俳優だ。

その柔軟さゆえに、群像劇や心理ドラマなど、関係性の中で変化する役柄にこそ真価を発揮する。

今後は、より深い人間模様を描く作品や、主人公の“内面を静かに見つめるタイプ”の映画で、彼の繊細な演技が大きく開花していくだろう。

どんな作品に出演しても“青木柚らしさ”を残す――それは、型にはまらずに生きてきた彼だからこそできる表現だ。

まとめ:型を越えて、感情を生きる俳優

青木柚は、“型にハマらない俳優”というより、“型そのものを軽やかに飛び越える俳優”だ。

彼が演じるキャラクターは、どれも現実的で、でもどこか幻想的。近くにいるのに、完全には掴めない。

そんな存在をリアルに描ける俳優は、いまの日本ドラマ界でも数少ない。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で見せた“軽やかでいて危うい”ミナト像は、青木柚という俳優の新しい代表作になるだろう。

ここから先、どんな作品で彼がどんな息遣いを見せるのか――。その一瞬一瞬が、俳優・青木柚の進化を物語っていく。

関連情報(2025年10月時点)
  • 氏名:青木柚(あおき ゆず)
  • 生年月日:2001年2月4日(24歳)
  • 出身地:神奈川県
  • 所属事務所:ユマニテ
  • 主な出演作

     ・『笑うマトリョーシカ』(TBS系/2024年)

     ・『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系/2023年)

     ・『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系/2025年)

     ・映画『秒速5センチメートル』(2025年10月10日公開)
  • CM出演:「JR SKISKI 2024-2025」キャンペーン(2025年1月~放映)

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この記事を書いた執筆者・監修者
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ポプバ ドラマ部:佐伯・Pちゃん

脚本家の視点でドラマを深掘る、雑食系オタクライター。
幼少期からドラマと映画が大好きで、物語を追いかけるうちに自然と脚本を書き始め、学生時代からコンクールに応募していた生粋の“ストーリーマニア”。現在はドラマのレビュー・考察・解説を中心に、作品の魅力と課題を両面から掘り下げる記事を執筆しています。
テレビドラマは毎クール全タイトルをチェック。「面白い作品だけを最後まで観る」主義で、つまらなければ途中でドロップアウト。その分、「最後まで観る=本当に推したい」と思える作品だけを、熱を込めて語ります。
漫画・アニメ・映画(邦画・洋画問わず)にも精通し、“ドラマだけでは語れない”背景や演出技法を比較的視点で解説できるのが強み。ストーリーテリング、脚本構造、キャラクター心理の描写など、“つくる側の目線”も織り交ぜたレビューが好評です。
「このドラマ、どう感じましたか?」を合言葉に、読者の感想や共感にも興味津々。ぜひ一緒にドラマの世界を深堀りしていきましょう!